『スーパーサラリーマン 左江内氏』感想

※ドラマ『スーパーサラリーマン 左江内氏』の内容に触れています


 昨日、藤子・F・不二雄作品『中年スーパーマン左江内氏』を原作としたドラマ『スーパーサラリーマン 左江内氏』が、最終回を迎えた。

 思えば、藤子不二雄両先生の作品は、いままでアニメ化のみならず、何度もドラマ化されてきた。それらを振り返ってみると、


 『エスパー魔美』(連続ドラマ)→一応、全話完走。原作とは「超能力」の解釈が大きく違っていた点に引っかかったのを覚えている。後半のストーリーはほとんど記憶にない。原作から大きくかけ離れていたことだけは覚えている。

 「キテレツ」(単発ドラマ)→特番の一回きりだったこともあって、無難にまとめたなという印象。コロ助役が初代アニメ版の小山茉美さんだった点は好印象。オチは、「帰ってきたドラえもん」を連想した。

 『笑ゥせぇるすまん』(連続ドラマ)→全話完走。原作ありきの作品だったので、ストレス無く観ることが出来た。ただ、1時間枠だったために、どうしても間延びする印象は否めなかったが。伊東四朗の喪黒は、アニメ版を意識していた節もあり。

 『怪物くん』(連続ドラマ)→1話のみ視聴して脱落。怪物くんのキャラクターがあまりにも原作の印象とかけ離れていて、ダメだった。あれはミスキャストだろう。

 「未来ドロボウ」(単発ドラマ。『世にも奇妙な物語』枠内で放映)→主人公の年齢が上がっていたが、基本的には原作通り。これも、無難にまとめた感じか。



 と、言った感じ。上記以外にも藤子ドラマはあるが、観ていないのでここでは触れない。「山寺グラフティ」のドラマ版「逢いたい」なんかは、結構原作に忠実だと聞くので観てみたいのだが、関西ローカルのドラマでソフト化もされていないとあっては、どうしようもない。『夢カメラ』あたりは、今観るとどうなんだろうな。

 さて、それでは今回の『左江内氏』はどうだったか。

 正直言って、最初の方は相当に強い違和感を持って観ていた。左江内氏の「責任を取りたくない」という性格付けや、鬼嫁など家族のキャラ付け、小池刑事などドラマ独自の設定が原作からかけ離れているように感じて、また本筋のストーリーもオリジナルのものばかりで、これなら別に『左江内氏』ではなくてもいいのではないかと思ったためだ。

 しかし、中盤以降は基本的に楽しんで観ることが出来た。
 私が福田雄一監督の独特の演出に慣れたというのもあるだろうし、コピーロボットを登場させたりと言ったF作品を意識したお遊びがあったり、原作をモチーフとしたストーリーが展開されるようになってきて、藤子・F・不二雄作品のドラマ化としての意義が見出せるようになってきた事も大きかったと思う。
 今挙げたほかにも、悪人のスーパーマン化や、左江内氏以外のスーパーウーマン(女性なので「スーパーさん」を意識しているのか?)を登場させるなどの展開は、面白く感じた。

 最終回では、原作と違ってパーやんは登場しなかったが、その代わりにバードマンをモチーフにしたと思われる「キャプテンマン」が登場して、忘却光線ネタを絡めつつ、それまでの伏線が回収された。
 正直なところ、パーやんは出さないだろうなとは思っていたが、それでもパーマンっぽい人を出してくれたことは素直に嬉しい。それにしても、役者の顔がでかいせいもあるのだろうが、実写でパーマン(っぽい)マスクを被ると、非常にマヌケに見えると言うことをあらためて確認できた。
 最後には、原作でも触れられたスーパーマンの条件が挙げられて、ある意味では原作1話につなげる感じで終了。まあ、きれいにまとまったと思う。

