渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う

the secret world of the japanese swordsmith

2016年05月29日 | 日本刀

the secret world of the japanese swordsmith


昨日から文化庁による刀工試験が始まった。
今年も12名の受験者が集まり、備前長船で文化庁の試験に
臨む。
今年は女性受験者もいるという。刀工の下で5年の修行を経ての
受験だろう。女性刀工の誕生を心から応援したい。
合格すれば、刀工試験制度が始まって以来初の快挙となる。

この動画は20年ほど前の映像だが、冴えわたる匠の技が
収録されている。
吉原義人刀匠。
刀工に位列をつけるつもりはないが、私は個人的には吉原義人
刀匠が
現代刀工の頂点だと思っている。
1980年代の時点ですでにそうだったと思っている。
尤も、1970年代から吉原刀匠は兄弟で突き抜けていた。
1970年代初期に、玉鋼によってすでに映りも完璧に再現していた。
吉原義人刀匠は作刀
技法すべてにおいて秀でているが、特筆
すべきは火造りでの天才的
な巧みさだ。まるでマジックを見て
いるかのような鎚さばきだ。

無駄な温度低下を避けるために刀身を浮かせて鎚で打つ。
これは吉原義人刀匠独自のものだろう。実に理にかなっている。

20年ぶりにこの映像を観た。
江戸後期に水心子によって確立された「伝統技法」のお手本の
一つがここにある。
1943年生まれの吉原義人刀匠、この時53歳。
すでに最高峰の円熟の域に達している。


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格安無銘良刀 時代拵付き

2016年05月28日 | 日本刀













来た!これ!(◎。◎)
幕末幕臣講武所拵のような時代物武用拵に納まった実戦武用の良刀だ。
まるで新選組の土方歳三が持っているような刀!
この刀を話のネタとして紹介した魚屋うを新(太刀魚専門店)の店長は、
「あ!これ・・・。いいなぁ」ともらした。付き合い長いので大抵分かる。
それは相当気に入って、自分が欲しいのだ(笑)。
それくらい剣士の視線から見ると良刀であり、本歌時代拵が付いてこの
価格というのは通常考えられない。あと一寸長かったら私が迷わず買って
いる。この長さは、うを新の常用刀とほぼ同寸なので、多分彼は食い入る
ように見たのだろう。

棟に焼きがある。
美術刀剣界においては棟焼きは下作とされているが、それは実用上の
ことを一切すっとばした「見た目」からだけの視点で刀を観ているからだ。
棟焼きには二つの理由がある。
一つは、刀工が実用上の見地からあえて棟を焼いたもの。(意図せず、
焼き土が落ちて勝手に焼けた物は失敗作)
もう一つは、製作途中の反り直しの際に、焼いたアカ(銅の治具)を棟に
かませて反り直しをする場合に、空冷により自然に焼きが軽く入ったもの。
いずれにせよ、実用刀剣論の立場からすれば、棟焼きは歓迎こそすれ、
目くじら立てて忌避すべきものではない、という現実的な実相があります。

冠落としとは、薙刀磨り上げのような形状の鎬造の刀で、鎬地の肉がザクッ
下りている。いにしえの大和物や美濃物には鎬地が下りた物が多いが、
冠落としはさらにそれを純化させたように鎬地が下りる。
相対的に鎬の厚みは増す。しかし、鎬地が下りているので、切った際には
抜けが良い。非常に戦闘力ある刀身設計となっている。

ではなぜ、この高性能形状が日本刀の一般形状とならなかったのかと
いうと、これは私見だが、単純な問題が横たわっていたからだろうと思う。
それは、作る手間、研ぐ手間が半端なくかかるからです。
日本刀はストックアンドリムーバルのナイフのように鋼材を削って成形する
ものではないので、すべて手打ち鍛造となります。
なので、この形状を隙なく打つのは通常の鎬造の刀身よりも非常に手間
がかかる。また、研ぎも割増になります。
スペシャルはスペシャルであって、どの分野でも一般化しません。
量産向きではない冠落造が一般化しなかったのは、そのような理由だと思い
ます。

なお、この冠落としの特徴としては、薙刀樋などが彫られているのが一般的
ですが、薙刀樋がない個体も多かったりします。
ところが、不思議なことに、その刀身を振ると、樋が無くとも樋ありのような
ビユッ!
というような風切音がします。

