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World made from WILL 第6話その4  By安綱

2009年11月12日 23時43分59秒 | TRPG関連
何故かブログに自分の偽者が出没してるけどキニシナイ。
というわけでまだ続く第6話。始まります。

(Scene BGM:海底宮)

眠れる龍の島最奥部。
辺りは有機的に蠢く壁、正面の壁には一柱の魔王が埋め込まれており、
その下には憂鬱な顔をした、競泳水着に身を包んだ褐色の肌の魔王が座っている。
海の底を見つめるその瞳には引き換えせぬ覚悟を宿し。
水を掻き進むはずの手には姿に似合わぬ魔槍を帯び。
魔海侯“海の魔女王”フォルネー=ルシウスがそこに居た。

隼人「フォルネーさん!」
フォルネー「ああ、帰ってきたんだ四季邑隼人。どうにかする算段でも付いた?
うん、その後ろの連中は何? ・・・ああなるほど、わざわざ連れてきてくれたわけね。
ならちょうどいいかな、本物のディバイディングオーブさえあれば問題ないんだし。
直接持って来れてないのは仕方ない、か。なりたての落とし子にしては十分ね。
それで、オーブを渡してくれる気はあるのかな?」
ヨハン「あー、嬢ちゃんには悪いんだがよ、さすがにそれだけは無理なんだわ。」
フォルネー「まあ、そうなるだろうと思った。じゃあ、仕方ない、か。」
フォルネーが槍を強く握り直すと、ただそれだけで、空気が一気に重苦しくなっていく。
隼人「ま、待ってください!」
慌てて隼人が声をかける。
フォルネー「何? 邪魔するのかな?」
隼人「そうじゃなくて、大変な事が分かったんです。」
フォルネー「・・・どういう事? いいわ、話して。」

隼人の言葉を聞くと、フォルネーはため息を漏らす。
フォルネー「なるほどね、エイミーがそんな事を。まあ、言われてみれば怪しくはあったけどさ。」
穂酒「それでも、止める気は無いのか?」
フォルネー「今この計画を止めたら、ベール=ゼファーは本気で止めにかかってくる。そうなったら、
地力で劣るこっちが不利。今しか無いの。」
恭介「それで勝ち目があるのか? でなければただの無謀だぞ。」
フォルネー「こっちも最後の手はある。あと一刻くらいで、裏界帝国軍は大混乱に陥るはずよ。そこを狙って一気に攻撃をかける。」
恭介「そもそも、お前は何をしようとしているんだ?」
フォルネー「私の目的は、忌まわしい超至高神や幻夢神の作ったこの世界を離れて、新たな世界を作る事。」
「しかし、お前はこの島を表界にぶつけるつもりだと聞いたが?」
フォルネー「誰からそんな事を吹き込まれたのかは知らないけど、そんな意味のないことはしないつもり。
表界は魅力的でも、結局幻夢神が目覚めたら消える泡沫なんだし。」
穂酒「どういうことだ?」
フォルネー「知らないの? この第八世界は、所詮私たち、つまり超至高神に逆らった古代神を封じ込めるために
作られた世界。そして表界こそ、幻夢神の封印。眠っている幻夢神の見ている夢に過ぎないわけ。」
隼人「なるほど、それで僕のような夢使いという存在がいるわけですね。」
フォルネー「そういうこと。それで、どうするの? オーブを渡す? それとも戦う?
素直に渡してくれるんだったら、表界に帰る手伝いくらいはしてあげるよ。
(ここで殺してでも奪い取っても良いけど、鍵の力のせいで消耗は免れない。出来ればやりたくはない、かな。)」
恭介「なるほど、全くの無策ではないのか。しかし、オーブを渡す事はできないな。
(フォルネーと戦うのはメリットが無い。しかしオーブは渡せない。
フォルネーについて現状を打破できるなら協力することは出来そうだが・・・)」
穂酒「貸す事ぐらいはできるだろう。それで手を打てないか?
(四魔貴族と裏界帝国とエイミー達。3つ巴の状態はよくないな。どうしたものか。)」
「まあ、アンタが負け犬になってはいないって事ならそれでもいい。
(ヌーとの決着は、皆が表界に帰った後でも付けられるだろう。俺(ひなちゃん)は帰る気は無いからな。)」
ヨハン「まあ、アンタとケンカしたくはないしなあ。
(きれいなおねーちゃんだよなあ、イイコトしてみたいよなあー。どうしよう?)」
穂酒「それで、隼人はどうするんだ? 戻ってくる気はあるのか?」
隼人「僕は今ロナさんの落とし子ですから、僕がどう考えようと、ロナさんが起きないと分からないと思います。」
恭介「ロナ、ロナと言っているが、お前がどうしたいかと聞いているんだ。」
フォルネー「落とし子の自由は力を与えたものが握っているから。しょうがないんじゃないかな?」
恭介「部下の自由意志を与えない管理なんかは合理的じゃない。理解できませんね。」
フォルネー「主によるけど、大枠の意向には従わざるを得ないでしょ。
そして、別に自由意志を奪ってる配下があっても困らない。そう思ってる魔王は多いかな。
そもそも落とし子に対する認識が違ってると思うよ。」
恭介「まあいいです。僕は合理的な思考しかできませんから。」
フォルネー「そ。それで、私たちを手伝って、オーブを貸してくれる。それでいいのかな?」
穂酒「ああ、そういう事だ。」
恭介「そうなりますね。」
フォルネー「でも、条件がある。その(穂酒を指して)蠅は壊してもらおうかな。
ベルに色々伝わっちゃたまらないし。」
穂酒「ふむ、なら最後にコレを持っていられないから返すと向こうに伝えたいのだが?」
フォルネー「却下。ベルが、それを渡した相手が勝手に捨てることを許すわけが無い。
それでこっちの思惑がばれたらたまったものじゃないから。」
穂酒「しかし、向こうとの連絡はできるようにしておきたいのだが?」
フォルネー「そんな都合のいいとこだけ壊すのは無理よ。」
穂酒「じゃあ、せめてここに置いておくというのでどうだ? 流石に勝手に壊すのは良くないからな。」
フォルネー「本当は置いておきたくも無いんだけどね、まあいいか。」

