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World made from WILL 第6話その2  By安綱

2009年10月29日 22時32分13秒 | TRPG関連
気が付いたら3ヶ月近く空いてしまいました。
待ってた人がいたらすみません。

GM「みんな、前の話覚えてますか?」
恭介PL「ちゃんと前の話の記事を見てきました!」
ヨハンPL「大体覚えてます。」
GM「うむ、よしよし。そっちの二人は?」
穂酒PL「すみません、キャラシ忘れました!」
雛PL「俺も俺も!」
GM「うぉい! って雛何回目だそれ!」

・・・何はともあれ、始めます。

混沌という名の雲が晴れ、空には蒼く輝く月が見える。
長く連なる山脈に突き刺さった空に浮かぶ巨大な島と、浮上した灼熱の要塞。
行く先には、無数の魔物が相争う戦場。
ベール=ゼファー率いる裏界帝国軍の陣地はその一角にあった。
見張りの兵に呼び止められたが、きょうじゅが一言二言話すと、
ものすごく困ったような顔で兵士は通してくれた。
陣地の中央の天幕に行くと、そこには3柱の魔王の姿があった。
裏界の大公である大魔王ベール=ゼファー
“秘密公爵”リオン=グンタ
“荒廃の魔王”アゼル=イヴリス
裏界帝国陣営の中核とも言える3柱である。
ベル「あらあんたたち来たのね。 何をしに来たのかしら?」
穂酒「ああ、色々知りたいことがあって来た。」
ベル「ふーん、それでそんな人数で・・・ってマリア、アンタもいるわけね。」
きょうじゅ「あらあら、随分な言い様じゃなくって、この大大(中略)天才の私に向かって!」
ベル「いいからちょっと手伝いなさい!」
きょうじゅ「しょうがないわねえ。(一行に)ああ、(中略)マシーンの方は小さくしておくから気にしなくて
いいですわよ。ここまで完璧だと存在自体が罪ですわね、わたくし。」
ベル「ま、まあいいわ。それで、聞きたい事ね。良いわ、言ってみなさい。」
一行は現状の戦況や、この辺りの様子など、色々と質問をした。
その横で、ジルベルトとその主の会話や、きょうじゅの笑い声なんかが響いていたり。

・戦況

何箇所かで戦端が開かれていて乱戦状態。
全体的には裏界帝国軍が押し気味。
ベル「まあ、魔王の数、軍の質、量どれを取っても負ける要素はないわね。」
恭介PL「(フラグっぽい・・・)」
リオン「・・・」(本で顔を隠している。)
ベル「・・・何よリオン?」
リオン「いえ、何も。」

・この辺りの様子

  2-門-詰  門:蒼の門 1と2:戦場 詰:蒼の門警備軍詰め所
  | |/|
四-空-火 1  四:四魔貴族軍本陣 空:大空洞(どちらも眠れる龍の島内部)
   \|\|  
    誘-帝  火:火術要塞 誘:誘惑街跡地 帝:裏界帝国軍陣地

ベル「警備軍詰め所にはモーリー、大空洞にはアー=マイ=モニカ、
戦場1にイコ、誘惑街跡地にファルファロウが居るわね。
四魔貴族軍は、大空洞にブンブン=ヌー、眠れる龍の島の奥にフォルネーがいるはずよ。
他は、マルコやグラーシャやエリィなんかも見かけたわね。」
恭介「あのアラク=ロナは居なかったんですか?」
ベル「そういえば見てないわね。まあ気にしないでも良いでしょ。」
リオン「・・・」
恭介「・・・」

・スパイ
ベル「それに、四魔貴族軍には大きなスパイが居るわ。それも強力な、ね。」
恭介「スパイ?」
ベル「ええ、四魔貴族であんたたちが唯一分かっていない存在、魔炎長アウナス。」
穂酒「分かっているというのか?」
ベル「ええ、アウナスの正体、それは、“誘惑者”エイミーよ。謹慎状態はカモフラージュ。
実態は向こうにあって情報を色々回させていたのよ。」
穂酒「それだと、一つ疑問点がある。なぜあの炎の魔物は私たちを襲ってきたんだ?」
ベル「あっちの事情は分からないけど、たぶん『幻影』なんでしょ。
『幻影』っていうのは、分体の一種のことよ。普通の分体と違って独立した意志を持っているらしいわ。」
ヨハン「そんな事してメリットがあるのか?」
ベル「まあ長時間遠隔操作するよりはプラーナ消費は軽くなるからでしょ。まあ私の趣味じゃないわ。」
「で、そのエイミーとやらはいったい何をしているんだ?」
ベル「しばらく後に全軍で総攻撃をするつもりだけど、それまでに仕込みがあるらしいから、
今は蒼の門に居るわ。」
穂酒「信用できるのか?」
ベル「ええ、エイミーは誰かに仕える事に喜びを感じる魔王。その対象が私なら、何の問題もないわ。」
恭介PL「・・・」
穂酒PL「・・・」
リオン「・・・」(顔が上げられない)