以前、別な刀剣商で、室町期の美濃物古刀の冠落造で手ごろな良い刀が
あり、振ってみるとビシュッ!ビシュッ!と音がする。これ買いたいなぁ、でも
ほんの少し
私には長いなぁ、どうしようかなぁとか思っていたら、ソッコーで外人
さんが
お買い上げとなりました。ちゃんちゃん(^^;
刀は縁です。
それと、第一印象ですね。
「あ。これは・・・」と思ったら、その刀から伝わる何かを自分が感じ取ったという
ことです。
そこに目に見えない結ばれた繋がりが生まれています。

この刀は、なかごが雉股風ですので、復古気風が高まった幕末の時代に製作
されたものかと思います。しかも、佐幕派と倒幕派がぶつかりあう少し前の
まだ「尊王攘夷」を幕臣側も後の倒幕側も共通認識として抱いていた時代。
私にはそのように観えます。
拵の金具も、金工師はいい仕事をしていますねぇ・・・。ほれぼれします。
朱塗りの鞘も本漆の鞘ですが、その傷み具合さえも、幕末の動乱を駆け抜けて
きた現実の歴史を背負っている風格があります。
薩摩拵ではないので、男谷精一郎信友さんの講武所拵や土方歳三さんの武用拵に
よく通じる作りですね。(拵のことを「作り」と呼びます)
帯びていたのは、町人ではなく、確実に本物の武士でしょう。しかも幕末の激動を
生きた武士だったと思います。


日本刀を購入する際には、現金でもローンでも構わないとは思いますが、
一つだけ大原則があります。
それは「絶対に値切らない」ということ。
購入者はお客さんであるというのは分かりますが、刀は量販家電ではないのだし、
武具にケチがつくので、昔の武士は「負けろ」「引け」は絶対に言わなかった。
私も暗黙で値引きを期待することはありますが、価格を尋ねる時には、「贖いたいが
いくらであるか」ということだけを尋ねます。

売り手が50両といえば50両なのです。49両2朱ではない。あと2朱が払えない
のであるならば刀槍武具など買うべきではない。否、買えないのですから、
「べきではない」ではなく、贖うことができないのです。
まして、売り手側から値引きを申し出てくれるのならばよいが、買い手の側から
値引きを要求するなどというのは、ずうずうしい以前に、こっぱずかしくて
私は
できない。

私もできないが、いにしえの武士も絶対に自分から相手に「負けてくれ」「引いて
くれ」という事は言わなかったことでしょう。
刀はスパリと気持ちよく、剣持つ者の心で買いましょう。
この刀は個人的にはとてもおすすめと私は感じました。


この刀のお問い合わせはこちらから → 美術刀剣 刀心


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目釘削り専用刃物 ヒラマチ 〜江戸刃物師左久作製〜

2016年05月28日 | 日本刀



自分用の左久作製ヒラマチの柄を自分用にカットした。
私自身の手の大きさからすると、
柄尻の押さえのために三分ほど長く
感じたからだ。




カットしたら、穴グリの下穴が出て来たので、竹で埋めた。


こんな感じ。


うむ。使い勝手最高!


いい感じです。


これはプロトタイプなのですが、現在、一般市販モデルの柄をどうするか
最終検討中。
最初から鋼と地鉄の貼り合わせの利器材を使用しておらず、日立白紙
と地鉄を鍛冶師が鍛造して鍛着させた誂え打ち刃物です。
そのため、手間がかかっているので一般彫刻刀よりは販売金額は多少
高くなりますが、物は確かな信頼できる作です。
正倉院改修をはじめ、日本の著名伝統建築物を手掛ける宮大工・家大工
さんたちがこぞって求める左久作製の刃物を日本刀部品製作のために
作ってもらう
ことにしました。
この特製目釘削り専用刃物ヒラマチは、左久作の刻印入りおよびお買い
上げ頂いたのユーザー様
への左久作直筆毛筆落款手紙入りでのお渡し
となります。



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柄外し 〜日本刀に関する道具〜

2016年05月27日 | 日本刀



またもや刀屋に対する営業妨害記事です(笑)。
樫の木製のトンカチの柄をホームセンターで買ってきて、切ってサンド
ペーパーで面取りしただけ。
サクサクッと作りました。
これは白鞘などの柄を外す時に固かったらコンコンと叩いて刀身を抜く
ための道具です。当て木とか角木とか呼ばれています。
友人が小型の物を自作していたので、コンパクトでいいなぁと思い、それを
参考に私も作ってみました。
製作時間20分位。短く切ったトンカチ柄を4ヵ所カットするだけです。
か〜んた〜ん(^^)v
全長は120ミリのコンパクトタイプです。


