大型客船が出港するときのイメージとして、轟くような汽笛が鳴るのかなあと思っていたけど、フツーに護岸を離れ始めた。けど、その変わり南の空には薄らと虹が出始めて思わず「あっ!虹!!」と叫んでしまった。
次第に去りゆく船を見上げながら、船体もビル建築と同じでメンテナンス用のカゴが取り付けられていることに気が付いた。写真の上下2段の位置のメンテナンス用のカゴは、左手側にレールが伸びていて
その先もずっとレールの取り付けが許される位置まで延長されているのである。
上階のあたりはちょっと複雑な形状をしているので難しそうだが、それでも小さなカゴが地味に取り付けられている。
次第に陽光の色彩が黄味がかってきて、船体全体が白からクリーム色に変化してきた。
そうしているうちに、ヴォイジャーオブ・ザ・シーズはポートターミナルから東向きに水平移動を進め、
次第に全貌が見えるようになってきた。
これでようやく船体が全部入った。黄金色に輝く船体と海面に映り込んだ像がとても美しい。
ポートアイランド北公園の北東橋から細く突き出している桟橋の上にはギッシリとカメラの人たちがおられた。昼間に立ち寄った時はほとんど人がいなかったのだけれども、すごいたくさんの人たちがいた。実は出港のタイミングで、この桟橋から夕陽をバックに撮ろうかとも思ったけれども、始めてのヴォイジャーオブ・ザ・シーズの写真だし、逆光で船体が真っ暗になるのも残念だし、とかいろいろ考えた末に結局ポートターミナルから見送ることにしたのである。
ところで、この船・・・実際はどのくらいの大きさなのかと言えば
全長:311m
全幅:48m
全高:63m
数字だけでは今一つピンとこないので310m×48mを実際の地図上に落としてみると・・・
三宮駅前の交通センタービルから市役所北側の花時計前までの距離にフラワーロードの歩道も含めた幅員いっぱいのヴォリュームになった。
ちなみに高さ的には、
神戸市役所の高層の第一庁舎の約半分の高さということになる。つまりビジュアル的には、
この景色の中に・・・
こんな風に存在することになる。思ったより船が大きすぎて船体の仮想ラインが納まりきらなかった。。。残念。
優雅に転回を終えた船は、進路をポートアイランドと六甲アイランドに航路を取り始め、ゆっくりと進み始めるのである。
船体の脇で転回が終わるのを、じっと待っていた神戸港の遊覧船がヴォイジャー・オブ・ザ・シーズに併走しするように進み始めた。どうやらヴォイジャー・オブ・ザ・シーズを間近で見るための特別観覧船のようで、船尾のデッキ部分からはたくさんの人が身を乗り出すように大型客船に見入っていた。
写真で並走しているのは神戸シーバス社のファンタジー号で、ヴォイジャー・オブ・ザ・シーズを挟んで反対側には神戸ベイクルーズ社のオーシャンプリンス号もいて、2隻の船で挟み込むようにヴォイジャーを追って行っっていた。
「おいおい!どこまで行くねん!!」
ポートアイランドの向こう側に回り込んでしまっても、ずっとずっと視認出来てしまうのもなかなか不思議な感覚である。ヴォイジャー・オブ・ザ・シーズが見えなくなるのと時を同じくして、見送りデッキにいた人々も蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。今日は天気も良く綺麗な夕焼けが期待できたので、しばらくそこで海を眺めていると・・・キター!!
東の空が淡いオレンジ色を呈し始めるのと同時に海面の夕焼け空が反射して、視界の全部がオレンジ色になってきたのである。
六甲山方面を望む。
ポーアイ方面を望む。
明るいオレンジから次第に赤みw帯び始める。
陽光の色を反射する雲と、反射せずにただひたすら無彩色のままでいる雲たちとの対比がまたカッコイイと思った。
茜色の空が闇に閉じるまでの時間は恐ろしく短い。ちょっと気を許しているとたちまち闇の中である。闇に閉ざされる刹那の時間の切なさがたまらなく好きである。この瞬間があるから、きっとまたすぐに美しい夕景を求めてしまうのだろと思った。
ポートターミナルの閉館時間は19時と早い。館内にはホタルの光の館内放送が流れ一般人は和r我を含め2~3人になってしまっていた。夜の帳が下りあたりはすっかり真っ暗になってしまった。もうそろそろ帰るとするか。
おしまい。