まっしゅ★たわごと

街歩き、建築、音楽、フランス、それに写真の話題を少々

プロジェクト×(ペケ)9【閑話休題・マーラーの交響曲という宇宙】

2007年02月22日 00時06分59秒 | カナダ
『プロジェクト×(ペケ)』シリーズの第9弾である。

第8弾はコチラを参照あれ・・・プロジェクト×(ペケ)8【オーロラ観測最終日の夜】


「オーロラが見えるときに音が聴こえる」という話がオーロラを扱った書籍のコラムなどによく紹介されている。しかし、その音は録音されたことはなく、本当に鳴っているのかどうかも不明で、更には科学的に何も実証されていないのが現状なのである。きっと幻聴なんだろうけれど、頭上で狂気乱舞するオーロラを見れば私の耳にもその音(天空のささやき?)が聴こえてくるかもしれないと思っていた。

そういう幻想をも、今回の旅には抱いていたのである。

まあ、今回はこういう結果に終わったので当然、天空のささやき声を聴ける機会はなかったわけであるが、オーロラをただひたすら待ち続ける私の頭の中には常に同じ音楽が3夜にわたって流れ続けていたのである。その音楽とは、グスタフ・マーラー作曲の交響曲第10番第一楽章のアダージョである。

全5楽章という形式で構想されたこの交響曲は彼の最晩年に書かれた曲なのだが、第一楽章を半ばまで書いたところで絶命しているので、このアダージョ楽章すら未完なのである。しかし、この曲は死の直前とはいえ、死の影を感じさせないような力強い管弦楽法で聴き応えがある曲なのである。時には無調性に妖しく、そして時には劇的に変化するその様は、まるで私の待ち焦がれているオーロラの幻影の様でもあったのかもしれない。

・マーラーの交響曲第1番のアダージョを聴いてみたい人はコチラ
 「Symphony No. 10 In F Sharp: I. Adagio」の右側青字の「Écouter」を押してみるべし。

・マーラーの交響曲第1番のアダージョを買ってみたい人はコチラ


<次回予告>
 プロジェクト×(ペケ)10【ホワイトホースを去る日、そして夜明け】


プロジェクト×(ペケ)8【オーロラ観測最終日の夜】

2007年02月20日 22時30分19秒 | カナダ

『プロジェクト×(ペケ)』シリーズの第8弾である。

第7弾はコチラを参照あれ・・・ プロジェクト×(ペケ)7【ダウンタウンで見かけたモロモロ】

帰りも上村氏に宿まで送っていただき、一時間ほど仮眠をする。それから入浴を済ませ19時の夕御飯までに旅の記録をまとめる。今夜は私以外に新しく5人の宿泊客はやってくるのだ。2日2晩たった一人で寂しい想いをしていただけに楽しみである。6時半くらいに到着したらしく、廊下がガヤガヤと騒がしい。やっとB&Bらしくなってきたなあと思った。食卓に集まったのは全員日本人。こんなカナダの片田舎で宿泊客が全員日本人なんて有る意味異常事態なんだろうけれど、それはそれでまた妙にまったりとした時間を過ごすことができた。

夕食の前にギフトショップで携帯電話のストラップを購入しようと思い、陳列して有った商品を片手にフロントのNicoleに手渡すと何か問いかけられた。発音が聞き取れなかったので、「わからない」仕草をすると隣の部屋へ行き、値札を探しているようだった。なるほど「プライス?」って言っていたのね。場面場面で使いそうな単語を予期していたら簡単なんだろうけれど、言葉ってなかなか難しい。結局、値札は見つからずNicoleが「ten dollers O.K?」と聞いてきたので「O.Kと答える。なんだかアバウトだけれど、なかなかいい感じである。

5人のうちの4人は愛知県の家族連れで、英語教師のオジ様とその奥様、そしてオジ様の妹さんとその娘さんという構成で、もう1人はカナダ在住の留学生の女の子である。当初、4人連れの人たちからは私たちが夫婦で参加しているのだと思われていたらしい。ちなみに、留学生の子は二年ほど前に同宿を訪れた際に見れなかったオーロラのリベンジのためにやってきたという。

今夜の夕食、前菜はサラダ・メインはサーモンとブロッコリーとゴハンである。「な、なんでゴハン?」と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、西欧人にとっての米は野菜の一つに分類されていて、例えばマッシュポテトの代わりに大皿に盛り付けられることはよくある話なのである。ブロッコリーはクタクタに煮てあったけど、初めて味わう食感なので、これはこれで美味だなあと私は思った。

テーブルを囲んでまずは自己紹介をしていった。出身・名前・オーロラへの思いなどを各自紹介をした。皆、オーロラは未経験ばかりだったので、この集団の中では私がリード役にならざるを得なくなってしまった。

デザートは自家製(?)アップルケーキ。美味いねコレ!今日は給士をするのが大変なのでHenriとNicoleの娘さんだろうか、若い女性が手伝いに来ていたみたいである。我々が夕食を楽しんでいる隣のキッチンからも談笑する声と食器が鳴る音が聞こえてくる。

泣いても笑っても今夜で、私のメインイベントは全て終わってしまうのである。せいぜい見落とさないように寝ずの番をするしかないのである。まあ、今夜は他に何人もの人間の目があるから、多少の手抜きは出来るので適当に食堂をウロウロしたり外に出て満点の星空を堪能したり、またいろいろな話をしたりと、それなりに楽しく時間を潰すことが出来た。

氷点下ン十度の中で濡れたタオルを放置すると、そのまんまのカタチで凍結する。時間を掛けなくても片手でビュンビュン振り回せばあっという間にタオルサーベルの出来上がりである。玄関のベンチに立てかけてみたが、今ひとつリアリティに掛けるので、屋外に出て・・・

雪の上に突き刺してみる・・・どや??

まあ、そんなしょうもない遊びをしながらオーロラの出現を待つ私。そして待つこと数時間、たぶんあれは午後三時くらいだろうか、また北の空に明るい雲が出始める。『うぉっしゃ!きたでぇ!!』ということで、部屋にこもる留学生や食堂にいる人たちに声をかけて「あの雲みたいなのがオーロラなので、外に出ましょう」と呼びかける。

昨日より動き自体は鈍いのだけれど右や左へと出現する範囲がしきりにかわるのである。私は例のごとく防寒仕様でガッチリとガードしたデジタルカメラを三脚に装着し丘の上にセッティングして長時間露光を試みる・・・が、すぐ隣で「ピカッ!

