まっしゅ★たわごと

街歩き、建築、音楽、フランス、それに写真の話題を少々

初体験のステラ451☆

2014年08月31日 19時31分20秒 | 六甲・まや



夏の間の土曜日曜限定で摩耶ビューライン虹の駅でトワイライトオープンカフェの「ステラ451」をやっているので夏の思い出にと最終日の昨夜行ってきた。ロープウェイへの乗り換えはしないので、下界の街からケーブルカーで約8分で到着する。





ステラ451は16時開店とのことだったが17時過ぎに行ってみると既にお客さんたちが飲み食いをされておられる様子で、





後からやって来られる方たちのために屋根付きの敬老者専用テーブルが用意されていたのが面白かった。ここ、雨降っても大丈夫なので超特等席やね。





ケーブル虹の駅のすぐ脇に設置されているステラ451、







その脇にはジャズ奏者たちがこじゃれたナンバーを奏でてくれる。





今夏は例年よりも涼しく、ここ虹の駅は更にマイナス5度なので日が暮れるとけっこう寒くなる。なのでおでんをオーダーしてみる。





他に食べ物はこんなメニューがあって





灘百選の会でウェルカムドリンクチケットをいただいていたので、(てっきりウェルカムドリンクはソフトドリンクだと思っていたのに、ななな、なんと選択肢は「日本酒から」のみとなっていて驚いた)西郷から沢の鶴「純米」と(妻の分として)御影郷から大黒正宗をいただいた。前者はトローンとした深い甘みがあって、後者はさっぱりした味わいの中にも上品な香りが漂っていて、どちらも美味しかったよ。





ジャズを聴きながら小腹が減り、日本酒を頂いていたら酔いが回ってきたんで神戸摩耶山カレーと





奈良漬チーズ巻きをお買い上げしてみる。どちらも美味しかったよ!特に奈良漬チーズ巻きは想像通りの味で美味しかった。日本酒のアテとしては上手い創作コラボだね。





ジャズの演奏が終わったので、すぐ隣にある展望スペースへ向かうことにした。夜間は階段部分に街灯がなく真っ暗になるのだけれども、ステラ451の方々が明るいうちに





懐中電灯を括りつけてくれていたので何気に階段が明るくて助かる。





虹の駅の展望台から真面目に夜景を見たことが無かったのだえれども、掬星台からの眺めと比べると夜景たちが手の届きそうなところにキラキラと散らばって見れるのがとても新鮮であった。





肌寒くなってきたので少し早目の下山。帰りのケーブルカーは掬星台からの乗換組とも一緒になり扉が閉まるかどうかというギリギリの満員状態での発車。明るいうちから澄んだ山の空気と一緒に飲んだ日本酒はとても美味しかった。唯一の心残りはウェルカムドリンクの日本酒だけで酔いが回ってしまい「灘酒をソーダで割った灘カクテル「灘ハイボール」まで手が届かなかったことかな。これは次回の楽しみにとっておこう。

まっしゅ、今度はドラマデビュー!!・・・なるか?《科捜研の女》

2014年08月30日 23時34分57秒 | おすすめ



10月放送のドラマ「科捜研の女」の新シリーズのロケがポートアイランドの某所であったのでエキストラとして参加してきた。





「舞妓Haaaan!!!」の上七軒での撮影と「ハッピーフライト」の関西空港での撮影、過去2回、映画のエキストラで参加したことはあるけれど、ドラマの撮影は初めてであった。制作担当の方から事前にシックな服装でという指示があったのでスーツ姿で参加してみた。