刀屋さんで売っている専用道具を買うと、4,000〜5,000円くらいするの
よね。
自作すれば370円くらい(笑
これを参考に自作される方は、木槌は別途買うか他のトンカチを使って
くらはい。
トンカチが無ければ、この当て木を柄のハバキ横の平
部分に当てて、
カマボコ板で当て木をコンコンと叩いてもすぐに柄が抜け
ます。木槌が
ダイレクトインパクトなのでベストだけど。


皆さまも、お時間がある時にでも、日本刀関連道具の製作、いかがで
しょうか。たった4ヵ所をノコで切るだけで出来てしまう柄外しという道具(笑)。






こちらは私が刀剣商から購入した物です。造形は美しいのですが、
硬木を使用していないところが気に入らない。
試しにこのトンカチで目釘を武用刀に打ち込んだら、目釘の大きさで
槌にへこみができてしまいやした。ダメじゃん>俺。
この木槌はこの柄外しにしか使えません。


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江戸刃物師 左久作製 日本刀目釘削り専用刃物「ヒラマチ」

2016年05月27日 | 日本刀



日本刀探究苑 游雲会のオリジナル刃物。
ノミより薄く、彫刻刀より厚い、使い勝手抜群、切れ味最高の逸品。
左久作製の日本刀目釘削り専用刃物「ヒラマチ」!

近日中に特約販売代理店より発売開始です。
鋼は日立金属白紙一号を使用しています。
鋼の刃は先端とサイド部分に設置してあります。
請うご期待!!

(なお、オリジナル設計の刃物ですので、直接左鍛冶師に依頼しても
作れません)




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山田流据物斬 得道歌

2016年05月26日 | 日本刀


出仕姿を再現した徳川幕府御様(ためし)御用
閏八代、山田浅右衛門吉亮(明治36年50歳)

Asaemon Yamada was doing a sharpness test of the new sword
by the request of Tokugawa Shogunate in the Edo Period.



山田流得道歌

一、斬り柄は樫の木にますものはなし
    長さあつみは刀にぞよる

一、斬り柄は仕掛くるときに大事あり
    反りを合わせて歪まぬがよし

一、鉛鍔すこしはそりをあらせつつ
    刃方をあつくみねはうすかれ

一、土壇にはすなにまつちを掻き合せ
    高さの程を八寸と知れ

一、壇ながさ二尺二寸二横はばの
    尺のあまりを三寸とつけ

一、二つ胴かまえて斬るは大刀と身と
    つばと心をつり合いて引け

一、極意とは刀脇指刃を引いて
    ねたばを好むこれぞ第一

一、指料の刀脇差とがせなば
    中の刃じし(肉)にあつらえてもよし

一、打ちつくる太刀は柳の枝なれや
    末におもりのあると知るべし

一、刃じしある刀はこうべ双ぐるま
    かたきところを斬るものと知れ

一、刃うすきは小袖綿子の斬れてよし
    くさりに逢うてこぼれこそすれ

(山田流得道歌五十首より抜粋)


無双直伝英信流伝書より。

現代は人体および動物生体を斬ることはご法度である。
従って、藁、畳表(繰り返して苦言を呈するが、畳表はイグサであり
藁ではない)、竹を斬って刀剣の切れ味を検証する。

武用刀剣として日本刀を持つならば、己の差料の切れ味および
堅牢性の如何は知っておくのもよいだろう。

私の愛刀。さて、どれくらいのものであるのか。
刃の立ち具合、鋼の粘り、刀身の弾力から、よく切れることは容易に
推察できる。
私はこれでは斬らない。作域が興味深いからだ。切れることは分かって
いる。切る必要はない。切るために刃も引かない。渓流メンタリズム。





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刀工による銘切り

2016年05月26日 | 日本刀

刀工自身による銘切りのタガネの冴えが素晴らしい。
まるで筆で書いたような繊細な強弱のタッチを表現している。


(「日本の古美術、刀装具、骨董屋あれこれ」さんから)  

岡山の若き刀工、安藤広康さんの銘なのだそうだ。
迷い一切なく、勢いがあり、実に良い銘を切る。
なんとなく刀剣界の麺王の図太い心意気が伝わる堂々としたタガネ運びだ。

こちらは広康刀工のお父上の安藤広清刀工の銘。
 

安藤広清刀工は岡山県津山に住する現代刀工で、初代小林康宏の
弟子である。二代目康宏とは兄弟弟子になる。
広清刀工の銘は、初代康宏や二代目康宏の100倍巧いと感じる(^^;
ご本人二人の見た目の風貌は、
広清刀工と二代目直紀康宏刀工は
よく似てるという(というか実の兄弟のような同系統)不思議はあるの
だけど(^。^)

