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World made from WILL 第6話その1  By安綱

2009年07月15日 01時52分04秒 | TRPG関連
雛PL「レベルアップって必要ですか?」
GM「・・・必要だろ。」
のっけからそれかい。
ヨハンPL「経験点10点余ってるな、そうだ、魔龍の鱗取ろう。」
恭介PL「鱗って、あいつの?」
穂酒PL「剥いできたのかw」
あいかわらず賑やかな面々である。
GM「準備はいいかー、はじめるよー… あ゛、今回予告忘れてた、ちょっと待って!」
のっけからそれかい。

さて激動の第六話、ここに開幕。


今回予告
世界を求めるものが居る。それは旧知の一柱を代償に新世界を求めた。
復活を求めるものが居る。大いなる力を再び、と影で暗躍している。
生命を求めるものが居る。進化の行き着く先を探求している。
・・・
帰りたいと願うひとがいる。世界と世界との壁を越えようとしている。
求める者、願う者、想う者、探る者。
その全てが今、蒼の門に集う。

ナイトウィザード2ndキャンペーン「World Made from WILL」
第六話 「開かれる扉」

「あなた方は、どうしたいのですか? それが答えですわ。」

オープニング

一行をのせたきょうじゅのマシーンは、猛スピードで蒼の門に向かって進んでいた。
それでもたどり着くまでに丸一日近くかかる。
その間に起こった事を記そう。

穂酒は、街の子供たちの世話をしていた。
何やかやと子供たちが不安や恐怖を感じる出来事には
あいにく事欠かないため、気持ちを楽にさせてあげるのは大事な事だ。穂酒はそう考えていた。
ミレーナ「ありがとう、助かるわ。」
穂酒「いや、子供たちには必要だろうからな。」
ミレーナにも、穂酒にも、共に疲労の色は見え隠れしている。
それでも、やれる事をやろう。そう考えているのだった。
そんな所にきょうじゅがやってくる。
きょうじゅ「ちょっと来てくださる? 分かった事がいくつかありますの。」
穂酒「そうか、わかった。」
穂酒はきょうじゅの方に走っていく。
その時、ミレーナの顔に不快感が浮かんだ。まあ当然だろう。
大事な街の子供に手を出されて怒らないほうがおかしいのだから。
きょうじゅは、しかしそれを見ない振りをして、穂酒と共に行ってしまう。
ミレーナの苦労は、まだ終わらない。
そしてきょうじゅは穂酒を、これまで炎の魔物が寝かされていた部屋まで連れて行った。
穂酒「ここは、あの魔物の居る部屋か?」
きょうじゅ「あの子は恭介ちゃんに渡しましたわ。それよりも、見て欲しいものがありますの。」
そういって残っているコンソールをいじくるきょうじゅ。
そこには、あの魔物の発していたプラーナの解析結果が書かれていた。
 マイナスのプラーナ(仮名)
 発見場所
 ・炎の魔物の体内
 含有量
 ・普通の存在が含有しているプラーナ量とほぼ同じ。
 使用したときの影響
 ・行動の妨害(同一SQ内での判定に達成値-1D6)
 ・運命改変の打ち消し(プラーナによる振りなおしの妨害)
 ・効力の反転(代償:nプラーナの代償として使用すると、効果が反転する)
きょうじゅ「まさにマイナスのプラーナ、とでもいうべきものですわね。」
穂酒「なるほど、厄介なものだな。」
きょうじゅ「ええ、普通はこんなものを持っていておかしくならないはずはありませんわ。しかし、昔にこんなものの話を耳にしたことがあったような・・・
覚えはありませんの?」
知力ジャッジは・・・ファンブル。
穂酒「いや、覚えがないな。」
きょうじゅ「そうですの、まあこちらも昔そんなことを話していた人が居た、というだけですし。」
ヨハン「それはレオニードの事じゃないか?」
いつのまにかヨハンが部屋に入ってきていた。
きょうじゅ「ええ、そうでしたわね。まあレオニード自身も、知り合いにそんな体質の奴が居る、とか言っていただけですし。」
ヨハン「そういえばそんな事を話していたかもしれないな。」
きょうじゅ「それと、蒼の門付近の現状が大まかに分かりましたわ。」
きょうじゅによれば、蒼の門に眠れる龍の島が突っ込もうとし、
それを阻むためにベール=ゼファー率いる裏界帝国軍が集まって、
一触即発状態であったり、シアースやクロウやマルコなどが四魔貴族側についており、四魔貴族側も非常に大きな勢力になっていたり、それ以外の勢力もありそうだったりといったことが分かった。
きょうじゅ「まあ岩と花束の街でも情報は集められるでしょう。」
穂酒「ふむ、あのベルという人はそんなにすごかったのか。知らなかった。」
ヨハン「ベール=ゼファーくらい知っとこうぜー、穂酒ちゃんよ・・・」
その後、
穂酒「そういえば、ジルベルトなら知っているだろうか?」
言って、ジルベルトに聞きに行く穂酒だがジルベルトも知らない。
それでも主の体質と似ているため何か分かったら教える、という答えは貰えた。


