事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

わたし怒ってます~阿久根PART18「異動」

2010-08-21 | 公務員

PART17「リコール」はこちら

労組脱退しなければ異動…阿久根・副市長が方針

 鹿児島県阿久根市で、市長の専決処分により副市長に就任した仙波敏郎氏(61)が16日、市課長会で、総務、企画調整、財政の3課の職員を市職員労働組合から脱退させ、応じない職員を異動させる方針を明らかにした。仙波氏によると竹原信一市長も了承している。

 仙波氏は「総務、企画調整、財政の職員はすべて市職労から出ていただく。脱会しなければセクションが変わることを皆さんに徹底して下さい」と訓示。理由について「行政改革の中枢である3課の職員が組合員であれば、情報が組合側に漏れ、改革の妨げになる可能性がある」と説明している。

 市によると、3課の職員数は35人。このうち、市職労(190人)に所属するのは課長ら管理職6人を除く29人。地方公務員法52条は、管理職などを除いて職員団体(労組)の結成や加入を認めている。

 鹿児島大法科大学院の小栗実教授(憲法)の話「地方公務員法は『職員団体の構成員であることを理由に不利益な扱いを受けることはない』と定めており、訓示の内容は違法だ。公務員の団結権を認めた憲法に抵触する可能性もある」

(2010年8月16日 読売新聞)

……鳴り物入りで登場した副市長も、もうなりふりかまっていられないというところか。およそ今までにこんなに無茶で不作法な方針があっただろうか。背景には、リコール運動への牽制があるに違いないし、例によって仮想敵として市職労を掲げることで批判をかわそうとしているのだろう。

 その組織の将来など気にしないとすれば、統治するには分断するのが早道。総務・企画調整・財政の3課こそが中枢であり、改革するにはこの3課があれば十分だとでもいいたげな方針は、職員たちから背を向けられている(テレビ報道で感じられた)現状をひっくり返すために、文字どおり『親衛隊』をつくるのがいちばんだと判断したか。

 警察の腐敗を糾弾した副市長なのに、もはや阿久根市役所を臆面もなく法の埒外に置こうとしている。内心“改革のためには仕方がない”という善なる思いから発した話なのかもしれない。しかしこの方針によって、役所の内部は立ち腐れしてしまう危険性が。いや、それとも市職員たちはもっとクールに“異動をうけいれる”選択をするのだろうか。

PART19「地公法」につづく

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