事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

龍馬伝~第35話「薩長同盟ぜよ」

2010-08-29 | テレビ番組

Kusakaritamiyo03 第34話「侍、長次郎」はこちら

前回の視聴率は16.3%。やっと的中かぁ。にしても、NHKの連続テレビ小説と大河ドラマが視聴率バトルの中心にいるってのはいつ以来だろう。それがいいことなのか悪いことなのかはわからないけれど。

今回はいよいよ薩長同盟実現の回。小松帯刀の館に向かう龍馬に、寺田屋のお登勢(草刈民代)が番傘を差しだし、雪の京都を歩き出す……って任侠映画の高倉健かいっ!お供をする三吉慎蔵(筧利夫)は池部良ってことで。

寺田屋のお登勢とお龍(真木よう子)は、ニッポンの典型的な姑と嫁を体現している。内心では龍馬を独占したがり、しかしそのことを露わにすることができない。女性に庇護される存在としての坂本龍馬、というコンセプトは今回も守られた。

薩長同盟が、実はこのように若い人材(坂本、西郷、木戸)によってなされたあたりは幕末の混迷を物語る。大河ドラマにとっては、重鎮的な俳優をキャスティングできないので幕末ものが視聴率的に苦しいのは必然なのかもしれない。まあ、関係者が存命なので大嘘をつけないってあたりが正解なんでしょうけどね。三菱の諸君、今回は創業者がペラペラしゃべりまくってるぞ、いいのか

キャスティングといえば、なぜ大河ドラマの配役はいつもこんなに豪華なのかについて判明しました。

NHKのテレビ受信契約数が一千万を突破した62年、「日曜日の夜に視聴者を向けさせる、映画にも負けない思いきり派手な時代劇を作れ」と檄を飛ばしたのは芸能局長の長沢泰治であると聞いた。そこから生まれたのが「大河ドラマ」だった。
「テレビ作家たちの50年」日本放送作家協会編より

つまり、まだまだ二流の存在だったテレビにとって、映画界から俳優陣をひっぺがすためのツールが大河ドラマだったというのだ。なるほどー。そして実現したのが「花の生涯」「赤穂浪士」「太閤記」だったのである。NHKの、意地の産物だったわけだ。こりゃあ、出演する俳優にとってもプレッシャーですわね。

今回は、いかにもテレビ的な産物である日テレ24時間テレビが真裏にあるので視聴率的には苦しい。15%弱かな。オンエア直後のニュースでは、民主党代表選にからんで小沢と菅の間を右往左往する鳩山の姿が。こっちのキーパーソンはちょっとなあ。

第36話「寺田屋騒動」につづく
いよいよあのシーンかあ。視聴率のためじゃなく、歴史的必然として真木よう子のフルヌードが大河ドラマ初として実現……するわけないか。

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「MOMENT」「WILL」 本多孝好著 集英社

2010-08-29 | ミステリ

51nryxqtbrl_sx230_ 死ぬ直前の人間の願いをただひとつかなえる“必殺仕事人”の、実ははかなく哀しい仕事を描いた「MOMENT」は、第一期本多孝好ブーム(ほんとうに、そういうものがありました)の代表作。

へらず口だけはいっちょう前なくせに、自分の“仕事”に少しずつ傷ついていく青年(神田)を描いて泣かせたものだった。

森野は、そんな神田を陰でささえた幼なじみ。両親の死によって葬儀屋を継いだ彼女は、武骨なルックスと神田以上の憎まれ口でわたしたちにシンパシーをいだかせてくれた。

7年ぶりの続編「WILL」は、なんと森野を主人公にもってきた。誤解をおそれずにいえば前作が村上春樹調なら今度は宮部みゆき調。ラストの一行で解き明かされる森野の7年越しの秘密には、ちょっとグッと来る。本多の読者サービスの腕が格段にあがっていることがわかる。

恋愛小説としても上質。固定客もついたことだろうし、この調子でがんばってほしい。またしても言わせてもらおう。はたらけ本多

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