まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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『女房学校』女を見くびっちゃいけないぜ!なんてね

2009-02-08 01:01:24 | フランスの作家

モリエール

これはねぇ~、読む人によっては怒るでしょうね。

表題の『女房学校(L'ECOLE DES FEMMES)/1662年』は
とにかく “ 女は馬鹿がいい ” というポリシーで
妻にしたい少女アニェスを(賢くならないよう)教育し
世間から隔離して育ててきた男性アルノルフの話しです。

せっかくお年頃になったのに、アニェスは世間知らずのあまり
恋してしまった男性オラースのことをアルヌルフにベラベラしゃべって聞かせる始末。
というわけで、アルヌルフは二人の仲を引き裂くために策を弄するのですが
果たして娘はおとなしく彼の妻におさまるのでしょうか?

最終的には主人公以外は丸くおさまり
めでたしめでたしで終わるはずだったのですが…そうはいかなかったようです。

当時、この女性を卑下したような内容に批判が続出したみたいですね。
いくら17世紀とはいえ、こんなにバカにされちゃたまらんぜ
という才知に富み志高い女性もたくさんいたでしょうからね。

そんな批判に答えるために書かれたのが『女房学校是非』です。
これはサロンに集まった5人の男女が『女房学校』に対する
賛否両論を繰り広げるという内容なんですが
いかんせんモリエール擁護派の方が理路整然としているような気がするのは私だけ?

もうひとつ『ヴェルサイユ即興』という戯曲が収載せれていますが
これは、当時人気だったモリエールの劇団に敵対するライヴァル劇団に
モリエールがイライラさせらている心情が表れている様子。

そこで気がついたのは、モリエールが劇団の座長だったということでしょうか。
“ 欽ちゃん劇団 ” ってことですか?

結局、喜劇を楽しんでもらおうと考えだした脚本だと思えば
このドタバタぶりも、勧善懲悪というか肩入れしたい人としたくない人の
明確な役どころも、予定調和的な幕引きも納得がいきます。

へたに教訓を得ようとか、人生の機微を味わおうなんて思って読んじゃ
いけなかったのかしら?
目の前で展開している 「…んなできすぎな! 」という部分を
堪能すればいいのだね!と思わされた1冊でした。

女房学校 他2篇 岩波書店


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