「改造をする前に、いくつか質問をしますわよ。」
目を覚ました雛は、そんな言葉を思い出していた。
自分の身体をきょうじゅに弄られる直前、いくつか聞かれた事があったのだ。
好きな数字は?とか、陸海空植物どれがいい?だとか
訳の分からない質問ばかりだったことしか覚えていない。
それでも、今の自分に何が起こっているかは分かる。
部分的に結晶化したり、逆に骨が変化し軟体化の進行している手足。
まるで蔓のような感触に変わってきている一部の体毛。
そして、消える事のない忌まわしき鱗。
その全てが、自分は人間ではないと告げているかのようだった。
そうしていると、穂酒とヨハンが入ってきた。
穂酒「目を覚ましたか。具合はどうだ?」
「あまり良くはない。身体がだるくてしょうがなくてな。」
穂酒「そうか・・・ それで、どこまで覚えている?」
「ああ、あいつに攻撃をかけたことまでは覚えているが、そのあとは曖昧だな。」
ヨハン「それで、その体のこと、教えてもらえるか?」
「隠しておくつもりだったんだがな、仕方がないか。」
ヨハン「まあ、最初からおかしいとは思っていたけどな。」
「これが侵魔召喚師の末路なんだろうな。力を求めた代償がコレということだ。」
ヨハン「いや、普通の侵魔召喚師じゃこうはならないだろう?」
穂酒「戻れないのか?」
「戻る必要があるのか? 復讐はまだ終わっていないだろう。
まだ本体を倒していない。いや悪いね、さっき手伝ってもらって?」
あえて皮肉気に、雛は言い放った。雛は続けて言う。
「俺(ひなちゃん)は十分強くなった。ここらで抜けさせてもらうよ。
(穂酒に)最初はただ気持ち悪いだけだと思っていたが、いや、なかなかいいやつだったよ。じゃあな。」
そう言って部屋を出て行こうとする雛。そこに、穂酒の腕が伸びた。
ラリアットのように腕を首にかけ、そのまま引き倒す。
「何をする!」
穂酒「強くなった? 勘違いするな! 全てお前の力ではない! 人から貰った力と実力を履き違えるな!」
ヨハン「あいつとの戦いでも、死にかけてたのはお前だけだろう?」
「この力はいつ制御できなくなるか分からない! 
そんな奴が側に居ても仕方ないだろう!」
雛は叫ぶ。自分の思いを、自分でも気付かなかった想いを。
穂酒「仲間は巻き込むものだ。お前がそんな悩みを抱えているんなら、それを話してくれ。悩みを分かち合える、それが仲間だろう。」
ヨハン「そうそう。今度は俺らを手伝ってくれよ。まだ色々残ってるんだしさ。」
雛は、しかし何もないような様子を見せようとしながら。
「そんなことより、だ。どうするんだ? この気持ち悪い異形になった俺(ひなちゃん)を?」
穂酒「気持ち悪い? どこがだ。どこも気持ち悪くなどない。
それに、それはお前自身の身体なのだろう? 何ら気にする必要は無い。お前はその身体に誇りを持っていい。」
ヨハン「おい、ちょっとそいつは・・」
「ふざけるな!! よくそんなことが言えるな。ちょっと離れていろ。」
二人が少し離れると、雛は身体に力を込める。
雛が苦痛に呻くとともに、その背中からは、一対の黒い羽が生え出してきた。
「これでもそんなことが言えるのか!? 今目の前のおいしそうな肉を
グチャグチャにして食らってやってもいいんだぞ!?」
穂酒「ああ、お前が本心からそう思っているなら構わない。」
ヨハン「落ち着け、二人とも。(雛に)なあ、あんたはもっと図太い奴だったろ?いまさら自棄になっても遅いぜ。(穂酒に)アンタも、ちょっとは言い方考えたらどうだ?」
「・・・そうだな。」
穂酒「どんな身体でもいい。だが、大切にしてくれ。少なくとも私は、お前が命を失うのは悲しい。
そして、もし理性を失っても・・・」
「殺してくれるのか?」
穂酒「理性を失ったら止めよう。そして元に戻る方法を探そう。それだけだ。」
「・・・・・・全く、こうもひきとめられちゃあな。困った。
しょうがない。借りを返してから堂々と出て行くさ。
(ヨハンに)それと、その鱗はアイツの一部だろう? 気をつけたほうがいい。」
ヨハン「まあ、危なくなったらどうにかするさ。」
穂酒「よし、話もまとまった事だし、なにか食べ物を作ってこよう。」
「なら俺(ひなちゃん)が作ろう。」
ヨハン「・・・-と-が合わさったら、きっと+になるよなー(遠い目)」
精神ジャッジの結果は、ヨハンが6時間昏睡状態になったとだけ書いておく事にしよう。南無。