 このドラマに不満があるとすれば、前半は色々と雑な部分が目に付いた点だろうか。特に、第1話で左江内氏がスーパーマンになっているところをテレビ中継されていたのにはびっくりした。
 F作品では『T・Pぼん』でも触れられていたが、いくら忘却光線があっても映像として残ってしまってはどうしようもないはずで、それで押し通すなら押し通すで、何らかの説明が欲しかったところだ。そういう細かい設定の部分のきまりごとをしっかり守るのが藤子・Fテイストだと思うのだが、その点については無頓着な部分が観られたのは残念だった。そういう所も含めての、福田監督の作風だったのかもしれないが。


 とは言え、2017年と言うこの年に『中年スーパーマン左江内氏』がドラマ化された意義は大きい。
 原作は新しい単行本が出て脚光が当たった。『ドラえもん』だけでなく、藤子・F・不二雄作品は他にも色々とあるのだということが、少しでも多くの人に伝わったとしたら、非常に嬉しい。それだけでなく、地上波テレビのゴールデンタイムで堂々と『左江内氏』が放送されているというのは、観ていて妙に可笑しいというか、愉快なことだった。
 と、言うわけで、このドラマを観てよかったと思う。4月からはアニメ『笑ゥせぇるすまんNEW』がスタート。こちらも、楽しみだ。2~3月に放映されたインド版『忍者ハットリくん』第4期も含めて、藤子作品の映像化という点で今年は非常に恵まれた年になりそうだ。
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藤子不二雄ランド 全301巻 完集!!

 長年、一冊一冊と集めてきた「世界初の週刊漫画全集」こと藤子不二雄ランドを、とうとう全301巻揃えることが出来た。
 先日、NU上映会で東京に行った際に、まんだらけ渋谷店で購入した『新編集 オバケのQ太郎』第13巻が、最後の一冊になる。

 ちなみに、私が最初に買った藤子不二雄ランドは、忘れもしない中学生の時、家の近所の古書店「小林書店」(既に閉店)で購入した『少年SF短篇1 宇宙人』だった。それから、約27年くらい経っただろうか。ようやく、全巻が揃ったのだ。



全巻揃っての記念写真




私にとっての最初と最後の巻


 あらためて揃えてみると、やはり301巻というのは半端じゃない数だ。
 長い間にこれだけたくさんの作品を描かれてきた藤子不二雄両先生は偉大だと言うことを、今回の藤子不二雄ランド完集を機に、あらためて思い知らされた。

 藤子不二雄ランドが揃ったと言っても、まだまだ持っていない藤子単行本はたくさんある。
 あまり高価なものはなかなか手が出ないが、自分の可能な範囲で、これからも藤子本は集めていきたい。

 ともかく、今回のことが自分にとっての一つの区切りであることは間違いない。本当に、長かったなあ。
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第12回NU藤子アニメ上映会に参加

 2月11日に東京で開催された、藤子不二雄ファンクラブ「ネオ・ユートピア」(NU)の第12回藤子アニメ上映会に参加してきた。

 前回は2014年秋に行われたので2年半ぶりの開催となったが、今回はNUの30周年を記念しており、実際にこの会が発足したのが2月11日だったので、ちょうど記念の日の開催となったのだった。
 ちなみに、私自身は藤子・F・不二雄先生が亡くなられた後に入会したので、会員歴は20年くらいか。それでも、会の歴史の3分の2は付き合っていることになる。






 写真は、会場で展示されていたNUのこれまでの会誌。これを見るだけでも、長い歴史が感じられる。

 ところで、最近は色々な藤子アニメのソフト化が続き、「珍しい映像」のハードルがかなり上がっていると思う。なにしろ、あの『ジャングル黒べえ』ですらDVD化されてしまったのだから。昔なら、上映会の目玉になっていたタイトルだ。
 そんな中で、「珍しい」と思える映像を発掘してこられるNUスタッフの皆さんの努力には、頭が下がる思いだ。今回も、十分に珍しい映像の数々を観て、大いに楽しむことが出来た。

