ICT工夫
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別に映画館じゃなくても遊園地、動物園でも博物館、図書館でもいいのですが、元気な人々が利用する施設と病院の利用率は、何を基準に比較したらよいのでしょうか。たまたま産経新聞山梨版の「県立病院改革待ったなし 山梨、不透明な赤字解消策」を読んで思いました。『巨額の赤字を抱える山梨県の基幹病院の経営形態をどう変えるのかに、県内で注目が集まっている。』と始まる記事です。組織形態の変更案が議論されていることを紹介して、『県立中央病院の平成18年度の一般病床利用率は78.1%で、全国の400床以上の病院平均(85.6%)や近隣の静岡総合病院(92.7%)、新潟中央病院(90.9%)を大きく下回り、改革は待ったなしの状況だ。形態変更によって現在は激務となっている医師や看護師の勤務状況を緩和できることも含め、県が県民に向かってどのようにメリットを伝えられるかが重要になってきている。』とのコメントで終わっています。

一般病床利用率が何を意味するものか、私は知りません。仮に300座席ある映画館が240座席しか埋まらない場合、利用率は80%です。昔はいつも満席で立ち見もあったくらいに観客が多かった(そういう時代に私は映画少年でした)が、いろいろな変化があり他の娯楽要素が増えたことで映画を見る人々が減った。しかし映画館で観る映画という表現芸術にひとつの価値がある限り、映画は不滅であり、時には驚くほどの観客動員数を記録しています。

病院の利用率が低下した理由は何か。病院が赤字になる理由はどこにあるか、それは映画館の赤字を考察するのとは基準が違うでしょう。みんなが健康に生活しているから病院の利用率が下がったことは素晴らしいという見方は出来ないなら、一般病床利用率の低下が示す問題を丹念に調べてみる事が必要だと私は思いました、しかし、それは今の私が関心を持つカテゴリーではありません。でもちょっと検索してみたら2008/02/04の市立病院は“存続の危機”!低迷する患者数・病床利用率 (小樽ジャーナル)には、『市立2病院の病床許可数は、2006(平成18)年度7月以前は890床で、以降は868床となっている。病床利用率は、2年続けて50%を切っている状況は、過剰病床となっていることを示している。』というようコメントが書かれている、私にはこちらの方が理解しやすい。『官・民が乱立している小樽』という表現からは市場規模(患者数)に比べて供給が多いということが見て取れるのですが、果たしてどうなのか。
私もお医者さんの世話にならない為にどういう生活をすべきかをいつも考えていますが、不慮の事故もあるし、節制だけではどうにもならない体質とか病気も念頭において、One for All, All for One(一人はみんなの為に、みんなは一人のために) の気持ちで保険制度の意義も考えています。

厚生労働統計が見つかりました。山梨県サイトでは平成19年度山梨県公営企業会計(病院事業会計)の決算概要もあり、医師不足で病床利用率低迷 平均68%(2008年06月02日 山梨日日新聞)記事では、『背景には医師不足により入院患者を受け入れられない実情』とあって、ご自宅でふせっておられて苦労して通院なさっている入院待ちの患者さんが多数おられる山梨県内の状況があるのかとも推測できました。その医師不足状況がもたらす問題は私立や大学病院を含めても同じなのでしょうか。しかしそういう全体が見えるような統計値はまだ見つかりませんが・・・

公立病院について、他の都道府県と比較した山梨の利用率統計にはドクターが足りない状況が如実に反映されているなら、現在の経営形態でドクターが不足することが経営形態の変更で解消できるという分析も見えることが必要だと感じました。さらには、ドクター不足をもたらすのがそういう現在の経営形態なら、公立病院経営を縛っている法制そのものが改訂される必要があり、それは全国にも良い影響をもたらす根本的な解決策ということになります。厚生労働省のサイトからそういう記事が見つかれば読んでみたいと思います。公立病院改革とかいう話にはまず現行法制度の改革があったのでしょうか、それでも不満なら独立行政法人とかの活用もできますよということなのでしょうか、私ははっきり言って厚生労働省の役人発想をほとんど信頼していません。総務省も同じで、 e-Japan に感じたものと同じです、現在のシステムをそのまま温存して新しいものを導入するというのは無駄だという考え方は民間なら当然でしょう、自分自身が無駄であることに気が付き不要になるシステムを考えることです(^o^)

山梨県は長寿県だという話を読んだことを思い出します。それなら県民の病院利用率は低くて当たり前、むしろ隣接近県から山梨の病院は素晴らしいから転地入院して療養したいという人々が増えてくることもあってよい。その為の施策が出てくることも期待しています。横溝正史の転地療養の事を思い出しています。

記事にでてくる統計値だけで全体像を判断できないのは何についても同じです。その統計はどの側面を示しているかを考えて、さらに全体を考えられる多様な統計を確認できないなら、一つの数値に惑わされない思考力を培いたいと私はいつも考えます。ブロードバンド普及率の値などからそれをいつも思います、地デジ移行との整合性はどうするつもりなのさ・・・



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