正さん日記

世の中思いにつれて

米ロ核軍縮条約「新START」が米上院で批准

2010-12-24 09:15:10 | 世界
 米上院は22日の本会議で、戦略核弾頭数の削減などを定めたロシアとの核軍縮条約「新START」の批准を賛成71、反対26で承認した。オバマ大統領が就任間もない2009年4月、チェコの首都プラハで核廃絶に向けた歴史的演説から、1年半で、先ずは同じ核大国ロシアと今年4月に交わした「新START」の批准にこぎつけ有言実行ぶりを示した。
 ロシアは米国の批准を受けて上下両院で批准手続きに入るが、情報によると批准は確実だが新年に持ち越すようだ。米ロ両国が批准書を交換すれば新STARTは発効する。
 
 条約は、戦略核弾頭の配備数上限を1550発に、運搬手段である弾道ミサイルや爆撃機の上限を未配備を含め800基・機に削減する。しかし、ロシアが2050、アメリカが500保有している核爆弾等の戦術核には手をつけていないことは不満足と言える。また、核は1発でも破壊力が凄まじく、例え、条約上の7年以内で、削減目標1550発が達成したとしても、上限1550発が残ることになり、正に核廃絶への道のりは遠いと言わなければならない。
 
 さらに、米ロ以外の核保有国は、「新START」を横目で見るだけで、今のところ核軍縮に対する具体的な動きは見られない。それどころか、本来、非核兵器国であるべき、パキスタン、インド、北朝鮮、イスラエルなどは、公然と核保有を誇示し他国に脅威を与えている。 これらの国に対する米ロの対応も、ダブルスタンダードになっており、タガが緩みっぱなしだ。オバマ大統領は、核廃絶の理想に向けて大きな一歩を進めたが、アメリカでは、保守主義の台頭もあり先行きは厳しい。
 ただ、国家安全保障上の最優先課題として同条約に取り組んだオバマ政権にとって、目標の年内批准を果たしたことは大きな外交実績となる。批准が遅れれば「リセット」した対ロ関係への悪影響も懸念されただけに、土壇場で面目を保った格好だ。「関連:4月9日」 
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