 どこまで内容について書いていいかが判断付かないので、ぼかした書き方になるが、上映作品の中で非常に藤子不二雄A先生のタッチを忠実に再現したアニメがあった。制作年代を考えると、驚異的と言ってもいいくらいだ。あれが、もし実際に放映されていたら、藤子アニメの歴史も変わったのではないかと思わされるような作画だった。
 どうやら、藤子A先生ご自身も関わったことをお忘れだったらしいが、このような貴重な映像がまだ存在したこと自体が驚きだ。何しろ、事前のアナウンスではラインナップに上がっていなかった作品なのだ。こうなると、あとは幻の藤子アニメ『フータくん』の発掘が待たれるところだ。次回の上映会あたりで、本当に流れたりして。いや、まさかね。

 それ以外に、藤子不二雄両先生が出演された貴重な番組も紹介されたが、一緒に出演されていた楳図かずお先生とまことちゃん(声・杉山佳寿子)のキャラのインパクトが強すぎたせいで、肝心の藤子先生の印象が薄くなると言う妙な番組だった。一応、藤子先生と楳図先生それぞれに見せ場があったはずなのに、実に不思議だ。それだけ、楳図先生のインパクトは大きかったのだ。これも、番組自体は非常に貴重な映像だと思います。

 と、いった感じで、他にも色々な映像を見ることが出来たが、どれも貴重なものだった。繰り返しになるが、このようなタイトルを用意するのは大変だったと思う。本当に、ありがとうございます。


 上映会の後は、2次会(懇親会)も行われた。会場に集まった数十人がみんな藤子ファンと言う夢のような空間。誰とでも話が通じるのだからすばらしい。おなじみの方はもちろん、初めてお会いした方や久しぶりにお会いした方ともたくさんお話しすることが出来て、非常に楽しい時間だった。

 この2次会では、NUの作成した問題による「ドラえもんクイズ」も行われて、これに私も参加したのだが、結果は準優勝。決勝(3ポイント先取で優勝)でリーチをかけながら、優勝は別の方にさらわれてしまったので、ちょっと悔しい。
 問題は、よく練られた難問揃いだったが、個人的にはキャラ名を当てる問題で「太山三限」、ではなく「犬山三郎」を答えられなかったのが残念だ。もっとも、この問題は唯一の正解者なしだったので、みんなダメだったのだが。「犬山太郎」と答えそうになったのは回避したのだが、肝心の「三郎」が出てこなかった。

 といった感じで、「藤子不二雄」の縁で集まった人たちとの、藤子づくしの非常に楽しい一日だった。企画してくださったNUスタッフの皆さん、そして参加された会員の皆さん、本当にありがとうございした。
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アニメ『モジャ公』を振り返る【補遺編】

 前回、「アニメ『モジャ公』を振り返る」というエントリを書いたが、そのときに書き切れなかった事が結構あるので、今回はそれらの書き残したネタについて、触れておきたい。


 まずは、テレビ愛知における放映形態について。
 『モジャ公』は、テレビ東京系のネットで放映されたが、そのうち同時ネットだったのはテレビ愛知を除く5局であり、テレビ愛知のみ平日18時30分の時間帯にアニメ再放送枠「まんがのくに」を設置していた関係で、遅れネットとなっていた。
 その、遅れネットの時間帯は土曜19時。ゴールデンタイムであり、テレビ朝日系の『美少女戦士セーラームーンSuperS』の裏だ。テレビ愛知は、視聴者層が被らないと判断したのだろうか。とにかく、遅れネットの割にはいい枠での放送だったのだ。ただし、他局から18日遅れだったが。

 これだけなら、ただ単にテレビ愛知だけが違う時間帯で放映していたに過ぎないのだが、実際にはそれだけではない。
 テレビ愛知の土曜19時枠というのは、たびたび特番でつぶれる時間帯だったのだ。つぶれた場合はどうなったか。昔『桃太郎伝説』や『機甲警察メタルジャック』を放映していた頃は、春休みなどの平日午前中の時間帯に休止分をまとめてやっていたのだが、なにしろ『モジャ公』は、最初から18日遅れなのだ。これ以上、さらに遅れを広げる訳にはいかないと判断されたのか、休止時は同日6時30分の枠に振り替え放映という事になったのだ。
 念のため言っておくと、18時30分ではない。朝の6時30分だ。おそらく、同じ土曜日に他に適当な枠がなかったのだろうが、これはなかなかにひどい。「今日『モジャ公』はないのかな」と昼間に気がついた時には、もう手遅れなのだ。一応、前週の本編最後に「時間を変更してお送りします」とテロップは出るが、それだけなので観逃す可能性は高かっただろう。今数えてみたら、6時30分の枠で放映されたのは、6回もあった。
 さらに、冬休みには朝7時30分からの特別枠で2話連続放送も行われており、最初の2クール25話のうち、土曜19時で放映されたのは17回と言う事になる。