安藤広清さん。



小林康宏(二代目直紀康宏)。


刀工安藤広康さん(安藤広清刀工のご子息)。
刀剣界で一番ラーメンを試食制覇している刀工。



刀鍛冶安藤広康さんのブログ → 備前國長船刀鍛冶『安藤広康』刀鍛冶Life


銘を切るのってね、簡単ではないのよ(^^;
ヱヴァ展の時には刀工さんや金工師は超絶速度でサックサクと切って
いたけど、ああいうのは別格だす。
刀の銘は金属を蹴って「切る」のね。彫るのではないの。
時々、銘切りを打刻や彫物と思ってる人がいるけど、それは間違い。
銘切りタガネという鋼で鋼の刀身部を蹴り分けながら切って行くんです。
刻印や彫刻ではない。
そこんとこよろしく。


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嫁入り短刀

2016年05月26日 | 日本刀

最近、現代刀において日本刀の伝統様式が崩れている。
「嫁入り短刀」と称して、新作日本刀で珍妙な形態が見られるのだ。

一般的な「守り刀」としての短刀はこういうものである。

千子正真(画像提供:刀心様)

名刀村正の系譜に連なる刀工の名品だが、それはさておき、切先の
焼刃には返りが存在する。その焼刃の刃文により「小丸に返る」や
「掃きかけて地蔵に返る」などと表現される。
日本刀の焼刃が切先で返るのは、欠損による研ぎ直しを考慮した
実用的見地から歴史上登場したといわれている。


一方返りの無い個体も古い時代には多い。これを「焼き詰め」と呼ぶ。


兼行作(画像提供:刀心様)

見事な刃文と焼き詰め鋩子(ぼうし)。

太刀・刀においても焼き詰めは古雅な古い時代の伝統作にはよく
みられた。

しかし、やがてほぼすべての刀剣は焼刃に返りをつけるように
なった。
やはり、これは実用的見地から改良された歴史の流れだっただろう。

幼少時の「守り刀」ではなく、娘が輿入れの際には「嫁入り短刀」
と称していつの頃からか武家の娘には短刀を持たせることが
始まった。
日本文化の中では、
この「嫁入り短刀」には一つの暗黙の原則が
貫かれていた。

それは、「出戻り」を避けるために、焼刃に返りのない作が選ばれ
たのである。「一度嫁いだら実家には帰って来るな」という親心と
刀を帯びる武家の娘の決意の表れとしてそれはあった。

こうしたことは白無垢にも通じるものがある。
嫁ぎ先の主人に終生尽して添い遂げよ、という心の在りかが日本刀
の選択肢に採り入れられていた。

最近、「守り刀」と称して新作短刀を製作したり、展覧会が開かれている。
これ自体は日本文化の伝統継承として大いに称賛されるべきものと
私は個人的に思う。
現代の結婚式で男子は帯刀することは社会風潮として認められて
いないが、和装結婚式においては、新婦は形だけでも「懐剣」を帯びて
いる。刀袋の中身はダンボールである場合が多いのだが、新婦が懐剣
を帯びることは「妻として二心なき決意」の表れであり、「他者に辱めを
受けることがあればこれにて潔く自害する」という武家文化の心を継承
したものだ。それが21世紀の現代においても形骸化したとはいえ、武家
の心の文化として継承されている。
ちなみに私の妻は結婚式の際、真剣を帯刀した。真剣な心には真剣しか
あり得ないとのことだった。けだし「真剣」という言葉の意味は日本刀から
来たものである。

ところが、その嫁入り新作短刀展において、非常に妙な説明書きを多く
見るのである。

曰く「嫁入り短刀は本来は返りのない刃文ですが、今回はあえて返り
をつけました」というような趣旨の説明書きがなされているのである。
新婦に離婚前提でそれを持てとでも言うのだろうか。
私はこれほど人を馬鹿にした話はないと思った。

しかし、裏に隠れる理由はなんとなく私には理解できる。
「返りがない焼き詰めの刀」というのは、存外製作が難しいのである。
(詳細理由は省略するが、熱処理の問題としてマルテンサイト変態による
膨張現象の相殺不在状況下で刀身先端部を真っ直ぐにすることは難しい)
つまり、
単純に技量が稚拙ゆえ焼き詰め鋩子を作れないのを誤魔化した
説明なのではなかろうか。

もし、仮に任意に作れるのにあえて返り焼刃をつけた作を結婚する娘さん
用にと製作したとしたならば、人をおちょくっているのも甚だしい。


なので、どちらに転んでも、そうした作を「嫁入り短刀」として製作したり
発表したりして日本刀作家先生然として居座っているのは、埒もない心
構えであると私は確信するのである。