一方その頃、恭介は美森を部屋に連れていっていた。
美森をベッドに寝かせ、しばらく横についている恭介。
やがて、美森の目がゆっくり開く。
美森「・・・きょう・・・すけ?」
恭介「目が覚めた、美森ちゃん。」
美森「恭介、きょうすけぇ・・・!! 恐かった、恐かったよ・・・!!」
泣きじゃくる美森の頭をゆっくり撫でる恭介。
恭介「大丈夫、もう大丈夫だから。ね。」
美森「うん、うん・・・」
そのまま泣き止むまで、恭介は頭を撫で続けていた。
恭介「落ち着いた?」
美森「うん、なんとか。それで、今はどうなってるの?」
恭介「蒼の門って所に向かっている所だよ。」
美森「蒼の門って、あの帰れる、かもしれないって所だよね?」
恭介「うん、絶対帰れるよ。」
美森「そう、だよね。あ、けどさ、蒼の門ってどんな所なんだろうね?
門って言うからにはさ、何かすごく大っきな門があるのかな? 世界をつなぐっていうんだから、すごいんだろうね。あ、でももしかしたら・・」
矢継ぎ早に言う美森。しかし、恭介は全て判っているかのような目をして言った。
恭介「美森ちゃん。」
美森「・・・」
言葉を止める美森。やがてぽつりと呟く。
美森「これで最後、だよね? これで“あるべき状態”っていうか、元に戻れるんだよね?」
恭介「うん、だから安心して。今はもう少し眠った方がいい。」
美森「うん、わかった・・・」
そう言ってそのまま眠りに付く美森。
美森が眠ると、恭介は握っていた美森の手を優しく布団に押し入れて、厳しい表情を作る。
恭介「見た感じは特に今までと変わりない。けど、入れ替わられたり何か術式を施されている可能性は捨てきれない、か。」
そう呟くと恭介は部屋を出た。
しばらくして部屋に戻ってきた恭介は、雛を連れてきていた。
「わかった、《秘密公爵の告げ口》で調べればいいんだな?」
そう言って、魔法の呪文を唱える雛。
顔を引きつらせながら“可愛らしい”口上を述べてリオンの分体を召喚する。
「この子は何者か知りたい。」
リオン「この子が前と同じか、という事ですか? ・・・前に見たときと変わりません。同一の存在です。」
恭介「同一の存在? ずいぶんと持って回った言い回しだな?」
「何か魔法がかけられていたりしないか?」
リオン「・・・かけられています。」
恭介「それで前と同じだって?」
リオン「つまり、貴方が彼女と再会する以前からかかっていた、ということです。」
恭介「・・・・・・やはり、そうか。」
予感はあった。覚悟もしていた。しかし、改めて言われるとショックは大きかった。
「それで、どんな魔法なんだ?」
リオン「それは・・・」
リオンが答えるよりも早く、リオンの本が燃え落ち、術のリンクが切れて消滅する。
「ふん、どうやら誰かにとって知られたくない何かがあるみたいだな。」
恭介「・・・」
答えは出ない。しかし何かがある。恭介はそう確信していた。