 3クール目に入ったところでテレビ愛知は「まんがのくに」枠を廃止したため、第26話からはテレビ愛知も同時ネットされる事になったが、その半年後にはまたもや月曜19時に移動になるのだから、テレビ愛知で『モジャ公』を観ていた人にとっては、「よく時間帯の変わるアニメ」という印象がある事だろう。われながら、これでよく全話録画できたものだと感心せざるを得ない。


 もう一つは、作品内容に関わる重要な事だ。シリーズ構成・寺田憲史氏の加入に伴って作品の路線変更が行われた件について、その証拠と言えるものがあるので、取り上げておきたい。
 それはすなわち、モナシスさんの扱いだ。原作読者には説明の要はないと思うが、モナ=モナシスさんと言えば、原作(加筆版)ラストで空夫たちを導く役目のある、重要なキャラクター。アニメ版の初代オープニングでも、大きな扱い(モジャ公を抱きしめてキスする)で登場しており、原作同様に重要キャラになると思われた。

 そのモナシスさんのアニメでの最初の出番は、第21話「ちょっとポッドでお買いもの」。これは、原作「さよなら411ボル」のアニメ化であり、モナさんの出番も原作に準じるものとなっている。つまり、この時点では、そんなに大した役どころではない。なお、声は林原めぐみが務めている。林原さんの藤子ヒロインと言えば、『チンプイ』の春日エリ以来であり、スタッフの力の入れようがうかがえる。モジャ公の弟、モジャルと二役ではあったが。
 さらには、前回も触れたキャラクターソング・アルバムに、モナシスさんのテーマ「セントエルモの火」も収録されているのだ。モナさん以外のキャラソンは、レギュラー・キャラクターのものばかりであり、この点でも重要なキャラクターであった事をうかがわせる。
 ちなみに、他のキャラソンはキャラの声優本人が歌っているのだが、モナさんのテーマだけはコロムビアの歌手である石田よう子(当時)さんの歌唱。林原さんはキングレコードに所属しているから、コロムビアのアルバムで歌う事はできなかったのだろう。

 そんなモナさんに、再度の登場が期待されたが、結論から言うと第21話がアニメ版では最初で最後の出番であり、その後アニメ版にモナさんが登場する事はなかった。3・4クールの2代目オープニングにもモナさんは出ていたが、他の宇宙人と一緒にその他大勢という感じに格下げされており、露骨に路線変更が行われた事がわかるものだった。

 もし、開始当初のように監督のえんどうてつや氏が3クール目以降もシリーズ構成を務めていれば、宇宙での冒険が続いてモナさんの出番ももっとあったのではないだろうか。「月刊アニメージュ」1996年12月号の藤子・F・不二雄先生追悼特集に掲載されたえんどう監督のコメントでも、原作の話を1本しかやれなかった事を残念がっていたので、大いにあり得る事だと思う。
 徹底的に子ども向けに設定が変更されたアニメ版『モジャ公』では、スタッフにその気があってもどれだけ原作の話をやれたか怪しいものだが、それでも『21エモン』ですでにやってしまっている「アステロイド・ラリー」「ナイナイ星のかたきうち」を別にしても、「うまそうな三人」「天国よいとこ」「不死身のダンボコ」あたりは、何とかなりそうな気もする。「さよなら411ボル」は結末が改悪されていたので、他に原作ものがあったとしても同様になった可能性も高いが。
 それでも、路線変更は残念な事であった。