現代刀をめぐる知られざる日本文化と日本精神を破壊する事柄の実相の
一例として書きとめて
おきたい。
諸兄におかれては、「本物と疑似」、これはよく見抜いてほしいと願う次第。

 

 



 


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備前長船祐定

2016年05月25日 | 日本刀



昨夜、備前国住長船祐定について書き出して勉強していたら、
突如意識が
朦朧として、横になったら2秒で眠った(笑


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デジャブ…ブッ…ブハァ〜 (´θ`)y-~~

2016年05月24日 | 日本刀

ヤフオクから。







友人からの知らせで発覚!
どこかで見たことある記事と画像・・・って俺のこの日記からのパクリやんけ!

あのさぁ・・・。富山の業者さん。おいらのとこの記事使うのはいいけどさぁ、
まるで
同一個体の鍔のようにして扱うのやめてくんない?(笑
しかも節愛ではないようだという記事の部分カットしてから(苦笑
(この人、「寒山鞘書き」の「清麿」と銘ある刀も清麿として出品している。笑)
でもって、この鍔には業者入札が多いのも笑えたりする(^^;

というか、気づいた。
こうした態様のパクリ引用って、よく自分の出品した物がさも銘鑑掲載の
古名刀であるかのように書籍のページを撮影引用してヤフオクに出品して
いるのと同じやり方だ。
なるほどねぇ。ヤフオク業者というのは、書籍のみならず、一般人のウェブ
日記からもそれをするか。


この意匠の鍔はこれまで6個経眼したが、私の所有する個体が一番鉄味が
良かった。私のは銀座柴田さんで世話してもらった。

ただ、在銘物は、ネット上で結構高額で販売されていた。

ところで、なんで「二代目康宏(磨り上げ極上研ぎ再登録)の」にマーカーで
印をしている
のでしょうか。
本件出品とはまったく関係ないだろうに。

便乗商法?(^^;

私の日記の元記事 → 冠透かしの鉄鍔 〜水戸金工〜

オークションのこれ、節愛ではなく、節尚でしょう、たぶん。


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梅華劍蕊(ばいかけんしん)

2016年05月18日 | 日本刀



きさらぎ朝靄昏きを裂いて  的皪光る梅のこころ
あめつち緑の春にさきがけ  北庭に咲く花見ずや

英才つどいて学林さかえ  偉材は出でて世にぞ競う
時代の先駆を遠く行きつつ  いにしえに汲むもの

東の洋より燃ゆるは未来  西欧老いぬ今ぞたたん
科学と徳とを合せ奏でて  東方にのぼる声

世界の混沌厚きをやぶり  まったき朝のやがて成らん
あめつち栄ゆる春にさきがけ  黎明に照る花見よや


出身校の校歌の一部だ。私の時代、剣道は相当強かった。
強豪の大学附属高校や国士舘よりも強かった。
蕊とはシベのことであり、花の中の花、文化の中心のことを示す。
明治初期に日本の華族が創立した学校だったが、完璧な中華
思想だった。中華思想とは、己は中央の華であり、すべての文化
は己から発生する、とする思想だ。明治期のイケイケドンドンの
日本の国粋色が色濃く出た建学の精神だった。
さらに英語での建学の精神標語もあり、日本語に意訳すると
「絶対に死なない」というものもあった。秀才はいらない。英才を
求める、という校風だった。

寒い季節にひと花咲かす梅には、やはり的れきの輝きを感じる。
雪霜に ほどよく色のさきがけて 散りても後に 匂う梅が香

というのは新選組の芹沢鴨の若き日にしたためた辞世の一首だが、
梅には、厳しい寒さの中に凛と咲く強さを私は感じる。
かつて、日本においては古来から「花」の代名詞は梅だった。花といえば
であった。万葉和歌に出てくる「花」とはすべて梅のことである。
それがいつの間にか、平安の頃からか桜が日本の花の代表にとって
かわった。



梅の花は本当に美しいと私は思う。
私は桜よりも梅が好きだ。
梅って、葉の芽が出るよりも先に花が咲くんだよね。
まさに魁(さきがけ)なり。
その梅のこころが私は好きだ。
そして、梅は下手に食べると死ぬ猛毒の実をつける(笑)。
ところが、加工すると、長寿の効能を持つ身に変身する。

私の娘が東京新宿区で生まれた時、新宿区からお祝いで
梅の樹をもらった。
それを父の実家がある広島県三原の家の庭に植樹した。
今では大きく育ち、毎年これでもかというくらいの梅の身を
実らせる。
それらはすべて梅酒の素に変身する(笑