と、わたしのすぐ傍に立っていたオバちゃんがフラッシュを光らして写真を撮っている。オーロラは数千キロの彼方で輝いているモノなのでフラッシュの光なんぞは到底届かないし、それはオーロラ鑑賞時のマナー違反である。私は心の中で叫ぶ『ゴルァ!アホカァ!!』・・・で、にっこり笑って、「フラッシュは止めてくださいね」と言ってみる。

言ったそばからまた何度もフラッシュが光る。ピカァ!ピカァ!!と、・・・理解はしているらしいのだけれど暗闇の中で上手くカメラの設定が出来ないらしいのである。そして極めつけは懐中電灯を点けてカメラの操作をする。手がかじかんでいるせいか懐中電灯の光線がグルングルンと私の視界を遮るのである。

『コリャイカン!!』

ということで彼等の群れから離れたところに移動し、再度撮影を試みるもそのときには、時すでに遅く遥か彼方の山脈の向こうに退いてしまった跡であった。というわけで、最終日の収穫は昨夜よりも悪い結果に終わる。例のリベンジさんは「この前もあんな感じの雲を見たような気がする」と言っていた。つまり今夜のオーロラもフツーの人には雲なのかオーロラなのかわからない程度の出現だったってことである。

(ツアーと今回の旅は全く無関係なんだけれど)実はそこに鑑賞率80%以上とか90%以上とかいうキャッチフレーズの落とし穴があるのだと私は思う。つまり、出現率80%で3泊すれば平均で2.4回鑑賞の機会があるという算段になる。そして、私の場合、「見たか見てないか」だけを問われれば、3回(夜)見たということになり、確率以上の収穫だったという話になる。しかし、私にとってのオーロラはあんな遥か彼方の稜線にぼんやり浮かぶだけのものであろうはずがない。ミステリアスに頭上を狂喜乱舞するものがオーロラだと信じるならば、今回はやっぱり『オーロラを見た』と言う及ばずと言った感が否めないのである。というわけで、タイトルの「プロジェクト×(ペケ)」という言葉は全てここに帰結していくのである。

とまあ、オーロラ鑑賞に対するモチベーションというところだけ取り上げるならば、収穫薄なんだけど、今回の旅で得たものはオーロラ以外でたくさんあったのもまた事実である。今回の旅の最も深い印象はここから始まると言っても過言ではないのだから・・・

つづく


プロジェクト×(ペケ)7【ダウンタウンで見かけたモロモロ】

2007年02月18日 23時32分14秒 | カナダ

『プロジェクト×(ペケ)』シリーズの第7弾である。

第6弾はコチラを参照あれ・・・プロジェクト×(ペケ)6【ユーコンクエストを見に町に出る】

【マクドナルドにて】

初日、空港から食料品店に向かう道すがら見えたマクドナルドに興味を抱いた私は、ダウンタウンに来れたことを好機ととらえ、ユーコンクエストが終わったあと、一路町の端のほうにあるマクドナルドへ向かったのである。

いつもの見慣れたマクドナルドのMのマークの真ん中に、ななんとメイプルの文様が貼り付けられているではないか!これは決して誰かのいたずらというわけではなく、カナダ中の全てのマクドナルドのロゴにこれが付されているのである。

昼食は町の中心街のフツーの飯屋で定食でもと思っていたけれど、あんまり寒いのとトイレに行きたいのと、お腹がすいてしまっていたということでマクドナルドに入店する。チーズバーガーとコーヒーとポテトのセットで5.99$というから、まあ妥当なところなんだろうね。でも日本のマクドがあんなに安いのはどういうわけなんだろう。

味の方はというとバーガーもポテトも全体的に塩がかけ過ぎな感がする。これはここだけではなく、B&B以外で食べる全ての食べ物が塩辛いのである。しかし、コーヒーはさすがに美味しい。日本のマクドのコーヒーほどマズいコーヒーはないと思うのだけれど、国毎に特別なメニューとかがあるのは知っていたけれど、マイナーなところでもちょっとずつ違うようところがあって面白いなあと思った。

↑これは捨てやすいし、手が汚れないのでいいアイディアだと思った。

ところで、一体どうしてマクドナルドのロゴにカエデの葉の模様が貼り付けられているかと言うと、端的に言えばアメリカとはお隣さん同士なのであんまり仲が良くないということなんでしょうね。日本がマクド上陸を断固反対していたら真ん中に日の丸が付いてたのかなあ・・・それはまず有り得ない話だけど。まあ、逆に言えば「メイプル貼っただけでええんかい?」という感もあるのだが、果たして真相は・・・?

【メイプル好き?】

メイプルシロップの原産国として有名なカナダも、実は国土全体で採取できるのではないらしい。聞くところによればメイプルの木が育つのはカナダでも東部周辺らしく西部、特に高緯度の地域ではメイプルは育たないらしい。まあでも国旗がメイプルリーフなのでそんなことはどうでもいいのかも。

マクドナルドの件もそうなんだけど、ホワイトホースの小さいダウンタウンの1/3くらいを歩いただけでもこんなにたくさんメイプルのマークがあるのだ。 そういえばエアカナダのマークもメイプルリーフだし赤いし、本当に好きなんだろうなあと思うのだが、果たして真相は・・・? 

【カナダの信号機】

お国柄が出るものの一つとして信号機がある。信号が変わるタイミングや方式も微妙に違うし、歩行者用信号機の絵が微妙に違っていて面白いと思う。上の写真でもあかるように赤のときは「待て」と言いたげな感じで手のひらが赤く光っている。黄色の時はこの手のひらが点滅するのである。なんか、「ちょっと待て」と言っているような感じで面白い。

青はフツーに歩く人なんだけど、微妙に帽子被っているみたいだし、前傾姿勢で「急いで渡れ」とでも言いたげな感じである。そんな中で見つけたのが「押しボタン式信号」である。こんな地方都市にもあるんやね。

二段階の絵になっていてわかりやすいのだが・・・

押すとすぐに青になり、ほんの数秒ですぐに赤になってしまうのである。現にほら、そこの歩行者も!やっぱり、この国では歩行者は急いで渡らなければいけないのだろうか、果たして真相は・・・。

とまあ、そんな感じで、ツラツラと市内を歩く。再びスタート地点のユーコンルート駅まで戻り、近くの工芸品店に入る。ここの店員のおばちゃんの笑顔もまた素敵だった。ここではオーロラやイヌイットたちのものをモチーフにしたガラス細工や版画、それにタペストリーや絵葉書などを売っている。ここでは、自分用のお土産を購入。

すぐ北のスクエアにあるミュージアムに行き、カリブーやムース、それにグリズリーの剥製を見る。入場料は7$取られるがここは見る価値有りかも。昨日出会ったサチの飼い主氏も、宿泊しているオーベルジュ・ユーコネーズの辺りも、ムースやカリブーが現れると言っていたので、どんなんなんかなあと思っていたけれど、思いのほか大きくてびっくりした。

【足元注意!】

なんとなくユーモラスな感じのする人物表現。あんまり真に迫ってないところがいいのかも。ちょっと漫画っぽいなとも思った。

【その他のモロモロ】

昨年に開業したというすし屋さん。中には入っていないが、日本人人口わずか10人足らずのこの町に日本料理店が出来るのは・・・でも今の時期、ちょっと歩くと日本人観光客とすれ違うのだから、まあ仕方がないのかもね。

奥の建物は市役所で、手前の建物は消防署である。ナンバープレートが「FIRE」になっている。奥の赤い車を見て、西部警察PARTⅢを思い出したのは私だけだろうか?