 と言った具合に、二題ほどアニメ版『モジャ公』について、前回書き残した事を書いた。
 今になって振り返ってみれば、頻繁な放映時間帯の移動で、観るのに苦労はさせられたが、それだけに忘れられない作品になっているのは確かだ。作品の出来は、別にして。
 よくも悪くも、アニメ版『モジャ公』には、振り回されたと言える。
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アニメ『モジャ公』を振り返る

 先日、テレビアニメ版『モジャ公』を、全話観終わった。

 そもそも、『モジャ公』は1995~1997年に放映されていた作品で、私は当初本放送で観ていたのだが、放映2年目に時間帯が月曜19時に移った。そうなると、同じ時間帯の『ガンバリスト!駿』と重なる事になり、当時録画用のビデオが一台しかなかったので、『モジャ公』は録画して、放送では『ガンバリスト!駿』を観るようにしたのだ。
 それから、あっという間に20年が経ってしまった。その間、「いつか観よう」と思いつつ、『モジャ公』の録画は放置したままだった。いつしか、録画メディアはVHSビデオからDVD、さらにはBDに変わってしまった。現在、『モジャ公』の録画は、VHSからHDDレコーダーを介してPCに移したものを、BD-Rに焼いて保存してある。BD-R3枚に全74話が入ってしまうのだから、VHSカセットと比べるとコンパクトになったものだ。

 少々、話がそれてしまったが、『モジャ公』が月曜19時に移ってから20年の今年、ふと「残していた『モジャ公』を全話観よう」と思い立った。
 理由は特にないが、強いて言えば、全話観てから作品を総括してみたくなったから、だろうか。つまり、今書いているこの文章の事だ。やはり、ある作品について語るのであれば、最低でも一回は全話通して観るべきだろう。
 と、言うわけで、めでたく全話を観終えたので、アニメ版『モジャ公』とは何だったのかをここでまとめてみようと思う。念のため言っておくが、私は原作漫画『モジャ公』の大ファンであり、その事は以前、『モジャ公』が藤子・F・不二雄大全集で出た時に、このブログでも書いている。
 そんなわけで、あくまでこの文章は、原作ファンが見たアニメ版『モジャ公』の感想から書かれたものであり、『モジャ公』をアニメでしか知らず、アニメ版が大好きという人がこれ以降の文章を読むと、気分を害されるかもしれない。その点、ご注意ください。


 まず、何から触れたものだろうか。
 とりあえず、アニメ版『モジャ公』とはどんな作品だったのか、大まかに3期に分けて説明しておこう。



(1)コスモストーン編(1~25話):モジャ公とドンモの二人が、宇宙からやってきて空夫と友だちになった。宇宙船のビーグル号を修理するためには「コスモストーン」が必要だという。三人は、ビーグル号のポッドで宇宙に出て、色々な星でコスモストーンを探すのだった。

(2)地球居候編(26~50話):無事に修理が完了したビーグル号が、空夫の家へと引っ越してきた。モジャ公とドンモは空夫の家に住みつき、地球で様々な騒動を起こす。そして、彼らの元に、色々な宇宙人もやってくるのだった。

(3)マハラダモジャ編(51~74話):モジャ公の故郷・モジャモジャ星から、ライバルのモモンジャがやってきた。モジャ公とモモンジャは、「マハラダモジャの宇宙一のお宝」を探して、地球や宇宙で対決を繰り広げるのだった。



 このような感じで、ナナシノゴンベ号で宇宙をさすらう原作とは全く違った内容のアニメ版が、全74話にわたって放映された。
 内容から、アニメ版は上記の全3期に分けられるが、なかでも第1期は毎回色々な宇宙の星に出かけている点で、比較的原作に近い雰囲気を持っており、実際この時期に1話だけ原作をベースにした話も制作されている(第21話「ちょっとポッドでお買いもの」/原作「さよなら411ボル」)。
 ただし、主題であるコスモストーン探しは、あからさまに『タイムボカンシリーズ』などの「もの探し要素」を連想させるものであり、二番煎じの感は否めなかった。