しばらくして、蒼の門まであと数時間と迫ったとき、きょうじゅが皆を集めた。
恭介、穂酒、雛、ヨハン、そしてミレーナ、アイリーンとおまけにルクサンド。
恭介は普段と変わらなさげだが、どこか張り詰めた空気を纏わせて。
穂酒は雛の『料理』によって、スライムが顔にかかったままで。
雛は『料理』のためと言いつつフライパンで格闘するように。
ヨハンは、料理恐いスライム恐い植物恐いと震えながら。
きょうじゅ「厄介な事になっていますわ。これを見てくださる?」
スクリーンに映し出されたのは、何箇所か燃えた巨大なクレーター。
恭介「これは?」
きょうじゅ「誘惑街『岩と花束の街』、の跡地ですわ。原因は・・・」
画面がゆっくりと上にスクロールし、灼熱に燃え盛る一つの要塞を映し出す。
ヨハン「墜落しそうなUFO、って感じでもなさそうだな。」
きょうじゅ「ええ、あれが『火術要塞』に間違いなくってよ。
あれが蒼の門のすぐ側まで来ていますの。」
穂酒「あの島もか?」
きょうじゅ「ええ、もちろん。これがその映像ですわ。」
画面が切り替わると、そこには先ほどの要塞と、巨大な島の先端、そして、赤い光点の周りを取り巻く黒い空間の映像が映し出された。
その空間を見て、驚く人が3人。
ミレーナ「あれは・・・クリーチャーホール!?」
きょうじゅ「まあそれに似た空間ですわね。どちらも世界と世界のゲートですもの。けどアレは違う。まだ閉じていますわ。あれが開いてしまったら・・・・大変な事になりますわね。」
穂酒「そういう割には落ち着いているな。」
きょうじゅ「ええ、わたくしには関係ないことですもの。それで、どっちに向かうかを聞きたいですわ。」
そう言ってきょうじゅは3つのルートを提示した。
1 地上を突っ切って裏界帝国軍の側に行くルート
2 空を突っ切って門まで最短距離を行くルート
3 眠れる龍の島に突入して、内部から進むルート

一行は悩んだ末に、裏界帝国側に情報を聞きに行くため、地上ルートを選択した。
無数の魔物や魔王が相争いあう戦場を突っ切り、追いすがる魔物を振り切り、振り切れない敵はなんとか打ち倒して(HP、魔攻半分のアークデーモンとか。)、一行は先を目指すのだった・・・

to be continewed MIDDLE phase...



OPシーンNG集
(雛PL「ついに人外キタコレ!!」
GM「めっさ喜んでますねコイツは!?」
雛PL「当然じゃないですか! で、どんな能力が手に入ったんですか?(ニヤニヤしながら)」
GM「えーと、質問の結果、闇蝕樹とミミクリースライムが合成されたから・・・」
雛PL「どんな奴です?」
GM「ありていに言えば樹とスライム。」
全員「何だそれはww」

闇蝕樹:周囲の瘴気を吸収する魔樹
ミミクリースライム:人の動きを真似て擬態するスライム
ちなみに、どちらも冥魔。

雛PL「好みのタイプ? それは魔王YS様デスヨー(棒読み)」
・・・・・GMへのダイレクトアタックはどうかと思う。

GM「というわけで、属性物理防御と、治癒ジャッジ+3ボーナス、弱点属性:火追加で。」
雛PL「了解。」
穂酒PL「弱点属性:火か、嫌な予感がするな・・・」

ヨハン「まあ、最初からおかしいとは思っていたけどな。一人称にルビ振ってあるしw」
雛「そこは、まあ、アレだ。仕方ない。」
GM「パール様ゆえ致し方なし、と。」
ヨハン「ヒナチャンハカワイイデスヨ(棒)」
雛「これが侵魔召喚師の末路なんだよ!」
GM「全国の侵魔召喚師に謝れww」

雛「ちょっと離れていてくれないか? ・・・ウイングひなちゃーん!!」
穂酒「どこに巣立つんだw」

雛「ひなちゃん有情破顔料理ー」
ヨハン「ひでぶ!」)


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