「ひだまりスケッチ×365」DVD第1巻発売

 9月24日、「ひだまりスケッチ×365」のDVD第1巻が発売された。CBCでは遅れているのでピンとこないが、TBSで観ていた人にとっては本放送終了直前ギリギリでの発売と言う事になるのか。


 とりあえず、オーディオコメンタリー付きで一通り観てみたが、4:3サイドカットと16:9フル画面とでは画面から受ける印象がかなり違う。左右をぶった切られた地上波版ではわかりにくいが、フルで観ると明らかに16:9で観られる事を前提にした構図になっていることが見て取れる。
 「ひだまり」の場合はDVDを買ったから16:9で観る事が出来たが、ここ数年のTBS製作アニメで、地上波で観たっきりの作品も多い。そのような作品群も、もしはじめから16:9で観ていたら、印象が変わったのだろうか。まあ、今さら観返す気になれないタイトルも結構多いが。


 しかし、「ひだまり」のオーディオコメンタリーは、相変わらずグダグダだ。五人いて二人しか発言せず、後の三人は画面に集中して見入っているとか、どこにコメンタリーの意味があるのかと突っ込みたくなってしまうが、それも「ひだまり」らしくて面白い。
 それに、第1話はうめてんてーが参加しているお陰もあって、うめてんてーのアニメへの関与の度合いがある程度わかるなど、案外コメンタリーらしい制作裏話もちゃんと入っている。その分、レギュラー4人だけのコメンタリーだった第2話は、グダグダ度が増していた気もするが。

 また、今回は1期と比べると限定版各巻の特典に力が入れられている感じで、1巻にはドラマCDが付属している。内容は、TBSアニメフェスタでもネタにしていた「やまぶき戦隊ヒダマリン」で、アニメフェスタの公開アフレコはこのドラマCDのさわり部分だった事がわかった。
 「ヒダマリン」はネタ・ギャグ満載だったが、ドラマCDにはもう1本「11月4日 文化祭の準備」と題した話も入っており、こちらは文化祭の「未完成」の絵を、後から完成させるまでの後日談的エピソード。原作・アニメ共に描かれていなかった話であり、文化祭エピソードのいい補完になったと思う。

 今回、2巻以降も限定版は特典DVDや「ひだまりカルタ」など色々付く予定なので楽しみだが、逆に通常版はオーディオコメンタリーすら入らないシンプルな作りになっている。価格が1,000円しか違わない事を考えると、わざわざ通常版を選ぶ人がいるのか甚だ疑問だ。多分、レンタル版は通常版がベースでコメンタリーなしになるのだろう。


 さて、DVD第1巻は発売されたが、CBCでは現時点であと3回も放送が残っている。
 MBSですら最後は2話連続で放映して9月中に終わらせたというのに、CBCは3週遅れのまま。まあ、ここは「あと3回も残っている」と、前向きに考えた方がいいか。それに、今後はDVDで16:9版を観る楽しみもある。
 でも、「ひだまり」1期の時は8日遅れだったことを考えると、徐々にTBS製作アニメの扱いが悪くなっている感じで気になってしまう。MBSのように来年回しの作品が出ないだけ、まだマシだが。
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「宇宙魔神 ダイケンゴー」#01-02 感想

・宇宙魔神 ダイケンゴー 第1話「あらくれ星雲児」
(脚本/鳥海尽三、演出/八尋 旭、作画監督/田辺由憲)
・宇宙魔神 ダイケンゴー 第2話「孤独の星武者」
(脚本/陶山 智・山村一郎、演出/古川順康、作画監督/小泉謙三)



「広い銀河の果てまでも、悪を叩いて流れ星。行く手を阻むか宇宙の地獄。怒れ、正義のダイケンゴー!」


 納谷悟朗によるOPナレーションが格好いい「宇宙魔神ダイケンゴー」が、今週よりCSの東映チャンネルで始まった。8月まで放映していた「とびだせ!マシーン飛竜」ともども、「東映アニメ主題歌大全集」第2巻ででOP・EDを観てからずっと気になっていた作品だったので、今回の放送は嬉しい。


 この「宇宙魔神ダイケンゴー」は、タツノコプロを退社した鳥海尽三、陶山 智、酒井あきよしの三人が設立した「鳥プロダクション」のテレビアニメ第1作にして、最終作になってしまった作品。つまり、鳥プロが制作したテレビアニメは、これ一作しかない。
 中心メンバーがタツノコ出身者だったためか、スタッフは監督の八尋 旭(案納正美)、メカニックデザインの大河原邦男、キャラ設定の高橋資祐、井口忠一や美術監督の中村光毅など、タツノコと縁の深い人が多い。

