トランプリスクと言われているように、世界の平和にしても、経済にしても先行きを占う場合には、必ず出てくるのがこの言葉だ。
超大国アメリカの大統領は、世界の指導者と言われるくらい、その存在感が大きいが、今までの常識をことごとく覆すトランプ大統領の動きに、世界は振り回されている。
ところが、ここへ来て何となく世界を安堵させるようなトランプ大統領の発言が報じられている。
1つは、トランプ大統領が、昨年6月に離脱を表明した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に、復帰もあり得ると言明したことだ。
ただし、復帰に向けた具体的な行動に出る意向は示していないが、今までは頭から否定していた地球温暖化の科学的根拠について、トランプ氏の考え方に変化がでてきたとも受け止められる。
もう1点は、制裁を加えている北朝鮮の金正恩労働党委員長との関係について、米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューで、「恐らく非常に良い関係を築いている」と述べたことだ。
この言葉からは、トランプ大統領は、金委員長と既に接触しているようにも受け止められるが、トランプ氏は具体的には言葉を濁している。
韓国の文在寅大統領が、北朝鮮の金委員長と首脳会談を模索している中で、トランプ・金会談もセットするような方向性を示しており、そんな中で、トランプ大統領の言葉が出たのかも知れない。
しかし、世界では、米朝の衝突があるとしたら、金委員長よりもトランプ大統領の方が先に引き金をひくだろうと見られているだけに、トランプ大統領の方から、柔軟な発言があったことは歓迎すべきだ。
ただ、言動がころころ変わるような印象のトランプ大統領なので、頭からうのみにはできないが、この2つの変化が本物であることを期待しつつ、今後、これがどのように展開していくのか、一応の注目は持って然るべきだろう。「関連:2017年6月3日」