市内でよく見かけるタイプの車。実は後ろの窓の数だけが乗れるようになっているのである。

というわけで、こんだけ見たら充分だろうというくらい堪能できたと思う。集合時間が迫っていたのでウエストマークホテルに急いで戻る。

次回はオーロラ鑑賞の最後の夜である。おととい、昨日とだんだんオーロラの出具合が良くなって来ている感じなので、今夜こそは・・・もっと、ちゃんとしたオーロラを見て帰りたいものである。

続きはコチラへ→プロジェクト×(ペケ)8【オーロラ観測最後の夜】


プロジェクト×(ペケ)6【ユーコンクエストを見に町に出る】

2007年02月18日 20時52分25秒 | カナダ

『プロジェクト×(ペケ)』シリーズの第6弾である。

第5弾はコチラを参照あれ・・・プロジェクト×(ペケ)5【オーロラ観測2日目の夜】

ホワイトホース3日目の朝は奥さんのNicoleさんが準備をしてくれた。初登場である。昨夜も新たな宿泊客はなかったので、当然今朝も食卓は1人だけである。1人だけで寂しいんだけれど、逆に考えれば「宿の主人たちとの会話を独り占めできる」という利点がそこにあることに気がついた私は、積極的に話をすることにした。で、Nikoleさんが「昨夜はオーロラどうだった?」と聞いてきたので、あまり見れなかったと伝え、頑張って、「山の稜線にうっすらと見えただけだった」と身振り手振りで喋ってみたところ、何とか理解してくれたみたいだった。

入れ替わりで亭主のHenriさんが入ってきて、「どうだ、綺麗だろ。朝日が反射しているんだ」と向かいの山を指差して話し出した。それから、向こうの部屋から一冊のフォトアルバムを持ってきてくれて「食べ終わったら見なよ。日本人のフォトグラファーの写真だ。私の友人だ」ということだったので、食べ終わってからアルバムを見てみることにした。

↑食堂から北方向の眺め。昨夜はあの山の稜線にオーロラが見えたのである。

アルバムには、「これぞオーロラ!!」という美しいオーロラが狂喜乱舞している写真がたっくさん貼り付けられていた。日付を見ると2005/1と書いてある。聞くところによれば2004・2005年くらいが当たり年で昨年が最悪の年。それで今年は昨年よりちょいマシという位置づけらしいのである・・・ガーン!!

アルバムを見終わり、Henriさんに礼を言うと、「街に出るのか」と聞かれたので「そうだ」と答えると、「寒いので帽子とフェイスマスクと防寒具を忘れないように」とのこと。そうそう、フェイスマスクはもって行かなきゃと思い、急いで身支度に取り掛かる事にした。

出発は10時20分。運転は初日と同じ上村氏である。後部座席にはイン・オン・ザ・レイクより乗ってきた若い女性二人が乗ってきていた。彼女たち曰く「昨夜はよく見えた」と喜々としていたので、詳細を聞いて見たところ、どうやら私と同時刻に同じ形状のものを見ていた事がわかったので少し「ホッ」とした。(まさかヌードルスープ食べている間に見過ごしたのではないかと思ったりしたのでね)

今年の冬は日本では異常過ぎるほどの温かい日々が続いているが、実はここホワイトホースも温暖化の渦中にさらされているらしいのである。というのも昔はマイナス40℃というのもあったりしていたらしくて、マイナス一桁台というのは有り得ない気温なんだとのこと。しかし、その有り得ない気温が平気で観測されたりしているという。確かに、路面もアスファルトむき出しになっているし、なんか想像していた風景と若干違うように私も思うのであった。

CJリンクサービスの本拠地であるウエストマークホテル前で下ろしてもらいスタート地点になっているメインストリートの会場に向かう。今日は美しいばかりの青空である。しかも午前11時前にもなっているのに相変わらず太陽高度は低く影が長いのが不思議な感じがする。こんなに太陽が照っていても気温は氷点下10数度なのだ。

前にも書いたが、ユーコンクエストとは2年に一回ユーコン準州内で開催されるぞりレースの世界選手権大会である。開催はスタート地とゴール地が回ごとに変わり、ななんと今回はホワイトホース中心街のメインストリートがスタート地なのだと言う。今回出場する日本人選手の本多由香さんは28番中の27番目だそうである。スタートの横断幕には「YUKON QUEST  INTERNATIONAL SLED DOG RACE」って書いてある。

スタート地点の周囲は物凄い人でなかなか前の方に行けないので少し離れたところでポジションを確保する事にした。辺りにはキャンキャンとの吠える声が響き渡っている。出走は一斉に行われるのではなく3分毎の出走となっているみたい。

いちばん目のソリが走ってくる。物凄い勢いである。スタートで出走を待っているたちは放っておくと勝手に走り出しそうな勢いなのでほど均等間隔で大きな男の人がの手綱を持って走り出さないようにしているのであるが、もうこれは本能で走っているのだろう。これらののほとんどは自己所有の犬だそうである。レースのために飼い育てているのだという。出走するは十数匹だけど通常は数十匹飼っている人はザラだという。

もちろんぞりだけで生計を立てる事は不可能な話なので他の仕事をしながら収入の大半をにつぎ込んでいる人たちの集まり。考えてみれば一日のエサ代だけ考えてもバカにならない金額になってしまうのだろうけれど、それでもを育てと走りと共に生きているのである。まさに狂い。だけど、それが好きで好きでたまらないのだろうね。だから十数日も極寒の地をソリに引かれていてもたちが一緒であれば彼等はレースを続ける事が出来るのかもしれない。

↑ゼッケンナンバー27番が日本人選手の本多由香さんであるという。世界選手権であるにも関わらず、おそらく日本のメディアには取り上げられていなさそう。でも、こんなところでも頑張る日本人はいるのである。そう考えるとなんだか嬉しくなってくる。そして、この日にホワイトホースでこのレースを見る事が出来て本当に良かったと思っている。

それにしてもフツーにレースの写真取っているだけで、ほっぺたがヒリヒリと痛くなりその痛みも、強烈な寒さで次第に感覚がなくなってくる。日本の気候に慣れている日本人の私には、けっこうこの気温はキツイなあと思った。途中からフェイスマスクをするものの鼻水がタラーンと垂れてきたり、足の指の感覚がなくなってきたりと真昼間とは思えないような妙な感覚に苛まれるのであった。

そんな凍えるような思いで撮った写真の中で、私のいちばんのお気に入りの写真はコレ。

全てのマッシャーたちが通り過ぎて行った後、宿に戻るまで三時間くらいあったので市内を散策する事にした。【まち歩き探検隊~ホワイトホース編~】と行った感じだろうか。

レースの模様はコチラを参照されたし

Life in the North(上村氏のブログ)  ・YUKON QUEST公式HP

続きはコチラへ→プロジェクト×(ペケ)7【ダウンタウンで見かけたモロモロ】


プロジェクト×(ペケ)5【オーロラ観測2日目の夜】

2007年02月18日 15時39分39秒 | カナダ

『プロジェクト×(ペケ)』シリーズの第5弾である。

第4弾はコチラを参照あれ・・・プロジェクト×(ペケ)4【2日目・サチとの出会い】

午後7時の夕食の時に、宿の亭主(Hrenriという。以下、Henri。読みはフランス人なんで多分「アンリ」と思われる)に「明日の朝食は9時にして欲しい」と伝える。今晩の夕食の前菜は野菜たっぷりのポタージュスープである。冷えたカラダには心地いい温かさである、続いて出てきたメイン皿がコレ。肉は骨付きチキンである。黄土色っぽいのが二種類のマメを煮たものなんだけれど、ちょっとパサパサしていて日本人の口には合わないかもしれない。日本人の口にはパサパサしていても、実はフランス人の口には、ちょうどいい堅さであるのだ。

というのも、昔、フランス旅行記で書いたかも知れないが、食物を食べる際に分泌される唾液の量が日本人よりもフランス人の方が多いのである。だからこそフランスにおけるはフランスパンは堅くカサカサとしているものが好まれ、日本における食パンは超熟だとか芳醇だとか柔らかくてフニャフニャしたものが好まれているのである。というわけで、別に彼等には悪気はなく、彼等の口では最高の堅さ(または柔らかさ)の状態で煮たものが出されているのである・・・と思えば、このパサパサした煮豆も結構美味しく味わうことが出来たりするのである。

