里恵(7期生)が深夜1時を過ぎた頃まで付き合ってくれた。
たぶん、俺が晃平の件でへこんでるって思ったんだろう。
確かにへこんでいる。
しかし、それを一々気にしていても前には進まない。
ついてないなあ・・・これだけやん。
己の夢をどこに置くのか。
たとえ中学生でも、それが問題なのだ。
ビジネスライクかもしれないが、晃平は自分を安く売った。
安く売りたくなるだけのプロセスがあったんだろうとは推察する。
それには同情する。
しかし・・・あまりにも安い。
昨夜の英語の授業は1977年度の追試の6番長文。
問題用紙の左隅に「7」と書かせる。
7・・・センター試験まであと7週。
ミス1が慎也と瞭(ともに津高1年)。
春華(宇治山田2年)はまったく読めなかったようで吹っ飛ぶ。
いつもながら思うこと・・・英語は残酷である。
予想通りに二日酔いから一日が始まる。
コンビニへ行くと少年マガジンの新刊・・・52号。
昨夜の晃平の決断を聞いた時ほどではない・・・しかし身体がざわめく。
今週号の『はじめの一歩』
宮田一郎の幼き日々の思い出・・・。
試合に負けた父親の病室を訪れる人が日々減っていく。
取り巻きも、ジム関係者も、・・・そして母親までも。
たった一人、父親のグローブを握りしめベッドのそばから離れない一郎。
一郎の心の中には、試合に敗れようとも最後まで強い父親がいる。
ラッシュ時間が少しばかり過ぎた午前10時、目頭が熱くなるのを感じる。
ウィンドー越しの視線を感じ、少年マガジンを持ったまましゃがみ込む。
強い父親になり損ねた俺がここにいる。
南郊中に続いて嬉野、付属と試験終了。
残るは久居と東。
あすかが最後の粘りを見せる。
ウチの塾にやって来てほぼ1年。
紆余曲折はあったものの、志望高校までもう一歩。
この期末さえしのげば、2学期の内申さえしのげば・・・。
これからの7年間が保証される。
家庭ではすぐにすねる横着者だったらしいが、明日で小休止。
セレクションで受かった安心感もあってか、2学期中間はふらふらしていた。
俺もまた何度か話し合い、なんとかここまでやって来た。
ここさえしのげば・・・。
昨夜の里恵に代わって、今夜は甚ちゃんが慰めに来てくれる。
俺のブログを読んだのだろう。
「こんなことなら、はっきりと推薦はやめとけって言うべきやったな」
「しかしまあ、本人が選んだことやからな」
教育基本法から民主党の高校義務教育化、三重県内の高卒内定率が全国1位へと話題が飛び交うものの、お母さんから電話。
「晩飯を食べてきますわ」
春華(宇治山田高2年)が今日もやって来た。
テンションは高い。
自分の何かを変えたい?・・・そうならばありがたい。
今夜は伊勢までのショートツアーだ。