6月19日(水)午後3時から約45分間、ほぼ1年ぶりの党首討論が行われた。
立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、共産党の志位和夫委員長、日本維新の会の片山虎之助代表がそれぞれ短い持ち時間を使って安倍晋三首相の政権運営を質した。
と言えば、中身の濃い議論が交わされたように思うが、実施には、ほとんどお互いが言い放しのかみ合わない討議に終わった。
その原因は、やはり、安倍首相の余裕のない態度が、野党側にも伝わって、参議院選挙を控える中で、野党党首側も、安倍首相もほとんど党の政策や、自論を述べるだけで終始した。
討論の論点は、金融庁の出した2,000万円不足報告を、麻生太郎財務相が受け取らなかったことに端を発する年金問題一点に絞られた。最後に質問した片山氏は、解散問題に触れたが、安倍首相に一蹴された。
しかし、年金問題と言っても、安倍首相のマクロ経済方式の説明をはじめ、各党首とも正にマクロ的な説明をしただけで、具体性に欠けていた。
現実的には、現在の年金受給状況がどうなっているのか。例えば、平均的な厚生年金の受給額、国民年金の受給者の現状などを披歴し、平均的な生活を送るためには、どれだけの不足があり、それを補うための手立てはどうしたらよいのか。などを整理して討論の素材にしたほうが良かった。
安倍首相の余裕のない態度、短い時間の中では、具体的な議論は難しいと思うが、1年ぶりの党首討論は、やっぱり、予想していたとおり、無駄な時間を費やしただけに終わった感じだ。
年金に絞ったばっかりに、日米首脳会談での密約疑惑、北方領土交渉の破たん状態、無為だったイラン訪問など安倍首相の外交問題についても議論が全くなかったことは、いっそう物足りなさを感じた。「関連:2018年6月28日」