正さん日記

世の中思いにつれて

セウォル号沈没事故で、悲嘆に暮れる韓国。不明者未だ35名

2014-05-07 17:11:00 | 世界

 

 4月16日午前、韓国南西部・珍島沖で沈没した同国の旅客船「セウォル号」については、事故後21日目を迎えた5月6日時点で、死者267名が収容されたが、未だ35名が不明になっている。

 今朝のニュースでも、セウォル号の過去241回の航海の内、139回で積み荷の過積載があり、会社は約3億円の不当利益を得ていたと報道された。

 その他、この事故では、経験の浅い航海士による誤った航行、船員の偽装退避、不十分な積荷の固定、過剰増築に対する認証、誤った退避勧告、被害者家族に対する心無い対応など、次々に問題点が暴露され、政府、警察、企業など、いわば韓国社会全体の問題に発展している。

 殊に、未来ある高校生を含む多くの人々を見捨てて、イの一番に、しかも偽装逃避した船長はじめ一部船員の行為は、儒教精神を貴ぶ韓国人の自尊心に大きな傷跡を残したようだ。

 さらに、この事故の救助活動が行われている最中に、ソウルで地下鉄の追突事故が発生、韓国社会は事故の追い打ちに打ちのめされたようだ。

 近年、韓国は、電器、自動車、船舶などを中心に、活発な生産活動によって、一時のどん底経済が一転、G20のメンバーになるなど、先進国の仲間入りを果たし、文化的にも韓流などともてはやされてきたが、今回の事故によって一気にその誇りと自信を喪失した感は否めない。

 ただ、そんな中にあっても、セウォル号のアルバイト女性販売員が、乗客を避難させるため誘導に努め、自身は命を落としたことや、多くの民間ダイバーが救助のため、危険な海で懸命に潜水作業に努め、殉職者も出るなど、様々な人道的行為も多く報道され、決して暗いニュースばかりではないことも確かだ。

 まだ、35人もの不明者が入る中で、続けて捜査に全力を上げることが先決だが、その後、韓国社会が地下鉄事故を含め、今回の事故の教訓をどのように生かして改革を進めることができるかが大きな課題となった。

 言うまでもなく、日本も今回の韓国の事故を他山の石とし、間違いのない運輸政策を進めなければならない。

(写真:沈没現場に近い彭木(ペンモク)港の防波堤に結びつけられた黄色いリボン。「会いたい我が子よ 早く戻ってきて」と書かれている=2014年4月30日)「関連:4月29日

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