初めてのドラマということで一概に比較できるものではないと思うが、映画の撮り方と違うなぁと思ったことをつらつらと書いてみることにしよう。

<テンポが早い>
閉じられた空間での撮影ということで言えば前述の2作の映画と撮影条件が一緒なのであるが、まずはカメラなしで俳優さんの「通し」が始まる。この時は俳優さんもセリフは噛み噛みで挙動もどこかぎこちない感じ。この「通し」のときは周囲のスタッフもその様子を見ていて、「通し」が終わると監督主導でカメラのアングル取りが始まる。監督は矢継ぎ早に映像担当者に「Aカメ」「Bカメ」「ルーズで」「引き」「廻りこんで」「抜ける」などの専門用語で、かつ阿吽の呼吸で各シーンごとにものすごいスピードで指示を出していく。この時間がおよそ30分くらい。それから監督が退いて、進行役のアシスタント(?)を中心に助監督やカメラクルーなどが円陣を作り詳細確認。この時間がおよそ15分。それが終わるといきなりリハーサル。リハーサルは1~2テイクしたのちにいきなり本番となる。撮影はストーリーの進行順に進められていく。

<密度が濃い>
映画の場合は同じシーンを複数のビデオカメラで捉える場合は役者が何回も同じ演技をしてそのたびに撮影する機材を取り換えているようであるが、今回はとにかく互いのアングル内に他のカメラクルーや機材が写りこまない限り同時にビデオカメラを設置して本番の演技は1回限りとなる。そのため、多方面からアップで撮影するシーンともなると、ホント、スタッフと役者が団子になってひしめきあうように撮影を行うのである。何シーンも撮影したが、同じ動作を機材を替えて撮り直したのは1回だけであった。

<決定が早い>
以上の「早いテンポ」「濃い密度」であるせいか、リハーサルがぶっつけ本番的な要素をはらんでいる。なので、リハーサルに入るときあるいは入る直前に監督の直感やカメラクルーの判断により、急遽アングル設定や役者の立ち位置が変更になり、更には我々エキストラへの指示が幾度となく入る。

というわけで、映画のときは丸1日仕事でのエキストラ参加であったのだけど、今回は半日で終了となった。





今回は知っている役者さんは科捜研の女である榊マリコ役の沢口靖子さんと、相棒となる土門刑事役の内藤剛志さんであった。沢口靖子さんはテレビで拝見する限り、気の強そうな大柄な女の人だという印象が強かったけど、実物を見ると小柄で華奢なかわいらしい女性であった。内藤剛志さんはだいたいイメージ通りの方でエキストラにも絡んでくる良い感じの人だった。心なしか痩せている感じがしたけどね。進行中に監督が、しきりに「マリコどの」「マリコどの」と呼ぶように聞こえたので、女優・沢口靖子を崇め奉っているのかと思っていたら「マリコ土門」と言っていることに気が付いて、ちょっと冷や汗をかいたよ。。。“監督が沢口靖子さんのことを「マリコどの」と呼んでいる”と書いてしまうところだった。





今回の記念品はスポーツタオル。2色から選べたので1色ずつもらうことにした。お弁当は撮影終了後にいただいたお弁当。監督・助監督さんを含めスタッフさんたちも同じものを食べていたので、いわゆる「ロケ弁」というやつか!?





放送は10月で詳しい日程は未定。第1話と第2話がスペシャル版で前後編になってるらしく、今日の撮影分は第2話のクライマックスシーンであるとお弁当をいただいたあとにスタッフの方に教えていただいたよ。「え?どんなシーンのエキストラか?」って、それはもちろん、言えるはずがなく秘密。。。だけど、大勢のエキストラが一斉に登場するシーンなのでたぶんわかると思う。でも、問題は・・・写っているかもしれないし、写ってないかもしれないということと、カットされているかもしれないし、カットされてないかもしれないということである。まあ興味があったら探して見てみてちょ。

木曜ミステリー「科捜研の女」

<舞妓 Haaaan!!!>
「まっしゅ、映画デビュー!」・・・なるか!?
映画「舞妓 Haaaan!!!」に出演・・・してた♪
<ハッピーフライト>
映画エキストラ出演のため関空で朝8時から10時間・・・そして風邪をひく
果たして、まっしゅは映画「ハッピーフライト」に出演できていたのか!?