・伝令
ベル「それにしてもパトリシア遅いわね。もう伝令から帰ってきてもいい頃なんだけど・・・」
穂酒「パトリシアとは、あのバイクの人か、運び屋ではなかったのか?」
ベル「まあついでに伝令も頼んでおいたのよ。」
「どこへ?」
ベル「蒼の門警備軍詰め所のモーリーの所よ。いい加減動きなさいって
発破かけに行かせたんだけどね。
仕方ないわね、ファルファロウにでも聞こうかしら?」
リオン「・・・」(必死に堪えている様子)
一同「・・・」(なんとも言えない様子)

(恭介PL「もういい、もういいです。これ以上喋ったらフラグが、フラグが!」
ヨハンPL「きっともう、手遅れなんだ・・・」)


ベル「それで、あんたたちには適当にフォルネー達を邪魔してもらいたい所ね。」
穂酒「ああ、放って置けないからな。」
恭介「具体的にはどうすれば?」
ベル「まあ可能ならヌーやフォルネーを倒してほしい所だけど、無理そうなら適当に引っ掻き回して欲しいわね。」

(恭介PL「いや、本体倒すとか無理だろJK」
穂酒PL「いや、普通の7LVと、裏界での7LVは違うだろう。でなきゃ普通、魔王の分体すら倒せるかどうか分からないラインだ。」
GM「うむ。でなきゃ本体なんて“絶対の主”(ルールブックに乗ってるサンプルボス。べらぼうに強い。)
以上に強いはずだしね。」

ベル「ところで、あんた達と一緒にもう一人居たわよね、名前は忘れたけど。」
穂酒「ああ、四季邑隼人というんだが、この間の戦いで・・」
ベル「なんで別行動なんてしてるわけ?」
一同「は!?」
穂酒「どこかで見かけたのか!?」
ベル「ああ、この前火術要塞に入っていくのを見たのよ。最近見たのと、あそこにわざわざ入っていく奴は珍しいから、たまたま覚えていただけよ。」
穂酒「あいつはどうなっていたんだ?」
ベル「少なくとも誰かの落とし子にはなっていたみたいよ?」
ヨハン「あいつ、生きてたのか。」
ベル「まあそれはいいわ。とにかく、あんたたちは適当に動きなさい。そのほうが楽しそうだしね。」
リオン「・・・」
アゼル「ベルが、そう言うなら。」


PCが可能な行動は、動いて調べるで一行動。(動かない事も可能)
一行動ごとに1単位時間経過する。
ターン制限はないが、時間によってイベントが発生、進行する。

ここで行動方針にかなり長時間悩む。
早く帰るために門への直行を主張する恭介と、隼人を探したい穂酒に、
ヌーに一泡吹かせたい雛と、何を考えているか分からないヨハン。
火術要塞に向かうか、誘惑街跡地で調べるか。
最終的には、誘惑街跡地でとりあえずファルファロウに情報を貰う方向でまとまった。
(穂酒PL「あれ、さっきファルファロウ来てませんでしたっけ?」
GM「うん、君たちが話し合っている間に帰ったよ。居る間に話しかけたらよかったんだけどね。」
穂酒PL「そうですか、残念。」)

マスターシーン
少し前の話。四季邑隼人は走っていた。
隼人「何とかして、あの事を伝えないと・・・」
魔物「見ツケタ!」
赤いレッサーデーモンなどの何体かが追って来る。
魔法で打ち倒していくが、その度に消耗は蓄積していく。
隼人「ずいぶんと離れてしまいましたね、早く合流しないと!」
隼人は戦場を走り抜けていった。

