事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「愛と誠」(2012 角川=東映)

2013-04-16 | 邦画

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YouTube: 映画『愛と誠』 愛の歌唱&ダンスシーン!

お。

太賀誠役の妻夫木聡が、いきなり西城秀樹の「激しい恋」を歌い踊るあたりでは、原作のアナクロさを昭和歌謡で消臭したんだろうな、ぐらいに考えていた。

ところが、早乙女愛役の武井咲が「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌うシーンにはびっくり。だって歌詞に「愛」が出てくるたびに武井は変なポーズをとって間(ま)をとるのだ。

どんなポーズだって?ほら、志村けんのアイーンそのものなんですよ(振付はパパイヤ鈴木)。これ、監督の三池崇史は明らかに狙ってやってます。

この破天荒さは以降も連続し、愛の両親役の市村正親一青窈(わははは)がいかにもなアメリカンハッピーファミリーを演じ上げ、誠に惚れてしまうスケバンのガム子(いつもガム噛んでるから。直球)の安藤サクラにはもはや風格すら。

そしてそして、とにかくすばらしいのが座王権太の伊原剛志!このオヤジに高校生を演じさせようというのがまず泣けるキャスティング。彼は、わたしの世代(1960年生まれ。三池の世代でもある)には必涙ものの「狼少年ケン」のテーマで登場するのだ。そうなんだよおれたちは森永ミルクココアで育ったんだよー。

くりかえしになるけれど、少年マガジンに連載されているころから梶原一騎の原作は時代錯誤もいいところだった。ほんとよ。みんな気づいてはいたの。だからこそ岩清水(齋藤工)の

「きみのためなら死ねる」

という名ゼリフは「1、2の三四郎」であれほどギャグとして有効だったのだ。でもそのアナクロさを嗤うだけではなく、むしろ強化したのがこの作品だ。

だってラストにいたって、なんと三池の出世作「DEAD OR ALIVE」そのものになっちゃうんだよ!この狂いっぷりにはまいった。まいりました。ぜひ。

コメント (2)
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