某所。 薄暗い部屋にたたずむ二つの影。
「また、あの年がきました。 分かっていますね?」
「はい、またあなた様のお力を・・・」
「しかし、近頃は見合った力を持つものはいない。 今年こそはふさわしい人間が現れるといいのだけれど」
「はい、今年こそは必ず。」
小坂市。 ここは日々カリスマをつむ女生徒が集う東片学園。
生徒達は年に一度のカリスマを修める旅行、修格旅行の話題で花を咲かせている。
その東片学園のお嬢様、紅麗美も旅行にさほど興味はないが、本来はフランスやらイギリスへ行く旅行という程度は聞いていた。
しかし、今年は違った。 七年に一度長原地方(長野県のあたり)にある神社、諏磨大社にて狩りが行われ、その狩りによって大いなるカリスマが与えられると言うのだ。
カリスマを狩る神事、それはこう呼ばれている。
「狩諏磨神事」と。
雲上に光が満ちた。
遠くで人の声が聞こえてくる。 格を求め、多くの人が集まり始めたのだろうか。
ここはカリスマのない人間が立ち入ることのできない世界。
場違いな「あーうー」と言う声。 夥しい数の柱。
カリスマはそこにいた。 ずっとその場にいた。
一人の人間と共に。
デモンパラサイト小坂シリーズ第250話
「あゝ吸血鬼よカリスマの地に」
(日本の愉快なカリスマ)
紅麗美(ファランクス・カラドボルグ/ゴンタ)
小坂のカリスマを束ねるお嬢様。 今回ついにカリスマの真髄を垣間見ることに。 やったね!!
風森 篤子(クレイモア・バルディッシュ/朱雀)
風神様に仕える現人神。 風の神の癖に空気を読まない上司に苦労している様子。
横太郎(ドラグーン・ガントレット/00doll)
風神様の御遣いの雀。 御柱の影響か口調に心なしかカリスマが。 ただ「これで勝つる!!」とか「確定的に明らか」とか駄目なカリスマっぽいけど。
〆張 八策(モリオン・ブリガンダイン/GHTTA)
常に放浪している白イタチ。 今回は祭りを聞きつけて現れたようで。 6レベルだけど起源種相手に大奮闘。
バスに乗って長原地方へ行く麗美ら東片学園の生徒達。 そしてついでについてくる横太郎。 なんだか最近御柱から警報が鳴り始めて長原の方へ今にも飛び立とうとしているようなので一度故郷に帰ってみることに。
そして諏磨大社に到着。 あたりを見ると参加者に多くの悪魔憑きがまぎれていることに気づく。 その中には〆張やらついでに神格を学びにきた隆太と本当になぜかいる虎千代とかも。
参加者いわくここの行事は行われた後、なにかしらの力で記憶を消去されるため毎回詳しい神事の内容は知らされていないとか。
そうしてにぎわうところに現れる一人の少女。
風森「私がこの神事を勤めさせていただく風森です。」
そういいながら彼女は手に持っていた袋を放り投げ、破裂させる。 そうすると振ってくるのは大量の蛙、蛙、蛙。
風森「それでは狩諏磨神事その壱、蛙狩りの始まりです。」
蛙を狩って本殿に捧げれば良いということで蛙狩りを始める一同。
しかし、約一名だけはそれを冷めた目で見ていた。
麗美「このようなお遊びで、カリスマが手に入るとは思わないわ。」
そういって蛙を狩りまくってるほかの参加者やどこぞの⑨な子を尻目に数匹だけ狩るお嬢様。 そして風森は彼女にカリスマの片鱗を見る。
風森「彼女なら、ひょっとしたら・・・」
本殿に蛙をささげると、突然周囲が結界で覆われる。 そして目の前には異様な帽子をかぶった少女が。
風森「ただいまを持ちまして狩諏磨神事その弐、東風森 蛙子(けろこ)様と力比べをしていただきます。」
蛙子「あらあら、そんなに私の仲間を狩ってくれちゃって。 この恨みを晴らすためにも、あなたたちを祟らせてもらうわ。 ・・・おや、あなたは気づいてたみたいね。 この神事のからくりに。」
麗美「ふん、当然よ。 目先の情報に流されて目的を忘れるような愚か者はカリスマたる資格はないわ。」
蛙子「その通り。 じゃあ次はあなたがカリスマたる力を持つのかためさせてもらうわ!!」