昨日のデザートはチョコレートムースをたっぷり練りこんだプディングだったのだが、今夜はバナナパフェである。バニラアイスクリームの上に生クリームとチョコレートソースがたっぷりと掛けられ、側には花びらのようにバナナがトッピングされている。更に、アイスクリームの底にあたるカップのちょっと窪んだところには軽くリキュールが垂らされていて、最後の一口か二口くらいにリキュールの芳醇な香りが口いっぱいに広がるようになっているのである。これにはちょっと感動させられた。

途中、Henriに「昨夜の肉は何だ?」と聞くと「ヴィオウ」と教えてくれたが聞き慣れない言葉である。何度か聞きなおしても「ヴィオウ」としか聞こえないのでスペルを尋ねると「V・E・A・L」だとのこと。で、まあわかった振りをして、私が理解した事を伝えると、Henriはイソイソと厨房に戻り奥さん(Nicole)に「昨夜の肉なんだっけ」みたいなことを聞いている様子。すると壁の向こうから「pork」という言葉が聞こえてきた。その直後、Henriが小走りで私のテーブルにやってきて「mistake pork」と言った。やっぱ豚肉だったのね・・・。でも聞いて良かった。ちなみに電子辞書によると「veal」というのは食用の子牛の肉らしい。

今夜は昨夜よりも空が晴れているので、いいのが見れるかもしれないという期待を持ちつつ起きてオーロラを待つ。満点の星空が素敵だったので何回も外に出て夜空を仰ぎ見るのだけれど、氷点下十数度の空の下では数分間立っているのがやっとと言う感じである。それにしても、夜10時くらいに玄関を出ると目の前に巨大なオリオン座が立ちはだかっているのにはビックリした。

上の写真は広角レンズで長時間露光しているので視界が広く、オリオン座が小さくしか映っていないけれど、本当は白く加工した範囲くらいのところが目の前にドドーンと仁王立ちしているのである。緯度の高いところに来るとオリオン座はこんな低い位置に立ち、そして北斗七星やカシオペア座は頭上高い所にあるので、とても不思議な感じがする。

ちょうど三時を回ったころくらいにまた北の空に雲状のようなものが見えてきたので、デジタルカメラで撮影してみると、またもや緑色に光っている。キターーーー!!というわけで、防寒対策を施したカメラセットを持って屋外に出て丘の上から北の方に連なる連山が見えるポジションに急ぐ。

先ほどまでは灰色の雲だったのが次第に緑色の光を帯びはじめ、光が密な部分と疎な部分がゆれ始める。それからゆっくりと天を目指して火柱のように立ち上がったり崩れたりしながら数分間そんな動きを見せる。

それでも、まだ空は暗く結構長い時間シャッターボタンを押していないと被写体として感知できないくらいの明るさなのである。しかし、これこそまさしくオーロラである。ちゃんと動いているし!いろいろな方の観測体験記を読んでいるとこういう感じから次第に緑の帯が近づいてきて、やがては頭上近くでカーテンのように舞うらしいのであるが・・・

「これから!」と私が思うのも束の間、緑色の光は次第にその生気が失せるように静かに消えて行ってしまったのである。去り方もまた神秘的である。そして、また読んだ本によれば一度消えてなくなっても、気がついたら復活して、いつの間にか頭上を乱舞することもよくあるそうなので、とりあえず日本から持ってきたシャボン玉セットで遊ぶことにした。マイナス30度くらいのところでシャボン玉を吹くとシャボン玉は割れないらしいのである。

かばんから取り出してすぐのときはフツーに割れていたが、液体そのものが冷えてくると、だんだん割れないようになってきた。暗闇の中で吹きまくって液がなくなったところでペンライトで地面を照らすと無数のシャボン玉が大地に貼り付いていて、ちょっと気味が悪かった。カエルの卵とか苦手なので出来上がった写真を見て、悪寒を感じたのが正直なところ。

そうこうしているうちにオーロラ君との再会を期待していたのだけれども、一向に復活する兆候が見られないので、午後四時 諦めて寝る。明日は9時起きでユーコンクエストを見に行く予定。

続きはコチラへ→プロジェクト×(ペケ)6【ユーコンクエストを見に町に出る】


プロジェクト×(ペケ)4【2日目・サチとの出会い】

2007年02月18日 13時50分12秒 | カナダ

『プロジェクト×(ペケ)』シリーズの第4弾である。第3弾はコチラを参照あれ・・・ プロジェクト×(ペケ)3【B&B到着、そして彼方のオーロラへ】

朝食はフランスパンのトースト・チーズ・ヨーグルト・ハム・オートミール・オレンジジュース・ジャムとフランスの一般的なものである。これにプレーンオムレツを焼いて出してくれた。個人的に気に入ったのが巨大ピクルスである。私にとってのピクルスとはマクドのチーズバーガーに申し訳なさそうに挟みこまれているソレか、町中のカフェのサンドウィッチセットの端に串刺しにされているソレくらいしか経験がないだけに、この大きさは衝撃的だった。しかも、輪切りではなく、なすびみたいに切っているし・・・。もちろん酢漬けなんだけれど、他の食品が麦製品・乳製品である中では、結構刺激的で美味いのである。結局、3切れあった全てを食べつくしてしまった。

昨夜の夕飯の時に次の日の朝食の時間を言っておかなければならない。逆に言えば宿泊客の要望に応じてくれるのである。但し、食べ初めはいちばん遅くて午前11時までである。当然、夜更かし必至の私は、11時朝食をお願いしていたのでなんとか旅の疲れを8時間睡眠で解消できたような気がする。しかし、昨夜のオーロラには正直がっくりさせられた。(日頃の行いがいいので)狂喜するようなオーロラが見えると信じて疑わなかった私にはツライ体験だった。そんな衝撃もあってか、朝食後、またもやベッドに潜り2時位まで仮眠、そのあと室内で30分程マッタリとしてから周辺を散策することにした。

出発の前にフロントの電話機からCJリンクサービスへ電話を掛ける。昨夜、上村氏より明日10日のユーコンクエストのことを聞かされていたからである。松宮氏からの説明の際に「ダウンタウンまでの送迎は片道35$。通常は二人以上が最少催行人数なんだけど、明日は他のB&Bからダウンタウンへの送迎が朝10時にあるからそれに便乗すれば大丈夫。送迎希望ならばCJリンクサービスに電話をして欲しい」旨を言われていたのである。

「フロント横の電話機」は実は二台あって、どちらも公衆電話みたいな格好をしてないのでどちらを使えばいいかわからなかった。そこで、呼び鈴を鳴らしてみることに。結局2回鳴らしてみたが誰も出てこなかったので、勝手に拝借することにした。市内であれば一回25Cらしいので後で事情を説明して払えばいいのだし。

実は海外から国際電話以外の電話をしたのがこれが初めてである。ちょっと緊張・・・。CJリンクサービスに電話が繋がると何だかとてもネイティブな英語で何かを言われる。きっと「はい、CJリンクサービスです」みたいなことを言っているのだろう。で、そんなん言われてもわからない私は咄嗟に「Japanese speaking please」とタドタドしい英語で答えてみた。すると、急に柔和な口調に変わった。松宮氏だったのである。というわけで、明日はダウンタウンにユーコンクエストを見に行く事になった。

