事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

恩師

2009-05-08 | 日記・エッセイ・コラム

「あ、死んじゃったんだ」と思った。
でかい学校だと教育委員会からまわってくる訃報すら遠い。
FAXが届いているのを偶然見つける。
わたしが、中学の一年から三年まで担任してくれた人。
72才。

学校の正門前でタバコを吸いながら、なんかいらつく。
なんだこのいらつきは?ととまどいながら、ウチに帰って父親に「○○先生死んだって」と告げる。
父親はPTAの役員などをしていたので彼のことはよく知っている。
「そうか。俺より十歳も若いのにな」

さて、父親にも報告はすんだ。自分の部屋にもどっていつものように芋焼酎を飲み、彼のことを思いだして……
噴き出すように涙が出てきた。

兄が自殺するちょうどその頃、今思えば彼は強い思いでわたしをケアしてくれていたのだ。
体育館の非常口にわたしを連れて行き、

「なんか、あんなんでろ。しゃべれ」

と言ってくれたあの時のことを、わたしは忘れられないでいる。
あのとき、彼に話を聞いてもらっていなかったら、わたしは自分をもっともっと偽るスキルを身につけていただろう。

高校を卒業したあたりで、わたしは彼に呼び出されて喫茶店でしばらく話した。
彼がそのとき、にやけた野郎であるわたしを見つめてどう考えたかはわからない。そのにやけ野郎に彼はびっくりするほどの本音をぶつけてもきたし。

そのときわたしが感じたのは、中学のとき以上に、ああこの人に見守られている、ということだった。
彼にオトナ扱いされるんだ、という驚きこそがわたしを救ってくれたのだとも思っている。
あらゆる意味で、彼は恩師だったのだ。

就職してから、事務的なことを質問する電話がかかってくることがわたしはうれしかったし、その電話が絶えたことを不思議にも思わなかった自分がくやしい。

学生結婚だった奥さんが亡くなって随分たつ。
再会は、いいもんだろや。
バカな教え子は、そう思って自分を慰めている。
明日が、通夜だ。

コメント
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職員室でお菓子を 9皿目~赤福

2009-05-08 | 受験・学校

Akafuku04 8皿目「南国」篇はこちら
今回もレス特集です。

お土産品に一言。
舟和の芋羊羹、あんこ玉……あれは困ります。まず、数が足りないときは、半分に分けたりしなくちゃならないし、個別包装もしてなくて、サランラップやアルミ箔に包まないとくっつくし、更に机上に置くには空き封筒や紙に包まないと生徒に見えるし……ということで、二重の手間がかかります。あれは駄目です。

それをいただいたときは、職員に分けずに、テーブルに置いて「○○先生よりいただきました。自由にどうぞ」と紙に書いてやっていました。でも、さっさと食べないとハエがきたりして大変だし、最後のひとかけらが、いつまでも箱に入っていたりして片づけるのが大変。

あと困るのが大きい羊羹、カステラ、何種類か入った非包装のクッキー缶・煎餅缶・チョコレート缶など。こういうものは、芋羊羹と同様の扱いにしてテーブルに置いておきました。

でも、買ってきた人は、みんなに均等に分けてやらなくて、少し不満みたいでしたが、「そうね」と納得していたようです。
みなさん、赤福、虎屋の練り羊羹・文明堂のカステラを30人分に分けることを考えたら、そういうものは、お土産品には選ばない方がいいです。赤福なんて、あんこが紙にべったりくっつくし……もしかしたら、偽装もあるかもしれないし。(笑)

……わたしの考えが及びませんでしたっ!「おみやげ道」は奥が深い。そうか舟和の芋ようかんは職場へのみやげとしては最低ってことか。いいんです別にわたしの口にだけ入れば。
 それにしても赤福ってそんなにメジャーなお菓子だったのか。わたし、一回も食べたことなかったなあ。

学年会を始めるにあたって学年主任や副主任等担任外が授業から帰ってからバタバタと茶菓の準備をしてるのをみて、大変なら無理しなくてもお茶の準備なんか各自でもいいんじゃないの?とお茶飲みしながらリサ-チすると(自分も含む年代の)若い衆はそれでいいんだけどねーと皆言うのに、それなら、とベテラン格の女性主任に軽く話してみたところ

なんで?お菓子出されて気分よくない人っていないろ?」

と切り返されました。
なんだかもうその通りでございますね、状態。

……はぁ。まったくその通りではございますね(T_T)。
画像はその赤福。ウチの職員室ではわたしだけが食べたことがなかった。偽装問題以前に、どうして普通のあんころ餅が“おみやげ”として機能するんだろう。まあ、それはともかく赤福の味はひたすら絶賛されてます。

次回は「ミスド校長」篇だっ。笑えます。

コメント (2)
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