大阪駅前第3ビル地下1階★肉屋の串カツ丸力

2014年08月29日 19時24分57秒 | 大阪駅前ビル



月の半ばにこの店の存在を知って以来、まるで秋の遠足を楽しみにする小学生のように「にくの日」を待ち望んだ我々はついにこの日を迎えることができた。11時29分に事務所を出ようという企みは厳密に言えば果たせなかったけれど、同じ部屋の数名で「同時多発的少し早目ランチ」を遂行してみた。





世間の昼休み休憩時間寄りは若干早めに目的の店に到着したものの店内はかなり混んでいた。そしてオーダーしたのは特製焼肉定食。ザクザクとぶつ切りにした焼肉とお代わり自由のごはんとお味噌汁。ダイナミックな質と量でなかなか美味しかったよ。そして、本日29日「にくの日」は主な定食メニューが200円引きとなる日なのである。





特製焼肉定食180g:800円-200円=600円(毎月29日)
なかなかお得感いっぱいだと思う。しかし、全品200円引きでないのでご注意あれ。現に私の隣の隣のお方は値引き対象外の品をオーダーしてしまっていたのだから。。。店内を後にしたのが12時15分を少し過ぎたくらいであるが、店の前には超長蛇の列が延びていた長蛇の列の客層も店内の客層も肉好きのおっさんばかりではなく、フツーのOLさんみたいな人も半数くらいおられたのが印象的だった。次回は200円引きにならない「牛タンシチューランチ(880円)」をトライしてみよう☆

肉屋の串カツ丸力
大阪駅前第3ビル地下1階

英田上山棚田団、そして、やさぐれムーミン

2014年08月28日 23時33分42秒 | おすすめ



岡山県の英田上山という里山の棚田再生に取り組んでおられる英田上山棚田団(あいだ うえやま たなだ だん)の方たちがグランフロント大阪の地下一階で先週と今週の木曜日に現地で収穫された穀物と野菜を販売されているというので早速行ってみた。





毎週末、大阪や阪神間の町から手弁当&交通費自費で毎週末現地に赴き荒れた田畑やため池からの水路を整備し、ぼろ屋を人の集える屋敷に改造し、人を集め、かつて途絶えていた集落の祭を復活させ、再生した棚田や畑で収穫された米・小麦・野菜たちを我々に提供してくれている。ほとんどの者たちは週末以外の日は、根城となる都会での生活を営み仕事を抱えている人たちばかり。しかし、収穫されたものたちは、皆、色艶がよくとても素人集団が作ったようには見えないほど立派なまでに育ってる。





それらの内訳は市価とは大きく異なる。

 ・ナス :2本 300円
 ・丸ナス:1個 300円
 ・棚田米(メリーライス):600g 1000円
 
だがしかし、これらをこの価格で購入するのは、そんな彼らの『手間』を購入し、彼らという『目に見える作り手』から購入し、ひいては微力ながら彼らの意思を応援する喜びを得ることなのだと思う。





ちなみに、今回購入した品々はコチラ。スタッフのguroroさんに英田上山棚田団新聞をいただいたので一緒に記念撮影してみた。どんな味か楽しみ☆





ナスやタマネギの大きさを比較するためにミニチュアわるタンと一緒に撮影・・・いや、もっとわかりにくいか。。。





しっかし、このナス・・・





とてつもなくデカイ。。。





わるタンが「仲間ができた!」って喜んでいるので、そのワケを尋ねてみたところ、





「このナスビは悪人ガオ」なのだとか・・・私にはオタフクソースのおばちゃんに似ているように見えるのだけれども、





わるタンの眼にはきっとこんな風に見えてるのかもしれない。
『ザ・やさぐれムーミン 鬼っ子バージョン』っなんてな。

(追伸)
いのっちさん、guroroさん、お会いできて楽しかったっす。
きっちいさん、お会いできずに残念、またの機会にお目にかかりましょう☆

「半落ち」を読んだ☆

2014年08月27日 21時13分12秒 | おすすめ



横山秀夫の小説と言えば「陰の季節」「半落ち」「クライマーズ・ハイ」「臨場」が頭に浮かぶ。

クライマーズ・ハイは日航全権デスクの悠木を佐藤浩市が演じたNHKドラマ版と堤真一が演じた映画版と両方見た。映画版の方は他に佐山(県警キャップ)を堺雅人が演じ、神沢(地域報道班)を滝藤賢一が、そして整理部長をでんでん、社長を山崎努がそれぞれ演じていたのが印象深い。どちらかというと映画版の方が良い俳優が起用されていて面白かった。けれど、小説を読むぞというところには至らなかった。