(穂酒PL「じゃあ代わりに〈悪魔の魚〉みたいなアイテムをくれませんか?」
GM「連絡手段なら、O-PHONEみたいなのをフォルネーが魔法で作ったから、それで可能だ。」
雛PL「いや、それでは盗聴されるかもしれないですし、
ここはひとつ代わりの魔法の品をくれるということで。」
GM「能力のデータが欲しいだけだろうが、だめだよw というかここに来てフォルネーに味方するなら
そう言われるのは当然だろ?」
穂酒PL「ですよねー。」
恭介PL「所で、蠅をフォルネーはどうするんでしょう?」
穂酒PL「今一瞬、鬱憤晴らしに蠅をいじめるフォルネーの姿が思い浮かんだw」
GM「いやいやww」)

穂酒「では、これからどう動くかだが。」
フォルネー「私は、半刻後の裏界帝国軍の混乱に乗じて、全軍で蒼の門に向かう。
気がかりなエイミーの火術要塞は、悪いけどヌーに抑えてもらう。
貴方たちは、火術要塞に援軍に向かうか、私と一緒に蒼の門に向かうか、好きにして。」
恭介「(・・・)火術要塞はたしかに気がかりですね。
エイミーが何をしてくるか読めない以上、押さえは必要かもしれません。」
「しかし、門には早めに近づいておきたいだろう?
なら先に行ったほうがいいのじゃないか? エイミーもそこにいるわけだし。」
恭介「それはそうですが・・・」
隼人「しかし、火術要塞は行っておくべきかもしれません。
あの恭介さんの記憶の入った魔石の事もありますから。」
恭介「な、隼人っ! それはっ!!」
穂酒「どういう事だ?」
恭介「・・・」
ヨハン「そんな話があったな。じゃあ、火術要塞に向かうって事で。」
フォルネー「そ。じゃあそっちは任せる。ヌーに伝えて。」
穂酒「分かった。」
そして五人は、フォルネーの魔法により、外に転送された。

