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フォロ・ロマーノに辿り着いたのは15時少し前のことである。日本ではもうすぐ夕方やねという時間だが、ローマは長ーい長ーいギラギラした日中の只中である。
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フォロ・ロマーノの歴史的な価値はわかるけど、正直ここを巡ることの価値が良く分からなかった。
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建築物の廃墟は大好きなのであるが、ここまで荒廃した都市の姿と言うものを写真や解説書で読んだり見たりしても、今一つ、血を沸かせ肉を躍らせて「是非とも見に行きたい!!」という衝動は起こらなかったのである。
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フォロ・ロマーノのスケールはフォロ・ロマーノの中に立ち、古代ローマ人たちの感じていたであろう日差しとその影と暑さと湿度と臭いと色と風を体で受けなければ判らないものなのだと思った。
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どんなに上手い写真家さんが劇的な夕景をバックにフォロ・ロマーノの一部を切り取ったとしてもフォロ・ロマーノの風を浴びた経験がなければ、それはただの印画紙でしかないのだと、
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だから、自分ごときが、自分のお気に入りのカットを切り取ったとしてもそれは読み手には全く伝わらないものなのではないかと、フォロ・ロマーノについては思ってしまうのである。
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個人的には行って良かったと思っている。
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南の方に歩いて行くと地平線の向こうにコロッセオが見えてくる。
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コロッセオから見たフォロ・ロマーノは大したことないなと思ったけど、フォロ・ロマーノから見たコロッセオは、いと絶景!!地上の道路が見えず、周囲が緑で囲まれているように見えるので当時のコロッセオってこういう緑豊かなところに建設されたのかなと勝手に想像してみた。
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しかも意外だったのは、居住地区と道を隔てて向かい合っていること。しかもコロッセオの建つ地面よりも小高くなった丘がすぐ隣にあるなんて思いもしなかったことやったわ。
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コロッセオは地面から見上げるよりも、ここから望む方がずっとずっと良いなと思った。
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ところで、足元に置かれるオーダーの残骸を見て「そういえばこれって石の塊りやったんやなあ」と思った。私の中で「オーダー」は「オーダー」で、それは「石」ではなくただの「柱」だったのである。
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肩の高さにある石積みにボウシが置かれていた。帽子の下の石って、なんかオッサンのカオっぽくね?昼間から立ち飲み屋でクダを巻いている大阪のオッサンに見えるんやけどね。。。
つづく
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