臨場にしてもしかり、内野聖陽扮する倉石とその仲間たちを毎週見るのが楽しみで、第2シーズンと映画まで見に行った。けれど小説を読むぞというところまでには至らなかった。陰の季節はタイトルの「陰」がなんとなく引っかかり書籍を手に取ることもしなかった。

半落ちは・・・昔、映画をレンタルして泣いた覚えがある。主人公・梶警部を寺尾聰が、裁判官を吉岡秀隆が演じていたことを覚えている。それと森山直太朗の挿入歌。劇中の雰囲気から舞台設定は昭和時代の物語なのかと勝手に思い込んでいたのだが、2002年に書かれたものらしく、そんなに古くない作品であることを読読んでいる途中に知った。そして・・・たくさん泣いたような気がする。これまで幾度となく手に取って読んでみようとしたが、どういうわけかなかなか読む気にはなれなかった。どことなく敷居が高い気がした。

けれど、勇気を出して読んでみて大正解だったと思った。ちなみに「半落ち」とは「完落ち」ではないということ。つまり一部しか自供していないということ。この作品でも「刑事のまなざし」同様に「眼」の表情が語られる。主人公である殺人犯の梶の澄んだ目に各章の主人公の子たちが翻弄されるのである。その眼はどんな目かというと、映画「半落ち」の寺尾聰の演じる「眼」そのものだと思った。

物語は6人の男たちを通じて主人公・梶が逮捕され、検察送致・起訴・刑事裁判・刑務所入所に至るまでのことが描かれている。各章についての覚書を残してみる。もちろんネタバレもある。

志木和正の章
司法警察員。強行犯指導官48歳。梶の物語を読みたい。
警察組織の隠蔽体質に翻弄される。

佐瀬銛男の章
地検三席検事56歳 妻とは死別。アルコール依存 植村学とは
司法研修所時代の仲間。
チリチリとした眼球の痛み。警察と検察の捕虜交換に翻弄される。

中尾洋平の章
東洋新聞記者。中途の傭兵。佐瀬銛男の警察署での恫喝現場に遭遇。
絵美の両眼ウインク。佐瀬に夜討をかける。
県警の部長と取引するも「東洋の人間になりたければ書け」に実行。

植村 学の章
弁護士(イソ弁)49歳。事務所パートナーの逮捕。妻「外れちゃった」
佐瀬に接見許可願う。中尾と会う。梶との接見。接見後レク。弁護。

藤林圭吾の章
特例判事補37歳。壊れた父。茶番。澄子の優しさを選ぶ。
一期一会。懲役四年。求刑通りの判決。

古賀誠司の章
法務事務官。来年定年。妻と死別。息子は北海道。競走馬の育成。
先輩刑務官牛田のハト行為。部下の蔑み。
志木の電話、志木との共犯関係。池上俊哉。

特に古賀誠司の章のラスト2ページ。この物語は、あの人のあの一言に寄って救われる、そんな気がした。次は横山秀夫氏のどの作品を読もうか。

半落ち (講談社文庫)
半落ち [DVD]

日興ビル地下1階☆寿司惣彩 えんた

2014年08月25日 22時40分07秒 | 大阪駅前ビル



大阪駅前ビルの御堂筋挟んで東側の通りの建て替え中の旭屋書店の並びにある日興ビルは市営地下鉄東梅田駅の改札口の脇から入ることができるのだが、その入口はビルの地下2階にあるため、この店には更に階段を1階分上がる必要がある。地上に至る階段の途上にあるため、なかなか発見しにくい。そんな発見のしにくさとは裏腹に、一歩店内に足を踏み入れるとふわっとした寿司酢の香りに心癒されるのである。そう、その香りはまさにお寿司屋さんの香りなのであった。