ちなみにユーコンクエストとは2年に一回ユーコン準州内で開催される犬ぞりレースの世界選手権大会である。開催はスタート地とゴール地が回ごとに変わり、ななんと今回はホワイトホース中心街のメインストリートがスタート地なのだと言う。日本人選手が1人出るみたいなのでこれも楽しみである。

昨日は夜到着だったので全く周辺の状況がわからなかったが、周りは広い丘陵になっていた。ハイウェイと丘の間には雑木林があって、車両の往来はわからないようになっている。昨夜、松宮氏より「あまりお薦めできない」と言われたユーコン川を目指すことにした。何故お薦めできないのかと言うと、ハイウェイ沿いに30分ほど歩かなければならないのであるが、ハイウェイは車やトレーラーがビュンビュン飛ばしながら走り、その道には歩道がないからである。(路側帯はあるのかどうか未知だけど有っても、雪で覆われていて見えない)

そんなわけで、私もこんなところで命を落としたくないのでハイウェイ脇の雪の積もった部分を行けるところまで歩くことにした。フツーに歩くと足が新雪にはまって身動きが取れなくなるのでスノーモービルの轍の上に足を載せながら慎重に歩くことにした。

そして、30分ほど歩いたところでどうにもこうにも新雪に足を取られて前に進めないところまで来てしまった。きっとフツーに歩いたら10分くらいの距離しか進んでいないのできっとユーコン川は上の写真のあの林の向こうくらいになるんだろうなと思いつつ、やっぱハイウェイを走るトレーラーが日本のソレよりもはるかに巨大なことにおののきつつ引き返すことにした。今度は来た道と反対側に進んで見る事にするがこれも30分ほど進んだところで、どうにもこうにも前に進めないところで立ち往生、しぶしぶ帰る羽目になってしまった。

でも、ツラツラと歩いてみると沿道にはわずかだが2~3件の民家のようなものが見えるし、ハイウェイの交通量も無茶苦茶少ないわけでもないことに気がついた。

ハイウェイから離れて宿に戻る一本の道の向こうから一匹のがコチラ目掛けて走ってくるではないか!は立ち止まっては吠え、吠えては走り出し、私のことを不審者だと思い威嚇しているようなのだ。しかも、私が次ぎの足を前に出しても後ろに出しても奴の挙動は「前進あるのみ」みたいなスタンスでだんだん私との距離を詰めてくるのである。

こんな誰もおらんところでに襲われても、きっと誰も気がついてはくれないんだろうなあ。そんでもって、血まみれになりながら行き倒れ、ここで凍死なんかしちゃったりしてとか、いろいろ考えていると、遠くの方で笛の音が聞こえた。は私との対面を名残惜しみながら笛の音の方向に去って行った。

しばらくすると全身防寒具に身を包んだ白人の若い男性がを連れて歩いてきた。この人の飼いだったのね。向こうはコチラに敵意がないことを示すために「ハイ!」と手を挙げて挨拶してきたのでこちらもビビッて(?)ないよということを示すため(?)に「ハイ!」と手を振り上げ挨拶をした。

でまあ、そっから簡単な会話が始まる。向こうは日本人大歓迎みたいな雰囲気でいろいろと聞いてくる。せっかくなので覚えている範囲で復元を試みる。本当に中学英語をカタカナ読みしかしていないのだが、この恥ずかしさを励みに次回はもっと頑張ってみようと思う。(以下、白人氏は赤字私は青字

How do you doing?(←なんかこんな感じに聴こえたので) I'm fine,thank you.

Where... Osaka. Osaka?it's big city.

This dog name is "SACHI". SACHI? its good name.

北欧系の人名にはよく「アキ」「マキ」「ミカ」という名前が男性に付いていたりするので、もしかしたら「サチ」も?と思ったが、ここは北欧ではなくカナダである。緯度は似ているかもしれないが文化圏が全然違うのでこれはありえないかなと思ってみたり。本当はココで「『サチ』という音は日本では「幸せ」のことです」くらいのことは言いたかったのだけれど、文章組み立てている間に話題は次ぎのネタに・・・でも、後からいろいろなことを総合的に考えてみると、本当に日本語名が由来だったのかもしれないと思った。で、話題はオーロラの話へ。

Are you photographer? It's hobby. Oh hobby,it's good? No...I could not look northen litgts last night. Beacause cloud? Yes.

そして、何日いるのと聞かれ(←何と言われたかは忘れてしまった)

Four days.Today is two... Second? Yes second.

そんな感じでものすごく日本人慣れしていて、英語の出来ない日本人の対応もものすごく上手いなあと思った。最後にHave a nice trip!と言って歩いて行った。外国人と話をしていてこんなに楽しいと思ったことはこれまで一度も無かった。ちゃんとこっちが言おうとしていることを真摯に受け止めてくれようとするし、こちらの耳でわかるようにゆっくりと話してくれるからである。彼との会話を楽しんでいる間、サチは私の足元で、そんな私のことをシゲシゲと珍しそうに仰ぎ見ていたのである。サチとの出会いは私にとって幸せなひとときだったのである。

そうこうしているうちに、体感温度が急にグッと下がり始める。日中でも肌を露出させているとヒリヒリと痛みを帯び、そのうち感覚がなくなって来るくらい寒いのである。たまにフェイスマスクなんかを出して防護するんだけれど、手袋をしている指の先までもが感覚がなくなってくる。なんというか、腕の先に自由の利かない突起物である指がくっついているような感じ。ちょっとマズイなあと思い急いで宿に戻り、浅いバスタブに湯を張り半身浴でカラダを温めることに。軽い凍傷にでもなったら大変ことである。凍傷はカラダの先端からやられるので、まさに指先の感覚の麻痺はその前触れでもあるのだ。

静かで美しい夕景にタロー君もご満悦の様子・・・って、また持って行ったんかい!!とツッコミが入りそうだけど・・・。そして私は2回目のオーロラ鑑賞に臨むのであった。

続きはコチラへ→プロジェクト×(ペケ)5【オーロラ観測2日目の夜】


プロジェクト×(ペケ)3【B&B到着、そして彼方のオーロラへ】

2007年02月18日 00時00分05秒 | カナダ

『プロジェクト×(ペケ)』シリーズの第3弾である。

第2弾はコチラを参照あれ・・・プロジェクト×(ペケ)2【バンクーバーからホワイトホースへ】

助手席に乗り込み出発。空港のすぐ前の通るハイウエーからは一本の道でB&Bを目指すことが出来るのだが、一路ダウンタウンに向けて出発する。食材の買出しとレンタルウエアの試着が目的である。今回宿泊するB&Bは昼飯が出ない上、周りには一切の店が無いために食材の買出しをしないといけないのである。てなわけで、最初に立ち寄ったのがスーパーマーケット

夜中まで起きている身としては、翌朝の朝食の時間は当然ブランチとなるために昼ごはんはいらないわけで、むしろ夜食の方がいるのかなということで、電子レンジで作る事ができる冷凍食品とカップ式のレトルト食品を2つずつ購入。日本からも多少の食材を持って来たので、それで何とかしのぐことにした。

フランスのスーパーマーケットと同じでOREOの品揃えが凄まじい。特にOREOのMINTには惹かれるものがあるが、きっと一口食べてオエってなるのがオチなので購入は控えた。てか、そんなに1人で食べ切れないっす。

