中野から東京までの通勤定期を購入した時にみどりの窓口の人が『秋葉原経由にしますね』と言ってくれた。しかも料金は変わらないとな。そんなことが可能だなんて思いもよらず、それでも秋葉原は行く用事が無いと思っていたところある日ホームに面して窓のあるカフェを発見。それがスタバであると知るのは、そのまたしばらく後日のことである。
ホームに面する窓はあるが、ホームに面する入口は無い。階段を降りて右へ左へ曲がり、まるで見落としてしまいそうな小さな横道から狭い通路を歩きその先にある小さな改札口を抜け、スタバ店舗の脇を抜け、非常階段を2階分昇った先の奥にあるのだ。
ここまでやってきて空席が無かった時の落胆は著しく、また立ち待ちの群れが尋常ならざる時の絶望感は一言では表しきれない。だが運良く席にありつけた時の満足感はひとしお!というのはいささか盛り過ぎであるかもしれないが、やはり嬉しいものである。
席を確保したのちには、更に非常階段を二層分降りて商品を購入して、また再び二層分非常階段をのぼらなければならないという特典までついている。ちなみに、入店してから10分くらいすると、入口の前に客が並び始めた。
関西における座席の獲得合戦は、客が思い思いに店内を回遊し、運良く退席する客を目の前で見つけた客から、いわば早いもの勝ちで座席ゲットというスタイルを取るのが一般的だけど、この店では、店内を一望にできる店の入口で大人しく行列を作り、退店する客が店を出るタイミングで入店をするという、最近の公共トイレでも定番の入口待機スタイルを取っていた。恐るべし東京。
結局のところ、本を読むためにやって来ているのに、ずっと窓の外を往来する黄色い電車ばかり見てしまう。来る車両、来る車両、どれも代わり映えのしない黄色い帯を巻き付けただけの通勤型車両なのだが、私には愛しき通勤電車となっている。
スターバックス・コーヒー アトレ秋葉原1店