昨年12月に発足した、第2次安倍政権初の国政選挙となる第23回参議院選挙が今日4日告示された。参議院総数242議席の半分121議席が改選される。内訳は選挙区で73議席、比例区が48議席となる。投開票は7月21日(日)。
立候補の届け出は7月4日午前11時30分時点で、選挙区は73議席に対し270人、比例区は48議席に対し162人の合わせて432人になっている。前回は総勢437人が立候補したので、それを5人下回っている。
今回の選挙のポイントは、自民党、公明党の与党が、過半数を獲得して、衆参のねじれ現象が無くなるか否かである。そのためには、両党で63議席を獲得することが必要になる。また、自民党が単独で過半数になるためには72議席が必要だ。
今回の改選議席は、自民党が34、公明党が10の合計44議席なので、両党で19議席上積みすれが過半数を得られる。自民党単独では28議席の上積みが必要になる。
一方、憲法改正の発議要件を定めた96条の改正をめざす自民、日本維新の会などがどれだけの議席を占めるかも焦点だ。改正発議には、非改選を含め定数の3分の2以上の162議席が必要になる。
さて、先の都議会議員選挙で自公が全勝したことを考えると、自公の過半数はもとより、自民党単独過半数も手が届かない議席とは言えない。
従って、ねじれ現象の解消はかなり濃厚と言える。衆参のねじれ状態が解消されれば、内閣提出法案や国会同意人事が野党多数で否決されることがなくなり、自公政権は、安定した政権運営が可能になる。しかし、悪く言えば、自公政権のやりたい放題のことができることになるとも言える。
自民党は、比例区で確実な議席を得ることと、複数区では確実に議席を得るため候補者の擁立を絞った。従って、勝負は定数減となった福島、岐阜の2選挙区を加えた31の1人区と言われている。しかし、都議選の結果や世論調査でみた現在の自民党の勢いからすると、1人区における全勝もたやすくなっている感じだ。
与党は、当然ねじれ現象を解消することが最大の目的だろうが、そもそも参議院の役割は、衆議院の暴走をチェックするところにある。そのためにはかえってねじれ現象になっていた方が好もしいとも言える。衆参両院を特定の政党が牛耳ったのでは、参議院不要論に繋がる。
いずれにしても、国民は今回の参議院選挙で自公政権に過半数を与えれば、その後に来るのは憲法改正と原発再稼働が待っていることを考慮に入れておくべきだ。(写真:4日記者クラブで行われた党首討論会に出席した9党の党首)「関連:6月30日」
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