カナダと言えばビーフジャーキーのイメージがものすごくあるのだけれど、案の定ビーフジャーキー売り場には色とりどり(?)のビーフジャーキーが並べられていた。これはちょっと興味が有ったのでいちばんプレーンな感じの品を一つ購入する事にした。

買い物の後は、CJリンクサービスの本部が入居している市内最大のウエストマークホテルへ立ち寄る。ホテルのロビーでレンタルウエアを出してくれて取り合えず試着をする。なかなかいい感じである。試着後、すぐにホテルを出てB&Bに急ぐ。ロベアージュ(または、オーベルジュ)・ユーコネーズというB&Bに到着する。数百メートル離れた住宅から一台の車で後を追って来た女性が、食堂に私を案内してくれて今回の宿泊に関する諸々の注意事項等を説明してくれた。社長の松宮氏である。

ホームページの社員紹介で拝見していたよりもずっとキュートでパワフルな人である。車で送ってくれた上村氏もそうであるが、何気に皆、生き生きとして仕事しているよなあと思った。一通りの注意事項を終えたところでちょうど午後7時。夕食の時間である。しかし、今夜の宿泊客はなんと私1人だけである。なんとも寂しい事ではないか!

夕食はフランス式(?)で、フランスパン、前菜の野菜スープとメイン、そしてデザートという感じである。コーヒーと紅茶、水、お湯は24時間使い放題である。写真はメインの皿である写真映りは悪いけれど、とても美味しい。高級レストランのような凝った料理は出てこないが、一般の家庭料理みたいな飾らないものが出てくる。これは私の求めていた理想のカタチなので嬉しい限りである。写真の肉は骨付き豚肉である。こんなボリュームのある豚肉は正直言って始めて食べたので始めのうちは何の肉かよくわからなかった。

宿の主人は、けっこう気を使ってくれて、皿を下げる度に「おいしいか?」と英語で聞いてくる。私も「美味しい!」と言うのだけれど、旅の疲れもあったためか、あまりコミュニケーションが上手くとれなかったような気がする。これは明日からの課題だなあと思った。

部屋は、ものすごく広い。扉の向こうにはトイレと浅いバスタブと洗面台がある。清潔で暖かい部屋である。オーロラが出始めるのは11時移行が多いらしいので取り合えず2時間程仮眠を取ることにした。もちろん目覚ましは2つ掛けての仮眠である。寝過ごしたら何の為の旅行かわからんからね。

2時間後、むくりと起きて外を眺めるも外は真っ暗である。いつ出現しても外に出られるようにレンタルウエアを身につけ、カメラも防寒仕様の生地を装着し、三脚を用意し万全の体制を整える。そして部屋の電気を全て消し、窓の外をじっと見つめる。空港到着からずーっと厚い雲に覆われていて、「嗚呼、今夜はダメかな」と思っていたのだけれど、12時過ぎくらいから断続的に雲が途切れはじめ、何とか星が綺麗に見えるようになった。

待っている間退屈なので、窓台に器用にカメラを固定し長時間露光で星を取って見る事にした。幼いころに天文図鑑で見た写真はこうやって撮影されていたのである。写真の右手の方がオレンジ色に輝いているのは遥か向こうにあるホワイトホースの街の灯りである。こんな片田舎の小さな町の明かりでさえもこれだけの輝きを持って空を照らしてしまうのである。

満点の星の中を一筋の流れ星が落ちてくるのを何回か見る事ができた。こちらの流れ星は、まるで大粒の涙を見ているように大きく、そして尾が長く美しいのである。実際にそれだけ長い時間見えているのか、それとも尾の残像を見ているのかよくわからないのだけれど、とにかく権太(ごんぶと)の流れ星であった。

こんな状態で、静かな音の無い時間を過ごす。聴こえるのは自分が呼吸する音と衣服の生地の擦れる音だけである。さすがに小腹が空いてきたので一旦休憩とし、食堂に行ってミネストローネパスタにお湯を注いだ。

お湯を注いで約三分。蓋を開けるとかなりグロテスクな色になっていたので、写真を撮る事は出来なかった。出来なかったけど「これがまた美味しい」と書きたいところであるがなぜかしら塩分がきつくて、お世辞にも美味しいとは言えない代物である。だが、こういうカップスープもあるのだなということを知ったという意味では、食べて良かったなと思った。

2時過ぎくらいだろうか、北西の空に白い雲のようなものが出てきた。真っ暗な空なのに白っぽい雲だけが見えるのはとても不自然なのだけど、なぜかしら見えるのである。「もしや!?」と思い長時間露光でその方角にレンズを向けてシャッターボタンを押す。それで撮ったのが下の写真。

 右手の方にうっすらと緑色のラインが見えていると思うが、実はあれがオーロラである。人の目には「白っぽい雲のようなもの」にしか見えなくても、「デジタル写真」には「きっちりと緑色」に映るのだから不思議である。何かで読んだ文章に「雲かどうか怪しいときはデジカメで撮って緑色に映ればそれはオーロラである」と書いていたのを思い出した。

しかし、残念ながらこの雲みたいなものはそう長い間そこには滞在せずに、次第に薄くなって消え去ってしまい、カメラで撮っても赤い街の光しか映らなくなってしまった。昨夜も今夜と同じような気象条件で1時くらいからバァーッと出たというのでけっこう楽しみにしていただけに残念である。

というわけで、この夜はオーロラを視認することは叶わなかったのである。明日は天気が良ければいいなあと思いつつ、午前3時過ぎに力尽きて寝る。

続きはコチラへ→プロジェクト×(ペケ)4【2日目・サチとの出会い】


プロジェクト×(ペケ)2【バンクーバーからホワイトホースへ】

2007年02月17日 19時44分12秒 | カナダ

『プロジェクト×(ペケ)』シリーズの第2弾である。

第1弾はコチラを参照あれ・・・プロジェクト×(ペケ)【関空からバンクーバーまで

国内線のチェックインカウンターはとても新しいみたいで開放感があり綺麗に仕上がっている。次回冬季オリンピックがカナダらしく2009年の完成を目指して空港が全体的に改修と増築が行われているようである。この空港の国内線のチェックインカウンターは長い机がダダーンと有るのではなくて、料金場みたいに幾つものブースが並んでいる。スーツケースにクレイムタグを取り付けて貰うと自分でカバンをベルトコンベアーコーナーにもって行き係員に受け渡すというしくみになっている。なんとなくセキュリティが甘そうな印象を受けた。

エアカナダのチェックインカウンター付近には至るところにこの案内板があるが、日本語がかなり怪しい(笑)・・・「チエツクイン」はまだ許せるかも、欧米人にとって「エ」は「I」みたいで『ああ、この文字知ってる!』てな感じなんだろうか。6つの文字の中でいちばん主張しているように見えるのは私だけだろうか??しかしまあ、「エグゼキユテイブクラス」はひどいね!ちなみにエアカナダは通常言うところの「エコノミークラス」「ビジネスクラス」「ファーストクラス」という表現ではなく、「エグゼクティブ・ファースト」「エグゼクティブ・クラス」「エコノミー・クラス」という言い回しになっている。

土産物屋を物色してメイプルシロップキャンディを購入7.40C$。レジには「740」と出るので少し戸惑った。カナダの貨幣もユーロと同じで種類が多くて大変である。しかも印字されている数字がものすごく小さくて、硬貨のデザインで覚えないとなかなか幾らなのかがすぐにわからないので困ったものである。