 作品に変化が起きるのは、第2期に入ってからだ。シリーズ構成が監督のえんどうてつや氏から寺田憲史氏に交代となり、モジャ公たちが空夫の家に居候するという、『ドラえもん』『オバケのQ太郎』などの藤子作品に代表される「定住型」の作品へと変わり、さらには毎回色々な宇宙人がやってくるという点では『チンプイ』や『21エモン』などの要素を取り入れており、ある意味非常に贅沢な作品になったと言えるだろう。放浪型の主人公が巻き起こす騒動が面白かった原作とは完全に別物であるが。
 第2期は、第1期のコスモストーン探しのような決まったテーマはなく、完全に1話完結で毎回色々なドタバタが繰り広げられたが、やはり作品を引っ張るものが欲しいとスタッフが思ったのか、第3期は「マハラダモジャの宇宙一の宝」を探すストーリーとなった。これに合わせて、モジャ公のライバル・モモンジャが登場して、基本的にはモモンジャが毎回お宝を求めて騒動を起こすという展開となったが、シリーズ中には、別にお宝がらみにしなくてもよさそうな題材まで、無理矢理毎回お宝と絡めて話が展開されたので、視聴者目線ではモモンジャが余計な要素に思えたものだった。

 ちなみに、最後に明かされた「宇宙一の宝」の正体とは、「友情」だった。さすがは『キン肉マン』や『ザ・ドラえもんズ』シリーズの脚本を手がけた寺田氏と言うべきか。正直言って、お宝探しが始まった時点で、「もしや、さいごは『宝とは友情パワーの事でした』で締める気じゃないだろうな」と思っていたのだが、まったくそのまんまとは予想していなかったので、最終話を観て「ちょっとはひねってくれ」と思わずにはいられなかった。


 ここまで、アニメ版のストーリーについて述べてきたが、観ていて最も残念だったのは、各エピソードが面白くなかったことだ。はっきり言って、アニメ版『モジャ公』への不満は、これに尽きる。
 原作とアニメがどれだけ違っていようが、アニメはアニメで面白ければ、それはそれで楽しめるのだ。だが、『モジャ公』は、そうではなかった。
 アニメ版『モジャ公』第1話・第2話の脚本は、藤子・F・不二雄先生が自ら手がけている(えんどうてつや監督と共同)。それだけ、藤子先生も力を入れていた事がうかがえるし、コスモストーン探しやみきちゃんのヒロイン化、SFクラブの設定などは、先生ご自身が作られたものなのだろう。しかし、その第1話・第2話も、あまり面白くはない。

 さらに、アニメ版で最大の問題作と勝手に認定しているのが、第17話「空夫、家出します!」だ。このサブタイトルを聞いた時は、ようやく空夫が家出して、原作と同じような展開になるのかと期待してしまったのだが、なんとこれは「家出を否定する話」だったのだ。いわば、ある意味で原作そのものの否定とも言える。正直、ここで観るのをやめようかと思ってしまった。
 結局、視聴を中断せずに一年間観続けたのだが、なぜそうしたのかはよく覚えていない。一度は「あの『モジャ公』のアニメ化だ」と期待した作品の
行く末を見届けたい気持ちがあったのかもしれない。結局、時間帯が変わってからは録画するだけで20年間も寝かせてしまったのだが。

 このアニメ版『モジャ公』、ネットで探しても原作ファンの感想がほとんど見つからなかった(もしあったら、教えてください)。想像するに、原作ファンであって期待して観た人も、早々に視聴を中断してしまったのではなかろうか。だから、今回自分で書いたのだが、改めて振り返ると、残念な作品だったと言わざるを得ない。


 それでは、アニメ版『モジャ公』は、全くダメな作品だったのだろうか。いや、そうは思わない。
 第13話「クルクル回る禁断の星」は、自転速度4.8時間と言う極端に早く回る星を舞台にしたエピソードで、ちゃんとSFとしてきっちりとした設定のあるストーリー。個人的には、アニメ版のベストエピソードに選んでもいいと思っている。ちなみに、脚本は大倉らいた氏で、演出は現・テレビ版『ドラえもん』監督の善聡一郎氏。