こういう梅の鍔っていいなと思う。


こういうのとか。


デザインよりも手筋から見て同作者とみたが、どうか。

これなんて、現代金工は再現できるのだろうか。
技巧的なだけでなく、赤銅磨きの味がむちゃくちゃ良い。


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日本刀の製作依頼について

2016年05月17日 | 日本刀



これは日本刀ではありません。
刀鍛冶が作った鎌です。

日本刀の新作刀を刀鍛冶に注文する際には、その刀工との
信頼関係が作れないと注文−受注の関係は成立しません。
Aという刀鍛冶に作らせたけど出来が気に入らないからBという
刀鍛冶
に代行製作を頼む、というのはBをAの代用として考えて
いる訳で、とても
失礼なことです。Aに対してもBに対しても失礼
にあたる。

またCという刀鍛冶に断られたからしかたなくDという刀鍛冶にC
の作風・技法での
製作を依頼するというのも、これもまた代理要員
としてしか刀工
を捉えていない訳で、これまたとんでもなく失礼な
ことです。

行為そのものもそうですが、発想自体が人に対して失礼なことです。
失礼であり、無礼であり、慮外なことであるのです。
こうした人としてごく当たり前のことが理解できていない人が結構
多い。


よく「写し物」というカテゴリーがあります。
過去に存在した刀に敬意を表して、それに迫る作品を作ることを
試みようとすることで、これは主として刀工の内発的欲求としての
トライならば大いに称賛されるべきことだと思います。
しかし、これが依頼により「〇〇の作を写せ」となるとどうでしょうか。
刀工はただの物理的復元生産者に成り下がります。
そういう点で、山田浅右衛門が宗次に行なわせた小龍景光の写し
などは、私は作刀依頼−受任関係の在り方として否定的です。
作った作も、作った人も、「代用物」としてのレプリカでしかない位相
なるような依頼者と刀工の関係性の上に生まれたものだからです。


小林康宏の新作刀は、そのような内実である作刀依頼は一切受け
ません。

小林康宏でなければ嫌だ、どうしても小林康宏作が欲しい、という
方にしか新作刀は作りません。
これは工業製品ではない手工品である日本刀においては、少なくとも
私どもはとても大切な根幹部分だと認識しています。

現代刀工は約300名います。刀工自身もそれぞれ300の思いがある
でしょう。受任形態もいろいろな形で請け負うことでしょう。
しかし、うちの場合は、上述のように、信頼関係第一にしています。
信頼関係を築けない方からの依頼は受けません。
幸いにして、「もうこれ以上現段階では作れません。その先、生きているか
どうかも分かりませんから」という程の数のご注文を正式受任しています
が、それ以外では二桁の数に及ぶ人たちの作刀依頼を断っています。
これは、私、研ぎ手配担当刀剣しのぎ店長新藤、刀工康宏の三者の
いずれかが「この人は不適格」と判断したか、三者全員がそう判断
したかに該当します。
小林康宏作の新作日本刀の製作は、刀工と私としのぎ新藤店長の
三者全員の審査合格のパスがなければ正式受任とはなりません。
全票満票でなければ受注にはいたりません。「持つ人」を選ばせて
もらっています。

ですので、一般日本刀のように「作ってもらいたいから作ってくれ」という
だけでは製作実現は不能です。
まず「なぜ日本刀を所持したいか」「なぜ小林康宏なのか」ということが
明確に自己の中に無い人とは御縁を結ぶつもりはありません。
作刀希望者からのお話を聞かせてもらう中で、「別に康宏ではなく他の
刀工作でもよいではないか」と判断できる内容の作刀希望については
お断りすることにしています。
そして、私どもは「参加型の受任から製作お渡しまで」という新しい流れを
作ろうとしておりますので、一方的に作品を押し付けることはしません。
詳細な仕様書を一方的に提出してもらうのではなく、相互に連絡を取り
合って仕様を絞り込んでいきます。「お任せ」はありません。注文主に
一方的に仕様を決定してもらうこともなければ、注文主の希望を一方的に
否定することもありません。相互に連絡を密に取って刀剣の造りを煮詰め
ていって、本当の依頼者の希望と刀工の作意の合致の実現を目指して
います。
また、逆にお金を払えば客だとか、作らせてやるだとか、欲しいのだから
作ってくれ、とかいう依頼者側の一方的な要望に基づくものによって受任
することはしません。
つまり、康宏作同好の士として刀を中心に同志的な心の親睦と交流までが
見込めない人には作らない。
康宏作の作品は刀工小林直紀康宏の心の在りかです。それを深くご理解
いただけないと製作受任には進みません。