カルガリー行きの飛行機。この便の搭乗待ちをしている人たちの中にはけっこう日本人がいっぱいいたような気がするが、エンジントラブルがあったらしくて搭乗完了後、一時間ずっとこんな調子で結局一時間後にドヤドヤと乗客が降りてきた。英語が苦手な私としてはこういう事態がいちばん恐ろしいんだよね。つまり「次どうしたらいいのん?」みたいなやつね。今回の場合は代替機が見つかるまで待つか、次の便の空席を待つかのいずれかの選択ししかないわけで、例えばオーロラのメッカであるイエローナイフへ行くには、バンクーバーからの直行便は無く、また次の地方空港で乗換えをしないといけなかったり結構大変なのである。

ホワイトホース行きの搭乗口近くでミネラルウォーターを購入する。冷蔵庫のプライスカードには1.99$って書いて有ったので2$硬貨を用意してレジへ行くと2.11$求められた。そうかぁ、税抜き価格だったのね、慌てて財布の中をまさぐるがどれがどれかわからず、あまり大きくもなく、またとりわけ小さいわけでもない硬貨を1枚取り出してレジのおばちゃんに渡す。おつりと一緒にもらったレシート見て、私が差し出したコインは25C貨幣だったことを知る。

とにかく店内に入るときは店員の立ち位置を確認し、積極的に「ハロー」と挨拶をすることを心掛けているのだが、店員の挨拶も機械的ではなくて本当にどこの店の店員さんも笑顔が素敵なのでビックリさせられる。

欧米人といえばフランス人としか接した事のない私にとって、「白人さんはいつもツンツンしていて恐ろしい人たち」という悪い意識が付いてしまっていたので、かなり戸惑うと共に、出発前にいろいろな人から「カナダ人はいい人だよ」と異口同音に言われたことを思い出した。

搭乗開始まであと30分のところで小腹が空いたので近くのドーナツ屋でシナモンバンズ(0.85C)を購入分厚い渦巻きパンみたいな形をしていて、渦巻きの目地のとこにもたっくさんのシナモンパウダーが詰まっていて美味だった。きっとシナモンパウダーをしこたま振り掛けてから渦巻状に巻いているのだろう。

↑空港内を走る作業車。コアラみたいでカワイイ。

更に、搭乗開始10分前のアナウンスで心なしか私の名前が呼ばれているような気がしたので、搭乗カウンターに搭乗券を持って申告してみる。するとニッコリ笑って新しい搭乗券と交換してくれたのである。そういえばSEATの欄が未定だったのを思い出した。結局席は一番後ろのトイレの真横の窓際であった。バンクーバーからホワイトホースまでは最安値のクローズチケットだったためか搭乗者が全員確定してからあまった席が割り当てられたのであろうと勝手に想像している。

ホワイトホースへはCRJという機種の飛行機に乗り込む。50人乗りの小型機である。こんな小さい飛行機に乗るのは初めてなので高いところが苦手な私は少なからずドキドキしていた。はっきり言って「飛行機や船は図体が大きいに越した事はない」と今でも思っている。揺れが少ないし、いっぱいお客さんが乗っているので安心できる。

なぜCRJなのかはよくわからないが、俗に言うボンバルディア機のことで、実はカナダのボンバルディア社製なのである。日本では故障が多いことで有名でしょっちゅう新聞に「ボンバルディア機、故障で引き返す」なんていう記事が掲載されている。そんなオンボロバルディア機なんだけれど、これがまた席に座って翼を眺めているとまるで玩具みたいな翼だし、滑走路走り出してもあまりスピード出ないし、本当に大丈夫なんかなという感じなのだ。

JAL航空機コレクションというサイトにCRJのことが書かれていたので勝手にリンクしてみる。興味の有る人はコチラへ→http://www.jal.co.jp/aircraft/aircraft/group_07.html

2時間30分かけて北上していくのだけれども、今回は進行方向に向かって左側の窓際ということで、もしや夕景を目の当たりに出来るのではないかという期待があったのだけれども着陸態勢に入るのが若干早く、夕景が訪れる寸分前に雲の中に入ってしまったのである。機はホワイトホースのダウンタウン上空を一度通り過ぎて大きく旋回してから滑走路に進入していくのである。

隣に座っていた若い白人女性がコンパクトデジカメ(日本製)でしきりに窓の下の風景を撮りたがるので何枚か撮ってあげることにした。こういうときに英語が堪能だと話が膨らんで、鼻の下も伸びて、いろいろな話が出来るんだろうなあといつも思う。最後に彼女は「ありごと」(←「ありがと」のことね)と言って私と別かれた。

ホワイトホース空港はかなりこじんまりとした空港で手荷物受取所と空港ロビーとチェックインカウンターが一つの空間に存在している。それでも「Whitehorse International Airport」という正式名称を持っているつまり「ホワイトホース国際空港」なんだから驚きである。

通常空港にはコード番号というのがあって、成田空港ならNRT、伊丹空港ならITM、パリのシャルル・ド・ゴール空港ならCDGという三文字のアルファベットで構成されている。なんとなく字面を見るとどこの空港なのかわかるようになっているのだが、カナダの多くの空港は一文字目が何故か「Y」になっていてわかりにくいのだ。

それでホワイトホースのコード番号はなんと「YXY」・・・一瞬シティーハンターか?とも思ったが、そんなことはどうでもいい。初めてこのホワイトホース空港のコード番号を見た時には、「こんなん絶対にわからん」と思ったが、よくよく考えると後ろの「Y」は「YUKON」の「Y」なのである。

で、「YUKON」とは何なのかというと、カナダは幾つかの州に分かれており、ホワイトホースから北西のエリアを「ユーコン準州」といいい、このユーコン準州の州都がホワイトホースなのである。だから、カナダ(Y)ユーコン準州(Y)の州都の空港で「」というわけだ。そして、一般に「X」や「Q」という文字は地名に入りにくいため、困ったときの「XQ」と言われ、割と後のほうにコードが付された空港には他のコードと被らないための苦肉の策としてこれらの文字が挿入されているようである。そんなわけでかどうかは知らないが10年ほど前に開港した関西国際空港のコード番号は「KIX」で、きっちりと「X」が入ってしまっているのである。

この空港では、これからお世話になるCJリンクサービスの方に宿泊先のB&Bまで来るまで送って頂くのだけれども、ここで嬉しいサプライズがあった。ホワイトホースで活躍する写真家の谷角靖氏が「もしかして、まっしゅさん?」と声を掛けて下さったのである。まあ、50人乗りの飛行機にたった5人くらいしか乗っていない日本人を消去法で探せばすぐわかるんだけどね、やっぱ嬉しかった!