 だから、さぞかしタツノコっぽい作品なんだろうと想像していたのだが、実際に観てみると、さほどタツノコ的な雰囲気は感じなかった。そもそも、主人公が「星の王子様」だという設定からして、タツノコが作りそうな感じではない。
 タツノコ作品との類似を挙げるとしたら、前述のOPナレーションから「新造人間キャシャーン」のOPナレーションを連想させられる点くらいだろうか。「キャシャーン」の有名すぎるOPナレーションも鳥海尽三氏が手がけたものだし、声も同じ納谷悟朗とあってはイメージが被る。重い感じの「キャシャーン」と比べると、「ダイケンゴー」のOPナレーションは明るいが。


 さて、本編第1話・第2話の感想だが、色々と意表を突かれる展開が多くて、今後どんな方向に話が進んでいくのか大いに期待させられた。導入としてはなかなかよかったと思う。
 主人公の王子が星から星へと旅を続ける話だと言う事で、「最強ロボ ダイオージャ」のような1話完結の勧善懲悪物を想像していたが、どうやら連続したストーリーになりそうだし、和平の妨げだと父王から暗殺指令が出されており、お気楽な漫遊記にはなりそうもない。第2話で早くも、味方であるはずのエンペリアス軍から攻撃される展開で次回への引きとなっており、主人公・ライガーの今後が非常に気になる。
 ロボットアニメのキモの一つである戦闘シーンは、第1話・第2話では敵のメカが弱いせいで、あっさりしすぎてあまり印象に残らなかった。こちらは、今後に期待したい。

 登場人物で気になったのは、敵の「ロボレオン」。EDアニメでライガーに大きく立ちはだかっている絵があったせいで大ボスだと思っていたが、実際には単なる下っ端の司令官だった。
 第1話ではライガーの兄・ザムソンを(卑怯な手段ではあるが)あっさり殺しており、さらにダイケンゴーを敵に回しての戦いが厄介と見るとすぐに和平交渉を申し込むなど、第1話では知略に長けた将と言う印象を受けただけに、第2話で上官らしい女性にペコペコしている姿は実に情けなく見えた。
 このロボレオン、一人称が「ロボ」なのはどうなんだろう。貴族の「麿」みたいなものなのだろうか。


 あと、本作では、当時声優初挑戦だった堀江美都子の演技に注目していたが、それほど悪くはなかった。もちろん、後に主役を張った作品群と比べるとたどたどしさはあったが、声の演技としては一定の水準に達していると思う。
 まあ、「ひどかったらしい」と噂で聞いて、かなりの覚悟をしていたので、「思ったよりは良かった」という感じを受けたのかも知れないが。

 ミッチと言えば、本作のOP主題歌「宇宙魔神ダイケンゴーの歌」は非常に燃える名曲だ。サビの盛り上がりは最高。この歌に限らず、「ボルテスVのうた」「ダルタニアスの歌」と、堀江美都子+小林亜星のロボットアニメ主題歌は名曲揃いなので、このコンビでもっとたくさんの曲を生み出して欲しかったものだ。


 なお、ここまであえて触れてこなかったが、この作品、作画はどちらかというとショボい。鳥プロが制作母体を持たず、実際の作画はグリーンボックスが担当しているので、致し方のないところか。「とびだせ!マシーン飛竜」と違って作画監督がいるので、絵に統一感がある分だけこちらの方がマシに見える。
 それにしても、第1話原画の「大 剣吾」(=ダイケンゴー)とは、一体何者なんだ。

 ともかく、なかなか面白くなりそうな出だしなので、今後が楽しみだ。
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藤本先生13回忌と「T・Pぼん」新刊

 1996年9月23日から、今日で満12年。
 藤子・F・不二雄こと藤本弘先生が亡くなられてから、ついに干支が一周してしまった。自分の藤子ファンとしての、この12年間を思い返すと、本当に色々な事があった。


 以前にも一度書いたのだが、私が熱心にファンとして活動し始めたのは、藤本先生が亡くなられてからであり、インターネットを本格的に利用し始めた頃で、ネット上でのファン活動が非常に刺激的だった。
 それから12年間のファン活動は、多くの藤子ファン仲間やまだ見ぬ作品との出会いなど、私にとって多くのものをもたらしてくれた。

