はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

週刊少年誌原作の深夜アニメについて

2007-09-16 15:35:06 | マンガ・アニメ
 昨日のエントリを読み返すと、年寄りの「昔はよかった」的な考えが前面に出ており、少々恥ずかしい。しかし、現在のテレビアニメ事情についての私の思いが現れている内容なので、あえてこのままにしておく。


 さて、昨日の話とも関連するが、最近はジャンプ・マガジン・サンデーなど週刊少年誌の連載漫画ですら、深夜枠でアニメ化される例が増えてきている。ジャンプなら「DEATHNOTE」「武装錬金」「BLACK CAT」「いちご100%」、マガジンは「魔法先生ネギま!」「涼風」「OverDrive」、サンデーは「美鳥の日々」「PROJECT ARMS」「史上最強の弟子 ケンイチ」など。

 これらの作品は、掲載雑誌の主な読者が視聴しづらい時間に放映しているわけで、製作側はアニメ版の視聴者層をどう考えて作っているのか、不思議に思ってしまう。今や、子供にとっても深夜アニメの視聴は特別な事ではなくなっているのだろうか。まあ、子供に限らず、録画視聴なら放映時間帯は関係ないのだが。
 しかし、深夜アニメは放映地域が限られてしまう作品が多いので、地元で放映されないためにアニメ版を観られず、涙をのんでいる原作読者も多いのではないだろうか。マニア向け雑誌ならともかく、メジャーな週刊少年誌では発行部数に比例して掲載作品のファンもかなりの数になるはずで、それを考えると深夜枠での放映は好ましくない。


 と、ここまでは「週刊少年誌漫画原作作品の深夜放送反対」の流れで書いてきたが、原作の持ち味を活かしてアニメ化するためには、19時台や朝の放送では難しい作品もある。
 昔から、漫画→アニメ化の過程において、テレビにおける表現規制の都合で原作の設定を一部変えてしまい、原作の持ち味が薄れてたり、登場人物の性格が変わってしまうような例がいくつかあった。こういった規制は、視聴者数の多い19時台において一番顕著だ。
 加えて、深夜枠であっても関東キー局で放映される作品は、比較的強めの規制がかけられている。中でもテレ東の規制は有名だが、他局でも例えばTBSは深夜枠ですら「血」の描写を避けるなど、かなり過敏に規制している感がある。
 現状、地上波放送で一番規制がゆるいのは、いわゆる「U局深夜アニメ」として放映される作品だろう。

 だから、現在放映中のマガジン作品「さよなら絶望先生」「ケンコー全裸系水泳部 ウミショー」がU局アニメとなったは、正解だったと思う。
 仮に「絶望先生」をテレ東でやったとしたら、間違いなく第1話冒頭の首吊りから規制の対象になっていたと思われる(テレ東では自殺ネタ規制の前例あり)。そうすると、当然「死んだらどうする!」の場面もなくなるわけで、下手をすると糸色望の性格すら原作とは変わっていたかも知れない。
 「ウミショー」も、原作の売りの一つである、あっけらかんとした裸や下着姿の描写は、キー局では難しかっただろう。何しろ、OPのラストカットで豪快なパンモロが描かれているくらいだ。そう言った描写を全て省いたとしら、やはり原作とは別物になっていたと思う。本作の場合、そもそも、静岡さんの存在自体でキー局での放映はアウトになりそうな気もするが。

 この2作品を毎週楽しみに観ている身としては、「U局アニメでよかった」と思わざるを得ない。放映開始前は、マガジン作品までがU局送りになって、どんどんマイナー路線を進むのかと危惧したが、作品の出来を重視してのU局放映なら納得できる。
 ただ、2作品とも放映地域がかなり限られており、その点ではやはり問題だと言わざるを得ない。U局アニメに限らず、最近のマガジン作品は「ツバサ・クロニクル」以外には、まともに地上波で全国放送された例はなく、せいぜいテレ東系6局での放映がいいところだ。やはり、マガジンはマイナー路線を進んで行くのだろうか。


 結局の所、単純に娯楽としてアニメを観る立場としては、面白い作品になるのなら週刊少年誌原作ものでも、作品内容によっては深夜放送になっても構わないと思っている。
 ただ、何度も繰り返すが、放映地域の少なさだけは何とかすべきだ。NHK並みは無理としても、せめて全国人口の8割くらいは地上波でカバーできるくらいにしないと、原作ファンすらろくに観られない。

 また、U局アニメは規制がゆるいと書いたが、昨今は「もえたん」のように放映局独自の判断で規制がかけられる例もあり、「U局アニメだから大丈夫」と言う状況ではない。「U局アニメ」と言っても、地域によっては独立U局でない局で放映される例も多く、テレビ大阪とテレビ愛知の放映状況を比べると、とても同じテレ東系列の局とは思えない。
 今回の話の本筋ではないのでこの辺にしておくが、U局アニメの表現規制については、機会があればもっと突っ込んで考察・検証してみたい。


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