何日か前から氏のブログにアクセスしていてアピールしていたし、氏自身もCJリンクサービスに所属されているので、「運が良ければ・・・」とくらいに思っていただけに本当に嬉しかった。谷角氏は他のお客さんと会う予定をされいるらしいので、すぐにお別れして担当の上村氏に連れられて他の女性客二人と共にダウンタウンに向かうのであった。

続きはコチラへ→プロジェクト×(ペケ)3【B&B到着、そして彼方のオーロラへ】

 

 

 

 


プロジェクト×(ペケ)【関空からバンクーバーまで】

2007年02月17日 13時41分44秒 | カナダ

午後四時半過ぎには搭乗ゲートに到着。まだ搭乗時間までは一時間以上有るのだけれど、ここで流れる時間が好きなのでいつも早過ぎる時間にここに到着しているのである。待合ベンチが次第に旅行者たちで埋まる感覚やガラスの向こうを飛び立つ飛行機の轟音、それに給油や機内食等の物資の積み込み作業の様子、また、他のゲートに到着した帰国者たちが入国審査場に向けて歩き行く様子、それら全ての諸々が私の中の旅の序章になっていて、いつの間にか私の心を非日常空間へいざなってくれるのである。

搭乗ゲートまでは自動運転のウイングシャトルで移動する。成田空港にも似たような乗り物はあるが、あちらは不可逆なので要注意。つまり一方通行なので一旦乗り込んでしまうと元のターミナルには戻ってこれないしくみになっているのだけど、関空は観察している限り、可逆のような気がする。(空港ターミナルの動線処理の妙にはいつも感心させられる)

ちなみに今回はANAとの共同運航便(コードシェア便)である。共同運航便ならば機体もANA機は有り得るのかもと少しだけ期待したけど、やはりエアカナダ機だった。ANA国際線使用機は私が過去に経験した範囲内では、液晶モニターがエコノミークラスでも標準装備されているので、見たい映画を見たい時間に見れるし、テレビゲームも出来たりするので長旅には退屈しないのだけれど、エアカナダは当然そんなハイテクなものは装備されていない。

機体は意外なほどにコンパクト。本当にこんな小さい飛行機で太平洋を渡るのかと思うと、少し不安な気持ちにさせられる。機体は763という仕様だそうで、正確にはB767-300。JALのHPで調べてみると国内線は「767」で国際線は「763」というらしい。いったい何故?何が違うのだろう??

機内に乗り込むと、思っていたよりも座席シートが窮屈ではないことに気がつく。欧米人仕様なのだろうか、日本人の私にはゆったりしているような気がする。しかもジャンボ機ではないから2×3×2という座席設定でトイレに立つにもあまり苦労しないで行ける事も嬉しい。

今回の席は進行方向向かって右側の窓際、翼の付け根の前から二番目の良席である。窓側席の好きな私にとって、エコノミー席の中ではベストなポジションである。これには、ちょっと訳があって端的にいうと家人の1人がエアカナダの関係者とカオ馴染みで、家人の倅が写真好きで云々という話になって、それじゃあ良席にしてあげるよという話になっていたらしいのである。(帰りの便は進行方向向かって左側の同じ席なんだけれど、こちらはちょっとしたオチがあるのでお楽しみに)

何故進行方向向かって右側が良席なのかと言うと、つまり南側を向いているというこおとで、離陸直後の夕景と数時間後にやってくる朝焼けをバッチリ見る事ができるポジションなのである。しかも視界が翼に邪魔されない・・・。

上の写真は迫り来る闇を撮っている。機上で体感する夕景は、その美しさよりもむしろ、闇に支配されるような圧迫感が好きである。今回は雲が映ってしまっているが、一切の雲が眼下にある場合でも「闇」そのものが、まるでコップに滴らした墨汁のようにふわぁっと覆いかぶさってくる様なのである。これが、もう本当にたまらなく寂しくて寂しくてゾクゾクするのだ。

そうこうしているうちに待望の機内食。今回は「チキンカレー」か「おにくパスタ」の中から選択。カナダ行く便なのに「おにくパスタ」ってネーミングはどうよ?『何ゆえ「おにくパスタ」なのだろうか?きっと日本語仕様で日本人に選択させようとしているのか?それともコアなカナダ人に選ばせようとしているのだろうか?怪しい、かなり怪しい・・・』そう、いろいろなことを考えているうちにとうとう私の番に。キャビンアテンダントに「チキンカレーおにくパスタ?」と聞かれ、無難な「チキンカレー」を選択。チキンカレーの中身はただのカレーライスだった・・・とほほ。後日、同日便で関空から乗ってきたという日本人と話をしたときに「おにくパスタは、けっこう美味しかった」ということを言っていたので、ちょっと残念な気がした。

機内食で出てくる「パン」は出発国の地域性が出ていて面白いんだけど、唯一面白くないのが日本発のときである。どこの航空会社の場合でも常にロールパンなのである。それはそれでまあいいんだけれど。エアカナダは食器類のデザインが今ひとつダサイ感じがする。個人的にはルフトハンザのカップが好き。飲み口のエッジの処理が素晴らしいのである。引き換えエアカナダのそれと言ったら・・・いちばんダサイ感じだったのがサラダの器。ちょっと70年代を彷彿とさせるようなセンスなので、次回の冬季オリンピックまでには刷新して頂きたいところであると思った。

機内食後しばらくして消灯。目覚めたときには、やおら外が明るい感じがしたので周りを起こさないようにコッソリと窓のブラインドを開ける。キターーー!!

闇が白んじてくるというショー」の始まりである。嗚呼!なんて素晴らしい景色なんだ。しかし、機は朝日の昇る方角に向かって飛んでいるらしくて朝日を拝むことは叶わなかった。

外の景色が完全に日中の空の色に変わった頃に車内灯が点灯されて、二回目の機内食が運ばれてきた。二回目は「オムレツ」か「おむすび」かのいずれかだったが、私は「オムレツ」を所望する。

これも後日聞いた話だけど、「おむすび」はしっかりと具が入っていて美味しかったらしい。それで、「オムレツ」の方は・・・見た目はいい色しているんだけれど、実際はスポンジ食べているようで今ひとつ・・・。だけど、コーヒーが物凄く美味しくて大満足。エアカナダのコーヒーは美味しいと思う。

「オムレツ」は私の選択ミスということでまあいいとして、個人的にはキャビンアテンダントの接客態度がとても素敵だなあと思った。おそらく機内の8割方の乗客が何故かしら日本人なんだけどとても日本人慣れしているというか、いやそれだけでなく底抜けに陽気で笑顔が素敵なオバサンが勢揃いなのである。とても和めるのだ。

バンクーバー空港到着。入国審査場に向けて歩く。この空港は入国者動線と出国者動線が立体的に交錯しているところがアクロバティックな感じで素敵である。(この辺りのことについては復路編で書こうと思っている。)

カナダの公用語は英語とフランス語なのでパブリックな表現を必要とするものには全て英語とフランス語が表記されている。そして必ず英語が上で、フランス語が下。機内チャンネルでは「1」が英語で「2」がフランス語で「3」が日本語になっている。パブリックなものは何でも二ヶ国語なので、機内誌内の記事も英語とフランス語が同じページに併記されている。しかも、スゴイのは機内誌の中の就航路線の世界地図に印字されている地名までもがそうなのである。(「JAPAN」の下に「JAPON」て書いていたのだ!)この徹底ブリには感嘆するしかないのである。

さっきの通路の先の階段を下りると巨大な吹き抜け空間が!イヌイット(?)の民族的な彫像がお出迎えしている。その彫像の向こうが入国審査上で、それを抜けるとすぐに手荷物受取場で税関審査と連なっている。2階右側がアメリカ行きの出発ロビーで左側が国際線の出発ロビーになっている。

このあと、私は国内線ターミナルに移動し、いざホワイトホースに向けて飛び立つのである。

続きはコチラへ→プロジェクト×(ペケ)【バンクーバーからホワイトホースへ】