とりわけ、自己主張のみを唯一の絶対判断基準とする会話成立不能状態
だったり、「了解不能」の
病認不在の方の依頼を受任するわけにはいきま
せん。作っている物が「日本刀」だからです。
ご了解ください。


別ジャンルでの「依頼⇔受任」のケースですが、以下の外部リンクを
ご紹介します。

弁護士にとって危険な依頼者/対処が難しい依頼者(依頼人)





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拵の相談

2016年05月15日 | 日本刀



道場の居合仲間の差料の拵製作の相談に乗った。
私が希望を聞いて、絞り込みの手助けをするだけで、私の好みの
押しつけは一切しない。あくまで「こういうときはこうみたいですよ」と
いう情報を提供して、ご自身で判断決断してもらう。私はほんとに
手助けをするだけだ。

金具は魚屋うを新が私の道場仲間ということで特別価格で出してくれた
時代物本歌の金具だ。

差料の本体もそうだった。
本体は新刀備前。ハバキは銅地に鍍金。鍔は時代物忍冬の図透かし。
縁頭は赤銅桂の図色金(いろがね)象嵌、しとどめ金、象嵌部の赤銅は
地とはサシの配分を変えた色違いの赤銅物だ。なかなか手が込んでいる。
目貫は赤銅地高彫りの色金沢蟹
の図、沢の流れは鍍金だ。切羽は銅地
金着せ。

刀身も金具も、これはまるで美術刀剣だが、それを差料に友人は選んだ。

柄前についての仕様は、私の居合用末古刀と同じような握り心地の
物を好むとのことで、それに絞り込んだ。
私の刀はかなり柄が細いが、実際に私の差料を握ってもらうとそれが
いいという。
手の大きさを比べたら、まったく私と一緒だった。あら〜(^^;
こういうのって、確か游雲会のバイク乗りもそうだったなぁ(笑
彼の康宏はちびっと豪壮な造り込みだったが。

柄については、人それぞれ好みが千差万別なので、自分の仕様が
よいだろうと思う。
実際のところ、私個人はどんなのでもいいのだけどね。
ただ、あまり太く丸いのは好まない。
一時期ずっとすごく太くて丸いバイクのスロットルグリップほどの柄を
誂えて使っていたことがあるが、一度手の納まりがよい細い柄に
変更してからは、細い柄の使い勝手の良さが身にしみた。
康宏刀は細い柄だが強度を保つために山桜の柄材にしていた。
数えきれぬほど切ったが柄はビクともしなかったし、がちがちにはめ
込んだ刀身は一度もぐらつかなかった。

柄は好みだ。
私の武用刀のうち、一つは細いというよりも薄めの柄になっている。
これはこれでまた使い勝手が非常によかったりする。
痛んできたので新規製作時期に来ているが、新規製作する時が来たら
その個体の刀は同じ身幅と厚みの柄にしようと思っている。

ただ、私が細い柄を使うようになったのは、師匠に入門してからの
影響が強い。入門以前はゴン太柄だったが、「微妙な操作を可能なら
しめる」という師匠の教えに従い、細い柄を使い出したら、これが何とも
「これだったのか」という軽いショックを受けた。

うを新から数年前にラーメン3杯分くらいの価格で譲ってもらった素振り
用の模擬刀(樋有りだがとても重たい)の柄はゴン太柄で、それでは
私は
細かい刀法操作ができなくなってしまった。土佐居合の直伝独特の
手の
中で柄を可変させる柄の手の内が利かないのだ。どう言ったらよいか・・・

握りっ放しみたいな感じになるのである。ヘッドスピードは当然上がらない。
英信流刀法の操作においては、柄は「握らない」。これは土佐系居合の
特徴
だろうか、このことは師匠からも尾道の先生からも何度も何度も指導
されている。柄は「支える」のであって「握り込む」ことはしないのだ。
だからこそ、ムチのようにしなやかで、かつ速度とトルクが乗った操刀が
できる。高回転高出力で下スカスカというエンジン特性ではなく、高回転
高出力なのにトルクがドン!と出るような操刀法ができる。これは肩、肘、
手首、指の各関節を連動させることで発揮できる。当然下半身の使い方
がそれに伴う。

私の場合、あまりに太い柄だと、その細かく繊細で微妙な操作ができない。
うを新から分けてもらった模擬刀は完全に素振り用にしている。抜刀操作
という要求性能を自分に課すと、
私は扱いきれない。
だが、模擬刀は一つ持っているととても便利で、何かと役に立つ。
自分の部屋にいる時も、「ん?こうするとどうなるかな?」と思い立ったら
すぐに腰に差して抜いてみて確認したりする。その時に模擬刀は便利
なのである。木刀で確認することもあるが、さっと5分程の確認行為の
際には、やはり疑似日本刀である模擬刀が便利なのだ。


