事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

古畑任三郎を全部観る Vol.28「若旦那の犯罪」

2009-02-28 | テレビ番組

Umenoyasukiyo01 第27話「黒岩博士の恐怖」はこちら

前回がスペシャルだったので、レギュラーとしてのサードシーズンはこの回から開始。犯人は市川染五郎。この天下の二枚目に“古典嫌いだが客にだけはうける落語家”を演じさせている。設定が事件に深く関わっているあたりはうまい。

ミステリの柱としては二本立て。ダイイング・メッセージとアリバイトリック。“陰気くさいがネタづくりは一流”の兄弟子は、なぜ殺されたときに煮干しを握っていたか。落語の素養がある人ならニヤリと笑ったことと思う。

しかしアリバイトリックの方はしんどい。師匠と1対1の稽古に身代わりをたて(しかも被害者が加害者の代わりになる)、それがばれないと期待するのは、いかに師匠が“目がいけなくなっている”とはいえいかがなものだろう。

おまけに、今度は加害者が被害者の代わりに老人ホームの慰問にでかけ、それもばれないと予測するあたり、若旦那というより与太郎の犯罪に近い。まあ、兄弟子と市川染五郎がそっくりだとしたらこんなツッコミも有効だが、演じているのがモロ師岡(役名がタカダワタルなのが笑える)なのでギャグとしては十分に機能しています(^o^)。

さて、ミステリとして弱いときはセリフでカバーなのはサードシーズンもいっしょ。梅野泰靖が演ずる師匠、気楽亭有楽が古畑に実に味のあるセリフを。

「噺家ってのは……どっかバカなとこがなきゃねぇ。」

「あせりのねぇ芸人なんて、いねえんですよ。あたしだってさあ、いつも寝汗かいてます。近ごらぁ、これに寝しょんべんまで……あ、これ笑いどころね。」

つまり、今回は三谷幸喜のお気に入りである梅野泰靖の魅力爆発の回だったのだ。落語家を演じた三人が、いずれも本職ではなかったあたり、配役も芸になっている。

第29話「その男、多忙につき」につづく。

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今月の名言 09年2月号政治篇「中川くんのこと」

2009-02-28 | ニュース

Nakagawashoichi01 芸能篇はこちら

「すごい風邪薬もあったもんだ」

中川昭一(前)金融大臣の会見を見た自民党実力者の発言。一連の酔っぱらい醜態報道は、同行の記者もいっしょだったこともあってか遠慮しているのが見え見え。あんなものデロデロになるまでゴックンしていたに違いないし、バチカン博物館では展示物に馬乗りにまでなったというではないか。だいたい、大量に風邪薬を服用していたってのはヤク中だと誤解されてもしかたがない(佐藤優の指摘)。

重要と思われるポイントはいくつかある。

・記者会見であれほどの状態なら、たとえばロシアとの会談ではちゃんとしていたのか。

・同行していた財務省職員がなぜ会見への出席をとめなかったのか。

・ご乱行は今回海外メディアもいたから大々的に報道されたが、国内では(すでに報じられているもの以外に)もっとたーくさんあったのではないか。

……中川といえば、わたしの世代にとっては父親の一郎もなじみ深い。青嵐会を石原慎太郎などと組織して、数的に微少だったからこそタカ派的言辞を過激にくり広げていたことをおぼえている。そんな一郎が自殺し(たことになっている)、跡目を鈴木宗男と争わなければならなかった昭一は、政界というものに大きな屈託と野心をかかえていることと思う。その野心と、エリートコースを歩んだプライドが合体し、おまけにジュニアとして道内の支持者に庇護されてきた過去が、こんな政治家を生んでしまった。

 しかしわたしもアル中だから言える。この男は内心、常に不安をかかえておびえていたのだろう。憶病だから、酒を飲んでしまうのだ。

「大事な仕事の前は飲まないようにしている」

まさか。大事な仕事の前だから飲んでしまうのがアル中というものなのだ。NHKの慰安婦問題などで、常に他者を攻撃することでしか自分を保てないでいたのは同じような出自の安倍晋三と同様。財務省が彼へのケアをサボタージュした気持ちはよくわかる。上司として、まず最低の部類だろう。

 さて、一郎の死が自殺だとしたら“自殺者の家族”である昭一はこう考えているはず。「こんなケリのつけ方もあるわけだ」と。わたしは、今日あの男が首をくくったとしても驚かない。それとも、今夜も飲酒という形で緩慢な自殺を図っているだろうか。

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