ASCII.technologies (アスキードットテクノロジーズ) 2011年 02月号 [雑誌] | |
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2009年のオープンソース・デスクトップを総括しておくか。
だいたいは↑のドッテクに書いたので、そちらをご覧いただきたいのですが。
・日本語入力
1にも2にもなく、Mozcの登場でしょう。先日正式版(1.0)になりました。
これで日本語入力環境が3段飛ばしぐらいでパワーアップしたのは事実ですが、IPADicはDebian的にnon-freeであり、Ubuntuでもmultiverseです。よって、標準の変換エンジンにすることが出来ません。これは、IPADicを他のものにしてもらうのではなく、ライセンスの解釈や、ライセンスそのものを変更する方向で動くのが、みんなを幸せにする方法だと思います。
ってか、IPADicの現在の著作権者は誰なのかがイマイチよくわからないとか(そもそもすごく古いものですし……)、道は険しそうですが。
IBusやIBus-Anthyの開発が進んだこと、ATOK Xの新バージョンは出なかったものの、ATOK X3を継続して使用できるようにアップデートがリリースされたことも、特筆するべきことでしょう。
・印刷
これといって特筆するべきことはありませんが、Ghostscipt 9がリリースされました。とはいえ、今のところ採用しているLinuxディストリビューションはないと思いますが。カラーマネジメントとかが出来るようになったっぽいので、印刷の品質向上が図られるのかもしれません。
CanonもEpsonも、ふつうに最新機種用のドライバを出してくれるようになり、プリンタの選択に頭を悩ませなくなったのはいいことでしょう。
・フォント
IPAフォントが大幅にバージョンアップされました。また、今後もバージョンアップすることが決定しています。名前を変更したTakaoフォントが、Ubuntuのデフォルトフォントになったのも今年です。
おそらく今後もグリフ(文字)が増えることはほぼ間違いなく、メンテナンスが必要なのはいうまでもありません。それでなくても、フォントもメンテナンスは必要です。
むしろIPAが事業仕分けというビジョンなき政治パフォーマンスに翻弄され、必要なことに税金が使われなくなるんじゃないかというのが心配です。
そして、どうしても触れざるを得ないのは、元Sun Microsystems/Justsystemの樋浦秀樹さんが4月に亡くなったことです。
かつてX Window Systemで普通に日本語を入力できるようにしたのも、ATOK X3(というかIIIMF)を使えるのも、Unicodeのおかげで文字コードをあまり意識しなくていいのも、樋浦さん(ほか多くの方)の多大なるご尽力のおかげです。
実際にお会いしたことは1回しかありませんが(テレビ電話なら数度、DMのやりとりもしたことがあります)、これからも活躍の場はいくらでもあったであろうことを考えると、残念無念というほかありません。
湿っぽくなっちゃいましたが、皆様よいお年を。
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