 また、アニメ版『モジャ公』の残したものとして、キャラクターソングの数々を挙げておきたい。モジャ公や空夫、ドンモ、それにピテカンたちエスパーズなどの曲が、「モジャ公 キャラクター・ソング・コレクション モジャコンサート」として、CDが発売されている。これがなかなかの名曲揃いで、作曲家も本編音楽の若草恵氏をはじめとして、小林亜星氏、池毅氏、つのごうじ氏などの豪華メンバーが参加している。このキャラソンアルバムを生み出しただけでも、アニメ版『モジャ公』の存在意義はあると言っていい。


 最後になるが、個人的には原作に忠実な展開を描いたアニメ版も、観てみたかった。夕方の時間帯で子ども向けでは難しかったのかもしれないが、今なら深夜アニメという形で実現できるのではないか。全13話・1クールでちょうど原作がおさまりそうな気がする。一度目のアニメ化がダメで、リメイクした作品というのもいくつか例があるのだから、不可能ではないはずだ。ほんとうに、どこかの誰かが企画してくれないものだろうか。

 と、言うわけで、今回のエントリを終わる。
 アニメ版『モジャ公』を観た事のない人は、ぜひ自分の目で観て判断してください…と言いたいところなのだが、残念ながら『モジャ公』はまだ全話のDVD化が実現していない。どこかで再放送されない限り、観る機会がないのだ。まあ、機会があったら観てみてください。
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Fミュージアム展示室IIで原画を撮影

 9月24日のロコドルフェスタに続き、翌25日は約1年ぶりに藤子・F・不二雄ミュージアムを訪れた。
 展示室IIの展示企画は見たいものが多くて、本当はもっと頻繁に行きたいところなのだが、なかなかミュージアムだけのために上京するというのも時間的・予算的につらいところがあるので、どうしても何かで上京したときに、ついでにミュージアムに行くと言う形をとることが多い。


 そんなわけで、久しぶりのミュージアム。現在の展示室IIは、5周年特別企画「ドラえもん名作原画展」だ。
 個人的には、ミュージアム以外でも藤子・F・不二雄展など、色々な機会で原画が展示されることの多い『ドラえもん』よりは、それ以外の作品をもっと積極的に展示して欲しいという気持ちはあるが、それはそれとして、『ドラえもん』でも、いままで展示されていないエピソードの原画が見られるとなれば、興味深いところではある。

 しかも、今回は5周年記念の特別企画として、展示室IIのみ原画の写真撮影が解禁されていた。これは、写真を撮らない手はない。

 と、言うわけで、いくつか面白いと思った原画を撮影してきた。





 一つ目は、「アパートの木」より。ドラえもんとのび太を切り貼りして、大きく描き直していることがわかり、実に面白い。
 この原画に限らず、私がミュージアムを訪れる大きな動機の一つは、切り貼りの激しい原画を見られることだ。展示室IIにはないので撮影はできないが、『パーマン』の第1話「パーマン誕生」の原画などは、数度の単行本収録時における描き足し・描き換えの繰り返しで非常に切り貼りが激しい。藤本先生の試行錯誤の後が見られて、非常に面白い。
 今後も、ミュージアムでは描き換えの激しい作品の原画を、どんどん展示していただきたいものだ。『パーマン』なら、「バード星への道」の後半なんかも見たいが、これは、ヒーロー特集の時に展示済みだったんだっけ。見逃してしまった。
 単行本未収録作品(正確に言うと、全集のみに収録されている作品)などは、基本的に描き足しはない(例外は『T・Pぼん』の「ローマの軍道」)ので、あまり面白みはないかな。





 二つ目に撮影したのは、「ゆめの町ノビタランド」の扉絵。
 原稿上部に『ドラえもん』のタイトルロゴがあったのを、ホワイトで消していることが見て取れる。普通、作品のタイトルロゴは編集で入れるはずだし、実際にこの話以外の扉絵ではタイトルロゴは入っていないので、この話のみ何らかの事情があって、直接原稿上にタイトルロゴを描き加えたことになる。どういった事情なのかはわからないが、これもまた興味深い。