 ただ、本当にどうしようもない事なのだが、藤本先生の作品を楽しみ、また作品を通じて多くのメッセージを受け取ったという事を、藤本先生ご自身にお会いして話す機会は、今後永久にあり得ない。藤子ファンとしての活動で、一つ心残りがあるとすれば、この事だ。
 せめて、生前にファンレターを出していればと思いもするが、こればかりは今更どうにもならない。残された映像で藤本先生のお姿を見ると、余計に残念に思えてくる。本当に、一度でいいからお姿を拝見したかった。


 しかし、藤本先生ご本人は亡くなっても、作品は残っていく。
 現状では、「ドラえもん」以外は手軽には読みにくくなっているので、「T・Pぼん スペシャル版」の刊行開始は喜ばしい。小学館以外からのF作品の刊行が極端に少なくなっているだけに、「T・Pぼん」の生まれ故郷である潮出版社から新たな編集で出された事には、大きな意義がある。これで、単行本未収録5編を完全収録してくれれば言う事なかったのだが。
 未収録分は初出誌のコピーを持っているのだが、いつか単行本で読みたいと思っていたので、2編が漏れたのは残念だ。

 今回も未収録となった「ひすい珠の謎」「王妃ネフェルティティ」の2編は、私が読んだ限りでは話の内容や表現に危ないところはない。と、なると問題は原稿の方だろう。「王妃ネフェルティティ」は、以前に「まんだらけ」の目録でコマの断片が出品されており、なおかつ私の知人がそれを入手したので実物を見せていただいた事がある。
 つまり、あくまで私の推測なのだが、単行本化のための描き足し作業で不要になったコマが流出してまんだらけに出たが、描き足し自体は完成に至っておらず、不完全な状態の原稿しか存在しないのではないだろうか。それならそれで、初出版を雑誌から復刻してほしかったが。
 また、こうなると今回単行本初収録となる3編に描き足し作業が行われているのかどうかも気になる。藤本先生の生前に描き足しが完成していたのか、それとも全くの手つかずで初出原稿が現存していて、それをそのまま収録するのか。前者だとしたら、ある意味では未発表原稿が世に出る事になる。いずれにせよ、第3巻の発売が楽しみだ。

 それにしても、第1巻の巻末に載っている「T・Pぼん年表」や「タイムトラベルの軌跡」のページを見ていると、藤子不二雄ランドを連想してしまう。「T・Pぼん」では似たような企画ページがあったと思って確認してみたら、FFランドでは「『T・Pぼん』歴史夜話」なる各話の時代背景解説が付いていた。もしや、今回の「スペシャル版」も、FFランドと同じくメモリーバンクが関わっているのだろうか。


 さて、先に「小学館以外からのF作品の刊行が極端に少なくなっている」と書いたが、今年に限って言えば、小学館からもほとんど出ていない。
 特に、「ぴっかぴかコミックス」は2月の「ドラえもん」18巻を最後に全く出ておらず、今後の動向が気になる。カラーや未収録が豊富で貴重なシリーズだっただけに、このままフェードアウトだけはしないで欲しいものだ。
 現状では、藤本先生の単行本出版はほとんど小学館頼りにならざるを得ないので、これからも「ドラえもん プラス」や「ぴっかぴかコミックス」のような好企画がある事を期待したい。いくら先生の作品は残っていくと言っても、誰もが気軽に読める状況ではなければ、せっかくの名作群がもったいない。
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ハットリくんのふるさと・伊賀探訪

 昨日、日帰りで三重県伊賀市に行ってきた。
 せっかくの三連休だから出かけてきたのだが、なぜ上野市だったかと言うと、先月のような遠出は疲れるので日帰りで行ける場所で、しかも普通の観光にプラスして自分の趣味的に興味が持てる土地がないかと考えて、「忍者ハットリくん」の主人公・ハットリカンゾウの生まれ故郷・伊賀市(旧・上野市ほか)に決めたというわけだ。

 伊賀には以前、「藤子不二雄ファンはここにいる」のkoikesanさんも行かれていたので、今回の日帰り旅行計画を立てるにあたっては、該当エントリを参考にさせていただいた。