ネタもちゃんとしているし、うどんもコシがあって美味しい。日替わりランチによくある、ふやけたうどんでなく本気のうどんなのが嬉しい。ちなみにうどんは温かいのと冷たいのが選べる。私がオーダーしたのは「平安」770円。





メニューを良く見てみると高い順に、室町・鎌倉・平安・弥生とある。つまり全部「時代」である。何とも粋なメニューだろうことか。ところで『えんたって何時代?』と思っていたら、それは・・・





お店の屋号であった。


真夏の夜のオパシリタケ☆

2014年08月24日 23時09分40秒 | ウイスキー



もうすぐやってくる母親の2回忌に際し、家族で某所に御飯を食べに行くことにした。父親から提示されたお店のウェブサイトを覗いていて、『ここがいいなあ』と決めたお店のドリンクメニューを見てみる。最近は随分とウイスキーにハマっているのでおのずと目はウイスキーの項に流れていく。“スウィング”“シーバス・リーガル12年”“オールド・パー12年”“竹鶴12年”そこに並んだ銘柄を見て手が止まる。4銘柄のうちの3銘柄をつい最近、ミニボトルで買ったばかりなのである。





ミニボトルはおよそ500円前後で手に入るのだが、せっかくなので飲み比べの結果を書き残しておくことにしよう。

<オールド・パー12年>
ブレンデッド・ウイスキー。ブレンデッド・ウイスキーとは大麦だけから作られたシングルモルトウイスキーといろいろな穀物から作られたグレーンウイスキーをかけ合わせたもので、シングルモルトウイスキーよりも複雑で芳醇な味わいを楽しめることができるらしい。開封した栓から漂う香りはチョコレートのような芳醇なもな感じられたが加水して飲むと、香りほどの味わいは感じられずちょっと残念。

<シーバス・リーガル12年>
オールド・パーと同じブレンデッド・ウイスキーではあるが、オールド・パーよりは開栓時の香りは豊かではなくむしろ穏やかな印象があるものの、逆に加水したものを口に含んだときに味わいの広がりはオールド・パーよりも確実に豊かなものがあって、個人的にはこちらの方が好きだなあと思った。

<竹鶴12年>
こちらは、ニッカのシングルモルトウイスキー。香りも風味もかなり大人しげな印象。良く言えば「おとなしい」「素朴な」という感じだがいまひとつ個性に欠けるというか平べったい味わいだなあと思った。同じ国内産ウイスキーであれば「山崎12年」の方が格段に風味があって好きだなあと思った。

刑事のまなざしを読んだ☆

2014年08月24日 20時40分23秒 | おすすめ



以前、月曜午後8時枠の1時間ドラマでやっていた椎名桔平主演の同名ドラマの原作である。原作者は薬丸岳氏。原作小説の良いところは、ドラマでは描ききれない背景が詳細に書かれていることである。この主人公の夏目信人の刑事としての「まなざし」がどう表現されているのか気になったが『なるほど、そういう風に書かれているのか』と納得したところが多数あった。その反面、各話の主軸となる「トリック」というか「仕掛け」が以外とあっさり読者にわかってしまうような感じになっているが、まあそれはそれでありかなとも思う。

なので、この小説は刑事コロンボや水戸黄門のように犯人ありきのような感じで、その犯人の悲哀に対峙する主人公・夏目信人の向ける「姿勢」や「まなざし」・・・それは「やさしさ」であったり「厳しさ」に接したくて読み進めていく読み物であると感じた。もし、この小説を「ドラマを見ずに読んでいた」ならば、その上でドラマ化するにあたり配役を考えたときに、『誰が適任であるか?』ということを考えると、なかなか難しいものがあるなあと感じた。だが、ゆえに椎名桔平氏であったことが今では大正解で、彼以外の配役は考えられないような気がする。

ちなみに、通勤電車に乗っている40~50分の間に「華麗なる一族」や「沈まぬ太陽」は40~50ページしか進まないのに、「刑事のまなざし」は60~70ページほど読み進めることが出来、改めて山崎豊子氏の紡ぎだす濃厚過ぎる圧倒的な文章力に脱帽する日々である。

刑事のまなざし (講談社文庫)