藤子不二雄A先生追悼で氷見へ

 5月3日、急に思いたって藤子不二雄A先生の出身地である富山県氷見市に行ってきた。

 この日に、特に氷見で何かイベントがあったわけではない。しかし、何となくいてもたってもいられない気分だったのだ。
 藤子不二雄A先生が亡くなられて、今の氷見はどうなっているのか、それを自分の目で確かめたいという気持ちが強かった。そのため氷見に行くには、ゴールデンウィークで連休になるこの時期をおいて他にないと、そう思ったのだ。

 当日、8時40分大阪発の特急サンダーバードに乗って出発し、金沢で新幹線つるぎに乗り換えて、11時41分に新高岡に着いた。大阪からでだいたい3時間で着くことになる。
 ただし、まだ新高岡であって氷見ではない。新高岡から氷見に行くために、いくつかのルートが考えられたが、今回は氷見市内まで行くバスを選択した。このバスに揺られること約1時間で、ようやく「氷見中央」バス停までたどり着いたのだった。自宅を出たのが7時40分くらいなので、結局氷見に着くまでに5時間かかったことになる。近いようで遠い地だ。

 氷見に着いたら、時間が時間なのでまずは昼食をとろうと思ったが、氷見の中心部であっても意外とやっている店はあまり多くない。
 最初は、以前に行ったことのある海鮮丼の店に行こうと思ったのだが、いざ行ってみると満員で店外にも待ちの人が多数で受付を終了しており、待つことすらできなかった。まあ、行ったのが13時少し前なので、仕方がないところか。
 その後、氷見漁港の食堂に行くも、ここも、受付終了。そうなると、もう他に思いつかなかったので、ちょっと歩いたところにある道の駅に設置されている「ひみ番屋街」まで行って、フードコートで食事を取った。

 食事をして落ち着いた後は、氷見市内の藤子不二雄A先生ゆかりの地を巡った。
 昨年氷見を訪れたときの記事にも書いたが、氷見では「藤子不二雄Aまんがワールド」として藤子A先生のキャラにまつわるスポットが多数設置されている。それを今回も回ったし、光禅寺にも行った。
 特筆すべきは氷見潮風ギャラリーで、なんと入場希望者が多数訪れているため、入場規制をしていたのだ。ここには何度か来ているが、こんなことは初めてだ。やはり、潮風ギャラリーで藤子A先生を偲びたいという人が、私の他にも多くいたのだろう。実際、県外から来ている人がどれくらいいたのかはわからないが。
 なお、私が見た限りでは、潮風ギャラリーの展示に特段の変化はなく、昨年訪れたときとほぼ同じだった。夏には富山新聞に連載されていた「記者A」と連動して藤子A先生の記者時代に関する展示が予定されているとのことなので、それに合わせてA先生が亡くなられたことについても触れられるのではないだろうか。
 なお、潮風ギャラリーでは「記者A」のスクラップブックも用意されており、全88回の連載を読むことができるようになっていた。実際には、藤子A先生とほぼ関係ない回も多いので、88回分を全て読む必要はないような気もするが、とにかく「記者A」を読みたいのであれば、氷見潮風ギャラリーに行くといいだろう。

 そうして市内の藤子A先生関連スポットを回っていると、いつの間にか夕方になっていた。
 とりあえず、氷見駅まで行ってJR氷見線に乗り高岡まで戻ったが、すでに夕方であるので特に行くような場所もない。時間に余裕があれば藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーにでもいくところだが、あいにく閉館間近の時間だった。
 とは言え、まだホテルに行くには時間が早い。結局、バスに乗って以前にも行ったことのある高岡市内のブックオフに行ってしまった。ここでは、数冊の本を購入。それはいいが、高岡駅前まで帰るバスがなくて、30分くらい歩く羽目になった。道がわかりやすかったのはよかったが。
 高岡駅まで歩く途中には、藤子両先生が本を買っていたことで有名だった文苑堂書店高岡駅前店があった。この店は3年前にすでに閉店してしまっているが、まだ店の看板も当時のまま残っている状況で、後に入る店もないという駅前商店街の厳しい状況を垣間見てしまった。

 とにもかくにも、高岡駅前まで戻り、あいの風とやま鉄道で富山市に向かった。
 実は、今回の旅行を思い立ったのが遅かったため、氷見や高岡のホテルが全く空いておらず、富山市のホテルにせざるを得なかったのだ。富山市までは鉄道で約20分なので、そんなに遠いというわけではないが、微妙に面倒なのは言うまでもない。
 昨年は6月末に氷見・高岡を訪れたので全く問題なく宿が取れたが、今回は連休中なのを甘く見ていたようだ。

 こうして氷見での一日は終わったが、翌日は高岡市立中央図書館で『ドラえもん』の初出データを調査した。
 この図書館にあるのは、あくまで「初出誌のコピー」ではあるが、カラー掲載の作品はカラーでコピーされており、ほぼ「初出誌に準ずるもの」として調べる価値はある。なお、『てれびくん』『小学二年生』の付録掲載作品については初出の付録が入手できなかったらしく、コロコロコミック再録からのコピーで間に合わせているのはちょっと残念。やはり、付録の入手は難しいのだなあ。

 今回、氷見に行ったことで、何となく気分が少しスッキリしたような気はする。
 もちろん、藤子A先生が亡くなられたことは今でも悲しいのだが、氷見の様子を自分で見たことで、少し気分が整理できたような、そんな感じだ。
 次に氷見・高岡に行くのがいつになるかはわからないが、次は楽しいイベント絡みだったらいいなあ。久しぶりに、藤子ファン仲間と一緒での氷見・高岡旅行もしてみたい。
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