 私は今回、鉄道を利用したのだが、名古屋から伊賀市への行くにはJR関西本線で伊賀上野駅まで行き、さらに伊賀鉄道に乗り換えて「上野市」駅で降りると、観光スポットの集まる上野公園がすぐ近くだ。
 スムースに行けば名古屋から約2時間で伊賀上野駅に着くのだが、私はミスをして約1時間をムダにしてしまった。ダイヤの都合で最初からJRではなく、まず名古屋から近鉄に乗って、近鉄富田駅で降りてJR富田駅に乗り換える経路にしたのだが、近鉄とJRの両富田駅が地図で予想していたよりも離れており、紙一重の差で乗り換えに間に合わなかったのだ。
 それでも、今回は近場への旅行だったので、乗り換えミスをしても気楽でいられた。これが、遠出した先で最終電車を逃したなんて場合だったら、洒落にならなかっただろう。いずれにせよ、旅のアクシデントは後から振り返ると、かえって思い出深いものだ。

 そんな訳で、予定より約1時間遅れて、伊賀上野駅に到着した。
 前日に、koikesanさんの真似をして「忍者ハットリくん」原作&映画の「ニンニンふるさと大作戦」を久しぶりに観ておいたのだが、伊賀上野駅はほぼ映画に出てきたものと同じで、「あの作品の舞台に来たんだなあ」と嬉しくなった。現実と映画で異なる部分が、あえて映画で変えたものなのか、それとも映画製作から25年以上の時を経て変わってしまったのかは、わからない。




映画と現実の伊賀上野駅前



 伊賀上野駅から後のルートは原作と映画で異なり、原作では近鉄伊賀線(現・伊賀鉄道)で上野市駅まで行き、上野城や忍者屋敷に立ち寄った後にハットリくんの故郷・伊賀にんぽう谷を訪れているが、映画では伊賀上野駅前から「伊賀山里」行きバスに乗っている。
 今回は伊賀鉄道に乗ったので、原作ルートを取った事になる。もっとも、「伊賀山里」行きのバスに乗りたくても、現実には存在しないのだが。
 伊賀鉄道では、噂に聞いていた松本零士デザインの電車に遭遇。前面と側面の両方に松本顔の美女(?)忍者が描かれているのだが、特に前面から見ると目が強調されていて、いきなり視界に入ったらかなり怖そうだ。




恐怖の(?)松本零士デザイン電車




 上野市駅に着いたあとは、松尾芭蕉生家・上野城・伊賀流忍者博物館などを回った。自分にとっては珍しいくらいに、まともな観光ルートだ。これらの観光スポットに限らず、駅前の通りのいくつかは昔からの佇まいを残しており、歩いていて落ち着いた心地よい気分になった。

 これらの訪れた場所の中でも、藤子ファン的に特筆しておくべきなのは、やはり伊賀流忍者博物館だろう。
 忍者に関するさまざまな展示があるのはもちろんだが、他にも、くの一装束のお姉さんによる忍者屋敷の解説や忍者実演ショー(今回は時間の都合でパス)などがあり、盛りだくさんの内容だった。
 忍者の歴史についての解説もあり、中でも伊賀と甲賀の関係について書かれた部分が興味深かった。「忍者ハットリくん」を読んで、伊賀と甲賀はライバル同士で仲が悪いと昔から信じていたが、実際には元々同一の起源を持ち、交流もあって仲が悪いわけではなかったとの事。恥ずかしながら、これまで知らなかった。「ハットリくん」の影響、恐るべし。
 言われてみれば「ハットリくん」の原作でも、「伊賀・甲賀・呪い賀忍法大作戦!」ではケムマキの祖父がハットリくんを「孫の友人」として扱っていて、別に伊賀者=敵とは見ていなかった。あれは、別にA先生の気まぐれでライバル関係の設定が変わったわけではなく、単にハットリくんとケムマキの二人がライバル同士だと思い込んでいただけだったのか。

 また、koikesanさんのブログでも触れられていたが、忍者博物館内の「SHINOBI学問所」コーナーでは忍者関係の書物がたくさん集められていた。しかし、昨日はタイミング悪く「整理中」でコーナー自体が休止になっていた。
 そのため、本は読めず書棚を眺めるしかできなかったのだが、まともな忍者の本に混じって、と学会の日本トンデモ本大賞に選ばれた「忍者のラビリンス」まで置いてあったのには笑ってしまった。