この場面の裏話
(GM「大分悩んでるねえ。まあどっちに向かっても構わないよ。
まあ蒼の門に行くのは自然だし、火術要塞には恭介の記憶の魔石があったって話もあるし。」
恭介PL「ああっGM、せっかく分からないように誘導しようとしてたのに。」
雛PL「そういえばそんなものもあったな。」
ヨハンPL「じゃあそっちのほうがいいよねえ。」
GM「そういえばその話フォルネーに言う? このままだと隼人が口滑らしそうだけど。」
恭介PL「中の人的には、とっとと言っちゃってください(笑)恭介は『隼人、それは言うな!!』とか
言いますけどw 止めたけど間に合わなかったー、みたいなw」(一同笑う)
GM「ひでえww」)

「ああそうだ、水をくれないか?」
フォルネー「ああ、そういえばそんなの渡したっけ。・・・改めて見ると、似合ってないね。」
「そんなことはどうだっていい!!(プレイヤー心の叫び)」
フォルネー「うん、じゃあ思いっきり行くよ。」
穂酒「ちょ、ちょっと待て! そういう話じゃないだろう?!」
フォルネー「あー、じゃ軽く。」
《レインコール》発動。魔導49スタートの魔攻70くらいのダメージ。
降り注ぐ大量の大雨であやうく死にかける雛。
(雛PL「水着が無ければ死んでいたな。」)
五人「・・・」)

Scene BGM:迫り来る危機

3ターン目終了時
裏界帝国軍陣地にて。
ベル「圧倒的じゃない、わが軍は。」
リオン「・・・」(あーあ、言っちゃった的な顔をする。PL一同も同様)
ベル「何よリオン?」
リオン「いえ、別に何も。」
伝令A「ベ、ベール=ゼファー様!」
ベル「何よ、騒々しいわね。フォルネーちゃんの首でも取れた?」
伝令A「それが・・・その・・・」
ベル「はっきり言いなさい。」
伝令A「はっ! 裏界帝国軍第3~6大隊、命令を無視して蒼の門警備軍と合流! 連絡がつきません!」
ベル「何ですって!?」
伝令B「申し上げます! 北東にモーリー=グレイ、パトリシア=マルティン率いる軍が出現、離反した兵と合流し、独自行動を開始! 同行していた魔王ムーク、YS、カリウム、GT、ポット反応消失!!」
伝令C「申し上げます! 四魔貴族軍が一斉に攻勢に転じ、押さえ切れません!」
ベル「どういうことよこれは! 何とか指揮を・・」
伝令D「後方から東方公国軍50万が奇襲!」
言葉と同時に、高速で飛来する人影、そして爆音。
“東方公国の王女”パール=クールである。
パール「ベルー、大分困ってるじゃなぁい? パトリシアにでも逃げられちゃった?」
ベル「パール、あんたまさか!」
パール「パールちゃんはちょっとパトリシアとフォルネーにタイミングを教えてあげただけよ?」
ベル「あいつらに手を貸すなんて、血迷ったの?!」
パール「まああいつらは気に食わないけどね、それよりもベル、アンタのほうが
気に食わないの、よっ!!」
言葉と共に放たれる魔法。巨大な魔力が膨れ上がり、戦いが幕を開けた。

一方、戦場の北東部。
裏界帝国軍にありながら、今まで動きの無かった一軍があった。
その司令官、甲冑に身を包んだ魔王モーリー=グレイの元に、青白いバイクに
またがった魔王パトリシア=マルティンが戦場を走ってきた。
パトリシア「派手な合図だねえ。あっちはもう動いてるかね。」
モーリー「こちらも動き時か。それにしても裏界帝国軍、これほどまでに脆いものだとは。
所詮ベール=ゼファーではこの程度という事か。やはり裏界帝国の主は
あのお方でなくてはならぬ。」
詩人「そのために、私たちが居るのでしょう。獣の欠片を持つ者も現れたようですし、
いよいよ大詰めですね。」
モーリー「然りだ。しかし、お前はいい加減その格好と口調は止めたらどうだ?
やはり、私などという言い方をお前がするのは違和感がある。」
詩人「まあまあ、これもあと少しの辛抱。表界にいらっしゃるあのお方のため。」
『そう、全てはルー=サイファー様のために。』

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