そういって少女は巨大な蛙となる。
彼女はドラグーン起源種「ミシャグジ」であり、<巨大化第二形態>が常時能力として適用され、さらに蛙の呪いで狩った数に応じてダメージが増える仕様になっている。 しかし衝動がたまっていない状態では、ただ録に回避ができないだけの存在で一同にあしらわれる。
蛙子「ふぅ。 なかなかの力を持つものだったわね。 あなたなら、この真のカリスマを使いこなせるかもしれないようね。」
そして麗美は真のカリスマを手に入れる。
風森「それでは狩諏磨神事最終段階、わが諏磨大社の神、八百坂 神奈様にカリスマを見せ、真のカリスマを持つにふさわしいものか見極めさせていただきます。」
麗美「なるほど。 これが真のカリスマというものね。 そう、この力があれば神など造作もないわ。」
そして麗美達は本殿の側の湖を渡り、神奈と対峙する。
神奈「私が、ここ狩諏大社の神、八百坂神奈よ。 へぇ、あなたが今年の適格者ね。 確かになかなかのカリスマを持っているわね。 しかし、このカリスマを前に保っていられるかしら?」
そういって彼女は<創世の魔眼>を使用。 エナジー200点相当の「カリスマ」を作る。(笑)
麗美「愚かね。 その様なただ見せびらかすだけのカリスマなど即座に吹き飛ばして見せるわ。」
そして戦闘に。 彼女はクレインクイン起源種<タケミナカタ>。
先手を取った麗美がカリスマを放ち<カリスマモード>を使用。 霧があたりを覆い紅い月が昇る。
麗美「こんなに月が紅いのだから・・・本気を見せてあげるわ。」
そう、このカリスマを手に入れた自分には目の前のカリスマなど一ひねり。 そう思っていた。 しかし・・・
相手のカリスマは健在であった。 しかもさしたる損害を与えられていない状態で。
麗美「ふん、あなたのカリスマは少々手ごわそうね。」
神奈「愚かな。 これはただあなたが自らのカリスマに溺れただけに過ぎない。 ほら、自分の顔を見てみなさい。」
麗美「あら?どういうことかしら・・・?」
そういって湖に自分の顔を映してみると
いまにもゆっくりしそうなおぜうさまのかおが
麗美「ぷぇ~」
神奈「カリスマとは己の内のみに持つものではない。 天、地、人よりもたらされる三つのカリスマによって真のカリスマが生み出される。 しかしあなたは天の恵みのみをあてにし、地のカリスマを軽んじた。 そのため今のあなたは地のカリスマが離れた無残な状態。 そう、<バカリスマ>とでも言うのが相応しいわね。」
麗美(慌てて顔を元に戻しつつ)「ふっ、さすがは真のカリスマ。 一筋縄ではいかないようね。 ならばこの戦いで完璧に使いこなして見せるわ!!」
こうしてお嬢様のカリスマを自らのものにする儀式が始まった。
そして戦うこと数ターン
風森「もういい加減にはしゃぐのやめてくださいよ。 殴ります。」
神奈「ぐっ、ファンブル!?」
麗美「これこそ、土着の吸血鬼である私がすでに持っていた力、地のカリスマ。 ようやく私の思うままに操れるようになってきたわね。」
神奈「なんの、振りなおしてクリティカル!!」
麗美「さすがは天の神。 まだ天のカリスマは残っていたようね。 しかし・・・」
風森「振りなおします。 あ、クリティカル。」
麗美「そう、これが仲間を信じる心。 人のカリスマよ。」
そんな良くわかんないセリフを吐きつつ、全員暴走しながらも撃破。
神奈「見事だわ・・・あなたをカリスマを持つに相応しい者と認めましょう。」
風森「気が済みましたか? まったく、後片付け誰がすると思ってるんです?」
神奈「はい、調子に乗りすぎました。 ごめんなさい。」
その後、暴走が切れて倒れた麗美が目を覚ますとそこは帰りのバスの中だった。
アレは夢だったのだろうか? いや違う。 彼女は自らの内に確かに感じ取った。 己だけでなく、全ての力を信じる本当のカリスマを・・・
そんなシナリオでした。 まぁアレだ、カリスマなんて持つもんじゃねぇ。