1行動目
誘惑街跡地

誘惑街、そう呼ばれていた場所があった。
無数の魔物で繁栄を築き上げていたそこは、しかし巨大なクレーターと化していた。
残骸が所々残っているだけのそこには、しかし何体もの魔物が飛び回っている。
ある者はカメラとマイクを持って徘徊し、またある者は残骸の中のプラーナを奪い合って争っている。
一行は二手に分かれて調査を開始した。穂酒と雛がファルファロウに話を聞きに行き、
恭介とヨハンが下級の魔物に聞き込みをするということになった。
ファルファロウ「ん、何や情報買いたいんか? なら面白い情報と交換やで。」
出した情報:モーリーとえいみーの密会の情報、怪しい詩人と、それとの会話内容
一行は、ここで初めて秘密にしていた情報をお互い知る事になった。
(GM「皆互いに信用しあってるわけじゃないからなあ。」)
知った情報
隼人は火術要塞から出て、魔物に追われながらも戦場2を眠れる龍の島へ進んでいること
エイミーが今蒼の門でやっている事は、「誰か客人を待っている」事であること
“魔戦士”アラク=ロナは、眠れる龍の島が門に近づいてくる頃には目撃情報がないこと
「ところで、自分は裏界帝国のために働かないといけない。そのための力が欲しい。」
ファルファロウ「ん? ウチの下僕になりたい言うんか?」
「うむ、力が欲しい。だから契約をしてもらいたい。」
ファルファロウ「なら情報とって来て・・」
(穂酒PL「待て、こいつは下僕になりたいとしか聞こえていないぞw」
ヨハンPL「誤解を解くべきだなw」)
雛「だから契約だ。俺(ひなちゃん)は得た情報を全て渡すから、代わりに力をくれ!」
ファルファロウ「ほんならこのマイク持って行き。」

告発者のレポートマイク
重量1
《告発者の情報収集》 常時
所持者の得た情報は、ファルファロウも同時に得る。
《突撃レポート!》 常時
情報収集、知名度判定の達成値+3
ただし、判定時にレポーター口調で実況しなければ、達成値補正はマイナスとなる。

※ 雛用特記事項 他のアイテム同様捨てれません。

(雛PL「ちっ、しょっぱいな。」)

同時に恭介とヨハンは、四魔貴族軍の魔物のふりをして、四魔貴族軍側の戦況を聞く。
(ヨハンPL「戦場の悲しみを感じていたのさ。」)
四魔貴族軍は全体的に押されており、ブンブン=ヌーがほぼ一柱で戦線を
維持しているためヌーの消耗は著しい。
また、全部はカバーできないため、眠れる龍の島への侵入は不可能ではない。
そのような話が聞けた。

ここでまた一行は非常に悩む。
蒼の門に直行するか、パーティを分けて門に直行する組と
隼人と会いに行く組に分かれるか、などといろいろ案が出てくる。
最終的には、わざわざ2つ目を購入してまで使用した《オラクル》2回によって、
・直接的ではないが、エイミーの行動によって3ターン目終了時に何かが起こる
・隼人に最速に会うには、(獣の欠片を使う以外では)次に大空洞に行けばいい
という事が分かったために、一行は大空洞に向かうのだった。

その途中・・・
恭介は、自分の錬金秘密基地から違和感を感じる。
炎の魔物が動き出し、秘密基地から外に出せと言っていた。
基地のスピーカーから話す恭介(他の人には秘密裏に。)

炎の魔物「ダセ・・・ココカラ・・・ アタシハ・・・オマエヲコロサナイト・・・」
恭介「またその話か。」
炎の魔物「アタシニハ、ナニモナイ・・・ オマエヲコロセバ、トリモドセル。ダカラ!!」
恭介「そういえば、お前にそういった奴はエイミーなんだな? メイド服を着た奴だ。」
炎の魔物「アア、ソウダ・・・ ダセ、ココカラ・・・ 時間ガ、ナイ・・・」
恭介「そういうわけにはいかないな。お前はそこにいてろ。」
そう言い捨てて接続を切ろうとする。最後に、こんな声が響いた。
炎の魔物「オ前ヲ見テイルト、心ガザワツク・・・」
恭介は何も言わず、もう聞こうともすることはなかった。

(恭介PL「それが、恋だ。」(一同爆笑)
GM「・・・・・・」)


2ターン目に続く・・・

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