万作

稲刈りも順調に進んでいる・・・
昔は、稲刈り時期になると、ごちそうに万作の刺身などが食卓に上ることがあった・・・
晩夏から秋にかけて旬らしい・・・

私は万作の刺身は好物だったが・・・母などはあまり好まなかったようである・・・
「身が柔らかで水っぽい・・」と言うのが理由だった・・・

昔の農家は、門売りに来る行商の魚屋さんから一尾丸ごと買って刺身や煮つけにしていた・・・
値段も安く、たくさん食べられることが、食べることに意地汚かった私の好物になった理由かもしれない、

安かった万作も、近頃はスーパーなどでのお刺身パックが結構高い・・・
飽きるほど食べられる魚ではなくなった・・・
だんだんと庶民の食卓から遠のいてきそうである・・・

「万作」と縁起のいい名前がついていた魚だったのに・・近頃は「シイラ」と表示されている・・・
「シイラ」では実の無い籾の粃を連想して縁起が悪い・・・

「万作」と思って食べるから美味しさも格別だった・・・

鱪と書くのが正式名称らしいが・・・「万作」は方言だったのだろうか・・？