「また、あの年がきました。 分かっていますね?」
「はい、またあなた様のお力を・・・」
「しかし、近頃は見合った力を持つものはいない。 今年こそはふさわしい人間が現れるといいのだけれど」
「はい、今年こそは必ず。」
小坂市。 ここは日々カリスマをつむ女生徒が集う東片学園。
生徒達は年に一度のカリスマを修める旅行、修格旅行の話題で花を咲かせている。
その東片学園のお嬢様、紅麗美も旅行にさほど興味はないが、本来はフランスやらイギリスへ行く旅行という程度は聞いていた。
しかし、今年は違った。 七年に一度長原地方(長野県のあたり)にある神社、諏磨大社にて狩りが行われ、その狩りによって大いなるカリスマが与えられると言うのだ。
カリスマを狩る神事、それはこう呼ばれている。
「狩諏磨神事」と。
雲上に光が満ちた。
遠くで人の声が聞こえてくる。 格を求め、多くの人が集まり始めたのだろうか。
ここはカリスマのない人間が立ち入ることのできない世界。
場違いな「あーうー」と言う声。 夥しい数の柱。
カリスマはそこにいた。 ずっとその場にいた。
一人の人間と共に。
デモンパラサイト小坂シリーズ第250話
「あゝ吸血鬼よカリスマの地に」
(日本の愉快なカリスマ)
紅麗美(ファランクス・カラドボルグ/ゴンタ)
小坂のカリスマを束ねるお嬢様。 今回ついにカリスマの真髄を垣間見ることに。 やったね!!
風森 篤子(クレイモア・バルディッシュ/朱雀)
風神様に仕える現人神。 風の神の癖に空気を読まない上司に苦労している様子。
横太郎(ドラグーン・ガントレット/00doll)
風神様の御遣いの雀。 御柱の影響か口調に心なしかカリスマが。 ただ「これで勝つる!!」とか「確定的に明らか」とか駄目なカリスマっぽいけど。
〆張 八策(モリオン・ブリガンダイン/GHTTA)
常に放浪している白イタチ。 今回は祭りを聞きつけて現れたようで。 6レベルだけど起源種相手に大奮闘。
バスに乗って長原地方へ行く麗美ら東片学園の生徒達。 そしてついでについてくる横太郎。 なんだか最近御柱から警報が鳴り始めて長原の方へ今にも飛び立とうとしているようなので一度故郷に帰ってみることに。
そして諏磨大社に到着。 あたりを見ると参加者に多くの悪魔憑きがまぎれていることに気づく。 その中には〆張やらついでに神格を学びにきた隆太と本当になぜかいる虎千代とかも。
参加者いわくここの行事は行われた後、なにかしらの力で記憶を消去されるため毎回詳しい神事の内容は知らされていないとか。
そうしてにぎわうところに現れる一人の少女。
風森「私がこの神事を勤めさせていただく風森です。」
そういいながら彼女は手に持っていた袋を放り投げ、破裂させる。 そうすると振ってくるのは大量の蛙、蛙、蛙。
風森「それでは狩諏磨神事その壱、蛙狩りの始まりです。」
蛙を狩って本殿に捧げれば良いということで蛙狩りを始める一同。
しかし、約一名だけはそれを冷めた目で見ていた。
麗美「このようなお遊びで、カリスマが手に入るとは思わないわ。」
そういって蛙を狩りまくってるほかの参加者やどこぞの⑨な子を尻目に数匹だけ狩るお嬢様。 そして風森は彼女にカリスマの片鱗を見る。
風森「彼女なら、ひょっとしたら・・・」
本殿に蛙をささげると、突然周囲が結界で覆われる。 そして目の前には異様な帽子をかぶった少女が。
風森「ただいまを持ちまして狩諏磨神事その弐、東風森 蛙子(けろこ)様と力比べをしていただきます。」
蛙子「あらあら、そんなに私の仲間を狩ってくれちゃって。 この恨みを晴らすためにも、あなたたちを祟らせてもらうわ。 ・・・おや、あなたは気づいてたみたいね。 この神事のからくりに。」
麗美「ふん、当然よ。 目先の情報に流されて目的を忘れるような愚か者はカリスマたる資格はないわ。」
蛙子「その通り。 じゃあ次はあなたがカリスマたる力を持つのかためさせてもらうわ!!」