 それにしても、伊賀は地理的にも面白い土地だ。
 三重県に属してはいるが、京都府・滋賀県・奈良県と接しており、距離的にも交通アクセスの便からも名古屋より大阪が近く、実際に大阪方面に通勤している人も多い。東海三県に含まれているが、かなり関西寄りなのだ。実際、言葉はほぼ完全に関西弁だ。一口に関西弁と言っても地域によってかなり異なるが、ここでは関西人以外の人がイメージしがちな、いわゆる「典型的な関西弁」の事だとお考えいただきたい。
 それに、コンビニや書店を見るとテレビ雑誌は東海版より関西版の方が多いし、アンテナも生駒山向けに立てている家が多かった。伊勢湾に面した四日市や津などと比べると、とても同じ県とは思えない。思わず、実際の距離よりも遠くに来たような気になって、その点ではお得(?)な日帰りだった。
 往路の時間ロスもあってちょっと帰りが慌ただしくなったが、楽しい一日だった。



 あと、映画の「ニンニンふるさと大作戦」を観ようしてあらためて気が付いたのだが、この作品がDVD化されていないのは実に不思議だ。これだけではなく「怪物くん」も「プロゴルファー猿」も同様で、A先生原作のシンエイ藤子アニメ劇場版は全くDVD化されていない。テレビシリーズはともかく映画は結構マイナーな作品までDVDになっているF先生原作作品とは対照的だ。
 私は、以前にテレ朝チャンネルで放映された時に録画していたのでそれを観たが、現状では「ハットリくん」の映画を観るには、CS放送で捕獲するか、またはVHSビデオを置いているレンタル店を探すしかない。後者は、今後どんどん難しくなっていくだろう。
 テレビシリーズを含めても、A作品のアニメは中途半端な収録内容の「忍者ハットリくん」DVD-BOXくらいしか出ておらず、DVD時代以降のソフト化が非常にお寒い状況だ。はっきり言って「ニンニンふるさと大作戦」は原作より映画の方がはるかに完成度が高くて面白い作品なので、現状で気軽に観られなくなっているのは実にもったいない。

 気軽な日帰り旅行の事を書いていたはずなのに、最後にこういう方面に話が行ってしまうのは、我ながらちょっとどうかと思う。もっと、自重しよう。
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東海地区深夜アニメ・夏の混乱

 毎週のようにどこかへ出かけていた8月も終わり、もう9月だ。
 今年の夏を振り返ると、深夜アニメの休止や時間変更がやたらと多くて、それらに振り回されてしまった。


 その原因は、自然災害と北京オリンピックの二つで、災害時の緊急報道と五輪の中継延長で放映時間変更や休止が相次いだ。もちろん、アニメに限らず深夜番組全般が影響を受けたのは言うまでもないが、なぜか放映時間変更や休止になるような事態は、東海地区で深夜アニメが集中する水・木曜深夜に頻発しており、特にアニメファンにとっては困った事だった。

 以下、具体的にどのような影響があったかを、発生順に振り返ってみる。



・7/23(水):岩手県で震度6の地震が発生
○CBC「イタズラなKiss」→放送事故を繰り返しながら放送したが結局翌週に再放送
「鉄腕バーディ DECODE」「To LOVEる」→地震特番で休止
○名古屋テレビ「セキレイ」→地震特番で休止
○中京テレビ「RD 潜脳捜査室」「乃木坂春香の秘密」→地震特番で休止

※テレビ愛知の3作品は通常通り放映


・8/13(水)
○中京テレビ「乃木坂春香の秘密」→五輪中継延長のため休止


・8/14(木)
○CBC
「マクロスFRONTIER」→五輪中継延長のため95分遅れで28時5分(4時5分)より放映
「ひだまりスケッチ×365」→五輪中継延長のため休止


・8/21(水)
○テレビ愛知「スレイヤーズREVORUTION」→五輪男子バレーボール中継を見越して休止(実際には中継無し)
○中京テレビ「乃木坂春香の秘密」→五輪中継延長のため休止


・8/28(木):関東・東海地区に集中豪雨
○東海テレビ・CBC・テレビ愛知の深夜アニメ7本全てが豪雨情報を伝えるL字画面で放映



 以上のように、特に「放映休止」と言う形での影響が大きかった。
 この中では、3回も休止になった「乃木坂春香の秘密」が一番悲惨だった。ただ、中京テレビは遅れを放置しない方針を取っており、2話連続放送を3回行った事で現在は放映開始当初と同じく最速局から6日遅れに戻っている。
 放映状況をまとめてみると、

