事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

龍馬伝~第34話「侍、長次郎」

2010-08-22 | テレビ番組

Oizumiyo03 第33話「亀山社中の大仕事」はこちら

前回の視聴率には眼を疑った。13.7%!
ここまでの急降下とは。もはやいま視聴率をとれるのはゲゲゲと池上彰だけかぁ。

第三部は、商売と政治を結びつける経過が描かれ、はっきりとわたしにとっては第二部の息苦しさよりも面白いけどなあ。

さて、そんな今回は、商売を、実利を求めた近藤長次郎(大泉洋)がそのために亀山社中の同志に責められ、結果として自害する経緯が描かれる。

泣かせのキーポイントになるだろうと思われ、実際にラストで泣かせた長次郎の写真を撮ったのは上野彦馬。魂が抜かれると西郷隆盛は死に至るまで一枚も写真を撮っておらず、おかげで実際のルックスは不明なまま。その点、なーんも考えてない、かの有名な龍馬の肖像写真を撮ったのも上野。演じたのはなんとテリー伊藤。なぜ驚くかといえば、日曜8時は大河ドラマの真裏でテリーがしかけた「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の時間帯だからだ。

さまざまな伝説を生んだあの番組(と制作のIVS)において見過ごされがちなのは、BGM選曲のセンス。どう考えてもわたしの世代どストライクの曲をバックに流していたあのセンスは、いまも「ザ・鉄腕DASH!!」で味わうことができます。REOスピードワゴンやアレッシーを聴くことができるのは、もはやIVSの番組だけっす。

龍馬は長次郎の死に関与していないことで無垢なままで視聴者に提供され、あいかわらず後藤象二郎は憎々しい。しかしこのふたりが後に手を組むことを知っていれば、坂本龍馬という人物の複雑さと肝の太さがわかろうというものだが……

ちょっと自信なくなってきたけど今回の視聴率はお盆も終わったので……16%?

第35話「薩長同盟ぜよ」につづく

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史劇を愉しむ~第17章「十戒」The Ten Commandments

2010-08-22 | 洋画

Tencommandments 第16章「アラビアのロレンス」はこちら

旧約聖書の出エジプト記の映画化。ユダヤの歴史を知らない人でも、あの、海が真っ二つに割れる場面だけはおぼえているのでは?

子どものころにテレビの洋画劇場で見たときは、確かにあのシーンにはびっくりしたけれど、それ以上に「うーん、ユダヤ人たちってしょーもねーなぁ」と思ったものでした。

だって「偶像崇拝」をやるなって戒められているそばから変な黄金の牛をつくっちゃうし、「姦淫するな」っていわれているのに……(笑)。

しかしオトナになってわたしも「十戒」を見る眼が変わった。いかにも善人で、同時に宗教者として息苦しくも感じられるモーゼ(チャールトン・ヘストン)よりも、エジプト人に膝を屈し、プライドをかなぐり捨てて享楽的な生活を送る奴隷頭デイサンの方がはるかに魅力的。演じているのがエドワード・G・ロビンソンなのも高得点。

だってそうではないか。わたしが当時のユダヤ人だったら、妙に潔癖な大男にアジられても“目の前に紅海が広がっているのに”ついていくだろうか。

むしろ「このままではエジプト軍に皆殺しにされるか溺れるだけだ。死ぬよりはましだからエジプトに戻ろう」という現実主義者デイサンを支持するだろう。まさかモーゼが(ではなくて神が、なのだが)紅海を割ってみせるなんて想像もできないもんなあ。

さて、この映画はオープニングに監督のセシル・B・デミル御大みずから出演して時代背景を解説している。内容はユダヤユダヤユダヤ……ハリウッドがユダヤ人社会であることを差し引いても、大方のアメリカ人たちはこのスペクタクルを、この長大な“異民族の歴史”を、どう観たのだろうか。

現代のエクソダス(出エジプト)である「栄光への脱出」にはふんだんに仕込まれていた政治性が、デミルの豪華主義によってすっかり薄められているから気にならなかったのかなあ。

第18章「蒼き狼」につづく。

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