そういって少女は巨大な蛙となる。
彼女はドラグーン起源種「ミシャグジ」であり、<巨大化第二形態>が常時能力として適用され、さらに蛙の呪いで狩った数に応じてダメージが増える仕様になっている。 しかし衝動がたまっていない状態では、ただ録に回避ができないだけの存在で一同にあしらわれる。
蛙子「ふぅ。 なかなかの力を持つものだったわね。 あなたなら、この真のカリスマを使いこなせるかもしれないようね。」
そして麗美は真のカリスマを手に入れる。
風森「それでは狩諏磨神事最終段階、わが諏磨大社の神、八百坂 神奈様にカリスマを見せ、真のカリスマを持つにふさわしいものか見極めさせていただきます。」
麗美「なるほど。 これが真のカリスマというものね。 そう、この力があれば神など造作もないわ。」
そして麗美達は本殿の側の湖を渡り、神奈と対峙する。
神奈「私が、ここ狩諏大社の神、八百坂神奈よ。 へぇ、あなたが今年の適格者ね。 確かになかなかのカリスマを持っているわね。 しかし、このカリスマを前に保っていられるかしら?」
そういって彼女は<創世の魔眼>を使用。 エナジー200点相当の「カリスマ」を作る。(笑)
麗美「愚かね。 その様なただ見せびらかすだけのカリスマなど即座に吹き飛ばして見せるわ。」
そして戦闘に。 彼女はクレインクイン起源種<タケミナカタ>。
先手を取った麗美がカリスマを放ち<カリスマモード>を使用。 霧があたりを覆い紅い月が昇る。
麗美「こんなに月が紅いのだから・・・本気を見せてあげるわ。」
そう、このカリスマを手に入れた自分には目の前のカリスマなど一ひねり。 そう思っていた。 しかし・・・
相手のカリスマは健在であった。 しかもさしたる損害を与えられていない状態で。
麗美「ふん、あなたのカリスマは少々手ごわそうね。」
神奈「愚かな。 これはただあなたが自らのカリスマに溺れただけに過ぎない。 ほら、自分の顔を見てみなさい。」
麗美「あら?どういうことかしら・・・?」
そういって湖に自分の顔を映してみると
いまにもゆっくりしそうなおぜうさまのかおが
麗美「ぷぇ~」
神奈「カリスマとは己の内のみに持つものではない。 天、地、人よりもたらされる三つのカリスマによって真のカリスマが生み出される。 しかしあなたは天の恵みのみをあてにし、地のカリスマを軽んじた。 そのため今のあなたは地のカリスマが離れた無残な状態。 そう、<バカリスマ>とでも言うのが相応しいわね。」
麗美(慌てて顔を元に戻しつつ)「ふっ、さすがは真のカリスマ。 一筋縄ではいかないようね。 ならばこの戦いで完璧に使いこなして見せるわ!!」
こうしてお嬢様のカリスマを自らのものにする儀式が始まった。
そして戦うこと数ターン
風森「もういい加減にはしゃぐのやめてくださいよ。 殴ります。」
神奈「ぐっ、ファンブル!?」
麗美「これこそ、土着の吸血鬼である私がすでに持っていた力、地のカリスマ。 ようやく私の思うままに操れるようになってきたわね。」
神奈「なんの、振りなおしてクリティカル!!」
麗美「さすがは天の神。 まだ天のカリスマは残っていたようね。 しかし・・・」
風森「振りなおします。 あ、クリティカル。」
麗美「そう、これが仲間を信じる心。 人のカリスマよ。」
そんな良くわかんないセリフを吐きつつ、全員暴走しながらも撃破。
神奈「見事だわ・・・あなたをカリスマを持つに相応しい者と認めましょう。」
風森「気が済みましたか? まったく、後片付け誰がすると思ってるんです?」
神奈「はい、調子に乗りすぎました。 ごめんなさい。」
その後、暴走が切れて倒れた麗美が目を覚ますとそこは帰りのバスの中だった。
アレは夢だったのだろうか? いや違う。 彼女は自らの内に確かに感じ取った。 己だけでなく、全ての力を信じる本当のカリスマを・・・
そんなシナリオでした。 まぁアレだ、カリスマなんて持つもんじゃねぇ。