 ・7/16 第1話
 ・7/23 休止
 ・7/31 第2話
 ・8/7 第3・4話
 ・8/14 休止
 ・8/21 休止
 ・8/28 第5・6話
 ・9/3 第7・8話
 ・9/10 第9話

と、なる。
 始まったと思ったら翌週いきなり休止になり、3・4話連続放映で遅れを取り戻したら、その後2週続けて休止になるなど、運が悪すぎる。
 第2話休止分の連続放映は翌週ではなく、第2話放映中に告知した上で更にその翌週に行っていたが、8月14日・21日の連続休止で余裕が無くなったらしく、28日はいきなり2話連続放映になっている。さすがに28日以降に休止はなく、9月10日放映分でようやく第1話以来久々にまともな枠で遅れもなく放映された。あとは、何事もなく最終話まで放映される事を祈りたい。

 ただ、少々無理な編成ではあるが、遅れを拡大させない中京テレビの姿勢は評価できる。なにしろ、中京テレビ以外で代替放映を行ったのは、テレビ愛知8月21日休止分の「スレイヤーズREVORUTION」のみ。これは突然の休止ではなかったのだから、振り替えができて当然だ。突発的に休止になった残りの番組は、今も遅れが広がったままだ。
 現状でわかる範囲では、CBC「イタズラなKiss」は9月24日を最終回スペシャルとして2話連続放映で帳尻を合わせる予定になっている。「To LOVEる」は現在TBSから27日遅れだが、後番組の「CLANNAD ~AFTER STORY~」は20日遅れでの開始と発表されているので、どこかで1話分の遅れを取り戻すのだろう。「鉄腕バーディー DECODE」は、後番組の「かんなぎ」が10月15日開始なので遅れはそのまま放置のようだ。「ひだまりスケッチ×365」の対応は、今のところ不明。おそらく後番組になる「夜桜四重奏」の開始日がわかれば推測できるのだが。
 また、名古屋テレビ「セキレイ」も、アニメ誌各誌10月号によると10月1日までの放映となっているので、遅れを縮める予定は無さそうだ。


 この夏の深夜番組の混乱を体験して思ったが、中京テレビやテレビ愛知はいいとして、CBCはもう少し柔軟な対応が出来なかったのだろうか。特に「イタズラなKiss」はせっかくの自社製作なのだから、放送事故の翌週に2話連続放送を行って欲しかった。
 まあ、北京五輪が終わるまでは、代替放映を組んでもそれが無事に放映できない危険性もあったわけで、実際に中京テレビが被害を被ってしまったが、五輪が終わって9月に入っても休止分の代替放映を行わないとは、ちょっとCBCはやる気が無さすぎるのではないか。
 10月からCBCは更に深夜アニメが増えるだけに、今後も今回のような事が起きやしないかと不安にならずにはいられない。



(追記)

 「夜桜四重奏」は、こちらの記事でCBCは10月23日開始予定と判明した。つまり、「ひだまりスケッチ×365」も、このまま遅れを取り戻す予定は無いようだ。
 それにしても、「夜桜四重奏」の放映予定はCBCの3週遅れよりもMBSの1クール遅れの方が驚きだ。最近はMBSも深夜アニメをそれほど遅らせなくなったと思っていたら、これだ。「アニメシャワー」では自社作品再放送枠を潰してまで新作を放送するようだが、それでも週に7本で限界だったと言う事か。
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Animelo Summer Live 2008 -Challenge-(8/30)感想

 8月30日は、この夏最後の遠征として、さいたまスーパーアリーナで開催された「Animelo Summer Live 2008 -Challenge-」の一日目に行ってきた。
 埼玉県にまで足を伸ばしたのは昨年の「涼宮ハルヒの激奏」以来だったが、名古屋から東京までが新幹線で1時間40分で着いてしまうだけに、東京から電車で30分ちょっとの現地までの時間が、かえって長く感じてしまう。

 いつの間にか、当日から一週間以上も経ってしまったので、すでに少し記憶がぼやけて来ているが、全体としては楽しめて満足できた一日だった。
 なにしろ、歌だけで4時間近くもの長さのイベントは初めてだったので、最後まで体力とテンションが持続するかどうかちょっと不安だったのだが、知っている曲が多く、また2,3曲でアーティストが入れ替わるのでそれぞれ雰囲気も異なり、ダレる事もなく最後まで楽しめた。


