まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『バージェス家の出来事』ハッピーエンドと思いたくて…

2015-04-08 00:15:46 | アメリカの作家
THE BURGESS BOYS 
2013年 エリザベス・ストラウト

このあいだ『オリーヴ・キタリッジの生活』で初めて知ったエリザベス・ストラウトの本を
見つけたので、何日間か迷ったあげく買ってみました。 長篇なのでね…

いきなり本題に入っていい?

ジム・バージェスとボブ・バージェス、スーザン・オルソンという三兄弟妹がいます。

ジムは何年か前に絶対に有罪になりそうな有名人を無罪にして有名になり
ニューヨークで大手の事務所を共同経営する弁護士。
従順で洗練された妻ヘレンがいて、3人の子供は大学に通うため家を離れています。
良いものを身につけて自信満々で怖いものなし… 成功者ですね。

ボブはニューヨークで訴訟支援の団体に勤務しているジムの弟です。
口数が少なく心優しい男性ですが、一度離婚しています。
前妻のパムとは今でも仲良く、新しい夫の子供たちとも親交があります。
4歳の時に車をいじっていて父親をひき殺してしまったという過去があります。

スーザンはボブと双子のひとり娘で、今でも3人の故郷メイン州で息子と暮らしています。
元夫のスティーヴは家を出て、今ではスウェーデンで暮らしています。
スーザンは眼鏡屋で、息子ザカリーはウォルマートで働いています。
父親の事故があってからボブとはしっくりいっていません。

淡々と人物紹介的に進んでいた話しが大きく展開するのは
ボブが兄夫婦宅を訪ねている時に、ジムにかかってきた一本の電話からです。
電話はスーザンからで、ザカリーがある事件をおこしたので来てほしいというものでした。

その事件というのは、故郷シャーリー・フォールズに最近増えてきたソマリ人移民が
モスクで祈っているところへ、ザカリーが凍った豚の頭を投げ入れたというものでした。
しかもラマダン中… ということで、ただのイタズラだったつもりが
人権侵害で司法局や連邦政府から訴えられるかもしれないということでした。

ここまで読んで「やっちまった…」と思っちゃいました、私。
政治的なこととか人権とかが語られる小難しい物語だったらどうしましょう?
しかも宗教… 私に理解できるんでしょうか?と、ちょっとめんどくさくなったりして…

でもそんな心配はいりませんでした。
もちろんちょっとは絡むんだけど、この事件の展開とともに
バージェス兄弟妹と彼らをとりまく人たちの心や状況の変化が描かれています。

いろいろなエピソードが絡み合っていく面白さがあるので
これ以上あらすじは書きませんけどね… 長~~くなるし収拾つかないからね。

本当はかなり目まぐるしい変化なんだけど、そんな忙しさは感じられません。
以前も思いましたが、文章が飾りたてられずストレートに書かれています。
プロローグから始まり4章に別れているのですが、短く区切られていて読み易く
怒鳴りあうシーンでさえもうるささを感じさせない筆運びが読んでいて心地よかったです。

バージェス兄弟妹の他に、かなりの数の登場人物がいるのですが
皆が感じているのは、去って行った人への喪失感… でしょうか?
出て行った人や死んだ人、戻ってきてほしいとかもうどうでもいいとか
程度や長さに差はあっても、抱えながら生きていっている感じです。

ほとんど思い出さない人、ふと思い出す人、心に居着いてしまう人…
人は誰でも失ってしまった人を持っているはずですよね。

この物語は、それらを乗り越えろとか打ち勝てと言っているのではないと思います。
そうですねぇ… 登場人物たちの、失った人への向き合い方を読んで感じたことは
「人それぞれ」でしょうか?
人それぞれって、言うのは簡単なんだけどなかなかその境地には達せないんだよね。

めくるめく… とまではいきませんが、章が変わるごとに登場人物たちに変化がおこり
興味が削がれないまま読むことができました。
とても面白い一冊でした。

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