道場の剣友がうを新で選んだこの鍔もなかなかしゃれている。


古墳時代の環頭大刀(かんとうだち)の頃からある
忍冬(ニンドウ/スイカズラ)の透かし鉄鍔だ。
画像では伝わらないが、鉄味が結構良い。

そして極めつけはこれだ。

赤銅地金鍍金高彫り沢蟹の図。
パティーナと呼ばれる金錆が出ている。

これらの時代物本歌をすべて超格安価格(うっそ?(◎。◎)みたいな)
で放出してくれた魚屋
(太刀魚専門店)うを新の心意気に感謝する。


友人の差料のうち、新規物は柄前、鮫皮、柄糸、鞘、下げ緒のみとなる。
あとの刀身、ハバキ、縁頭、目貫、しとどめ、切羽はすべて時代物本歌だ。
その惚れ込んだ一刀を相棒として、晴々しい居合を抜いてほしいと願う。


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小林康宏作日本刀の製作について 〜よくお読みください〜

2016年05月15日 | 日本刀



小林康宏作新作刀は
どなたにでもお作りすることはしません


二代目小林康宏の新作刀製作の注文受け付けは、すべて私と刀剣しのぎ
桶川店
新藤店長が刀工康宏からの全権委任で管理をしております。

新作康宏作は作刀希望があればどんな人にも作るというシステムは
採用していません。
私としのぎ店長新藤と康宏の三者が希望者について審査しております。
三者全員合意で審査合格した方のみの注文を受けるようにしています。

製作注文と製作受任という行為は法律行為であり「契約」です。
法律行為である契約は、双方の合意の上に成立します。
従って、いくら作刀希望のお気持ちが強くとも、私どもが審査不合格と
認定した人には作りません。契約が成立しないからです。
新藤に断られ、康宏に断られたからと、刀工と知り合い関係者の人に作刀
して
ほしいと頼んでも、駄目なものは駄目です。
(断られたと認識できていない時点-了解不能-で、三者合意の審査以前にアウトです)

契約は双方合意の上に成り立つので、どんなに自分が一方的に「ほしい
のに何故作ってくれない」と思い込んでも駄目なものは駄目なのです。
例えば、クレジットカードの審査の際に「作りたい。私は客なのに何故
駄目なのか」と言っても、条件をクリアして審査に通らなければカードは
作れません。
また、入社希望の企業の面接試験を受けて不採用となって「どうしても
入社したいのに何故採用しないのか」と一方的に思い込んでも、不採用
は不採用です。
弁護士への案件依頼についても、受任するかしないかは弁護士が決定
するのであり、依頼希望者が決定するのではありません。


繰り返しますが、小林康宏作は希望者どなたにでも作るというシステム
ではありません。
作刀希望者は新作刀受付担当事務局で審査させて
いただいております。
どんなに一方的に希望を述べられても、審査基準を満たさず、審査に
不合格の方にはお作りしません。

製作する物が日本刀という一般商品とは異なる非常に危険性を伴う
物ですので、人選の審査は厳密に行なっております。
なお、審査基準については、クレジットカードの審査や企業採用の審査
基準が非公開であるように、一切非公開です。

以上、宜しくお願いいたします。

併せて、こちらもお読みください → こちら

なお、信号が赤であるのに「青」と脳内で認識して青だと思い込む類の
人には、日本刀という刃の付いた物を作って渡すことはできません。


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あるひとつの日本刀鍔の技法

2016年05月13日 | 日本刀

友人のうを新は、本歌の薩摩鍔は保存しておいて、
それとそっくりの作を鍔工に作ってもらい、差料に
着けている。

これと同じ物、現代工の人が作れないかなぁ。
糸透かしだから無理かなぁ・・・。


糸透かしって、もしかすると、板材に鍛えた段階で切り込みを
入れて糸透かし部分を作ってから両側から打ち寄せて
幅を
狭めたんじゃない?

まず最初に作るところが糸透かし部分で。
それから表面の削り込みと打ちならしで更に成形して、鍔の
外周を丸く
切って、そこに他の透かしを施していったのでは。
でないと、コピー用紙が1枚やっと通るだけの糸透かしという
のは、直接糸ノコ加工では不可能なように思える。
よくわからないけど。

糸透かしの技法も、刀職の失伝事項の一つなんだろうなぁ。


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