 今回、聴けて特に嬉しかった曲を挙げておくと、


 ・石田耀子「STRIKE WITCHES ~わたしにできること~」(「ストライクウィッチーズ」OP)
 ・CooRie「センチメンタル」(「美鳥の日々」OP)
 ・savage genius「想いを奏でて」(「うた∽かた」OP)
 ・栗林みな実「Shining☆Days」(「舞-HiME」OP)
 ・ALI PROJECT「コトダマ」(「シゴフミ」OP)


 このあたりは、特によかった。CDでどれだけいい音が出ても、生歌の迫力はまた格別だ。もっとも、ストパンはCDの音もよくないけど(OPはまだマシだが)。
 後は、瞬間最大風速的盛り上がりとして、可憐Gir'ls「Over The Future」(「絶対可憐チルドレン」OP)も外せない。他に持ち歌がないから当然とは言え、一曲だけしか歌っていないせいでかえってインパクトが強かった。歌以外で喋ったのは「可憐Gir'lsです、ありがとうございました」だけだったからなあ。

 また、ライブの醍醐味も言うべきコラボレーションも、単独ライブならあり得ない組み合わせが面白かった。奥井雅美+茅原実里の「輪舞-revolution」(「少女革命ウテナ」OP)や、水樹奈々+宝野アリカの「ETERNAL BLAZE」(「魔法少女リリカルなのはA's」OP)は迫力十分。
 savage genius+茅原実里+yozuca*の「nowhere」は、意外性があった。ここでヤンマーニが来るとは予想できない。この三人で、名付けて「ヤンマーニガールズ」だそうだが、ガールと言うには年齢が…いや、何でもない。
 意外性と言えば、冒頭からいきなり水樹奈々+田村ゆかりで「恋せよ女の子」「アノネ~まみむめ☆もがちょ」のメドレーがあったのは驚いた。「恋せよ女の子」はいいとして、「まみむめ☆もがちょ」は水樹奈々のファン以外、何人が分かる曲だったのか。私もこれは「売り出し初めた頃の水樹奈々が主題歌を歌っていた、朝早くやっていたアニメ」と、かすかに覚えている程度だった。曲自体はノリがいいから十分に盛り上がっていたが。

 曲間のMCは、はじめて生でご本人を見た、ALI PROJECTのアリカ様のインパクトが強かった。
 歌声からキツそうな声を想像していたが、地声は柔らかくて可愛らしい感じで、ちょっと意外だった。ご本人によると「私は歳を取らない魔女」だそうなので、今後のご活躍にも期待したい。

 あと、熱心なファンの多い人が出てくると、会場の盛り上がり方があからさまに激しくなっていたのは、端から見ていて面白かった。ウルトラオレンジの数も段違いに増えて、わかりやすい。ALI PROJECTの時だけはオレンジでなくウルトラレッドがたくさん光っていたのも印象的だった。


 アニメを色々と見ていると、いかにもタイアップな曲がOPやEDに使われていて辟易とさせられる事も最近は多いが、今回のライブを聴いていて、まだアニメソングも捨てた物じゃないと感じた。
 ここ数年のアニソンにも、しっかり作品の世界観やイメージを踏まえて作られた正真正銘の「主題歌」はたくさんあるし、だからこのようなライブが毎年成り立っているのだろう。単にアーティストと曲に人気があるだけでアニメに関係のない曲ばかりが演奏されていたら、こんなには盛り上がらないのではなかったかと思う。

 実は、今回のライブは最初から強い興味があった訳ではなく、たまたま公式サイトにたどり着いたらチケット先行予約の受付中で、「そう言えば、毎年やっているんだったな。この面子なら試しに申し込んでおくか」と軽い気持ちで申し込んだら、抽選にあたったと言う次第。
 偶然の巡り合わせだった訳だが、二日分のメンバーを見て「どちらかと言えば、30日の方に行きたい」と思っていたら都合よく30日が当たったのだから、今思えば運がよかった。

 来年はどうするかはまだわからないが、日程とメンバー次第ではまた行ってみたいと思う。
 ちなみに、新幹線の最終に間に合わないので帰りは夜行バスになったが、朝6時に自宅に帰ってそのまま14時半まで眠ってしまった。ほぼ一日分の睡眠をやり直しているのだから、バス内ではいかに眠りが浅いかがよくわかる。
 今回は時間的にやむを得なかったが、やはり余計に疲れるので、出来るだけ夜行で帰るのは避けたい。
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