渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

達人の手に名刀

2023年07月13日 | open


Joseph Balsis 
ジョセフ・バルシス(1921~1995)
である。
通称ジョー・バルシス。Balsisは
米語発音ではボーシスが近い。
西部劇に出てくる典型的な悪役
ギャンブラー風なのだが、彼は
1966年と1968年に2度プール
の世界チャンピオンになっている。
10代の頃からジュニアタイトル
を総なめにした彼が戦後に選ん
だキューはTADコハラのキュー
だった。




チャンピオン獲得の時に使った
ジョーのTADコハラ作。
ハーベイ・マーティン・スタイル。


いわゆるTAD荒ネジと呼ばれる。


私のTADコハラ作のキューは、
このジョー・バルシスがチャン
ピオンを取った時の作り込みの
近似模写版となっている。バット
側のジョイントリングの象牙と
エンドリングの組木模様は使っ
ていない。それ以外は
ジョイントネジがブラスから

ステンレスに変更された程度で、
あとはまんまバルシスの仕様だ。
日本国内ではほぼ見かけない。


このTADのプレーアビリディは
かなり高い。「使えるキュー」
どころか、実際に使いまくった
し、20世紀末の製作2年後にこ
れを入手したが、今世紀に入っ
てからの私はリフィニッシュに
出す前まではプレー集中はこの
TAD一本だった。私にとっては
最高のキューだ。
ジョー・バルシスが世界チャン
ピオンをもぎ取った時のTADの
復元モデル。
装飾モデルではなく、実力一点
勝負にいぶし銀の強さを感じる。
まさに、実戦的な真実の利刀。
それがTADのTADたるところ。

ただ、ファンシーTADは金額が
高くなり過ぎた。
1990年頃はTADストレートの
中古は5万円くらいだった。
今、8倍程に値段が跳ね上がっ
ている。ファンシー物は180万
程になってしまった。

TADをまるでニッケルメッキの
コルト.45ピースメーカーのよう
に手にしてサロンでギャンブル
に臨んだようなジョー・バルシス
は、TADで世界王者となった。
若い時は当然別なキューを使っ
ていた。TADコハラさんがキュー
を作り始めたのは1963年から
だから。

映画『許されざるもの』で
リチャード・ハリスが演じた
イングリッシュ・ボブを彷彿
とさせる。

絶対に2丁拳銃で、チョッキの
ポケットには銀ピカのデリン
ジャーを隠していそう(笑



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