 他にも、合計で『ドラえもん』15話と『ポコニャン』より1話、そしてSF短編「コマーさる」から原画が展示されていた。


 展示室IIの観覧後は、Fシアターで新作アニメ「ポコニャン&ドラえもん『ポンポコニャンでここほれニャンニャン!?』」を鑑賞。
 初めて原作通りのカラーリングでアニメ化されたポコニャンが可愛らしかった。「すてポコニャン」が、特に印象的。声は、当然ながらテレビアニメ『ポコニャン!』でポコニャン役を務めた三田ゆう子さん。律儀にオリジナルキャストを連れてくる姿勢は支持したい。『ポコニャン!』は、ほぼ原作とは別物でしたが。
 ミュージアムの新作アニメは、この調子だと一年に一本というペースなのか。次は何の作品が選ばれるのだろう。そろそろ『ウメ星デンカ』あたりかな。


 最後に、ミュージアムショップでお買い物。





 今回は、「ドラえもんだらけ」クリアファイルと、「ドラえもん名作原画展」図録を購入した。
 図録には、第1期から第3期までの展示作品リストも掲載されており、今後第2期と第3期でどの話が展示されるのかもわかる。1期では展示のなかった「ドラえもんだらけ」も、今後の予定に入っている。個人的には「ばくはつこしょう」と「はなバルーン」の展示予定がないのが、残念だ。


 そんなわけで、ミュージアム訪問は終わり。
 最近は、16時入館での短い滞在ですますことが増えているが、たまにはたっぷりと時間をとって、ゆったりと展示を楽しみたい。いつになるかは、わからないが。
 そして、まだ行ったことのない高岡市の「藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」も、一度は訪れたいところではある。数年間、高岡・氷見には行っていないし、そろそろ一度行きたいものだ。
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てんコミ『オバケのQ太郎』1・2巻 発売!

 本日、てんとう虫コミックス版『オバケのQ太郎』第1巻・第2巻が発売された。





 てんコミとして新たなデザインの『オバQ』が出るのは、旧バージョンの<傑作選>全6巻のシンエイ版アニメに合わせた新装丁版以来だから、1985年から数えて実に30年ぶりと言うことになる。
 さらに言えば、今回の『オバQ』は、これまでに刊行された<傑作選>全6巻の復刊ではない。『オバQ』最初の単行本である虫プロ商事刊の虫コミックス版全12巻をてんとう虫コミックスとして新たな装丁で復刊したものなのだ。当然、今までのてんコミよりも収録作品数は豊富で、より多くの『オバQ』が楽しめる。

 『オバQ』の単行本は、てんコミとしては30年ぶりだが、それ以外ではすでに「藤子・F・不二雄大全集」の一部として、全12巻が2009年から刊行されている。
 しかし、あくまで大全集はマニア向けの書籍だし、A5判でページ数も多くて値段も高いので、気軽に読むには向いていない。私は、気楽に読める『オバQ』入門編のような本の刊行を希望していたので、今回のてんコミ新刊は、まさにそれが叶った形で、実にうれしい。
 もちろん、『オバQ』は大全集に確認されている全話が収録されているので、てんコミは既読の作品ばかりなのだが、それでも新刊として読むと、不思議と新鮮な気持ちで作品に接することができる。寝っ転がって気楽に読めるのも新書判のいいところだ。

 さて、ここからは個人的に気になる点があるので、それを書いておく。
 カバー、白すぎるのではないだろうか。帯があってかろうじて色がついているが、カバーがおとなしすぎる感は否めない。せめて、タイトルロゴとQちゃんの体(と言うか、くちびる)には、色をつけてもよかったと思う。

 どうなるのかと気になっていた虫コミ伝統のカバー裏の企画がそのまま復刻された点は非常にポイントが高い。よくて、本文で復刻するくらいがせいぜいだと思っていた。さらに、カバー袖の藤子先生の言葉も再録されており、細かい部分で作り手の愛情を感じることができる本になっていると思う。それだけに、カバーが地味すぎる点は惜しい。





 それはともかく、今回の『オバQ』新刊、ぜひ多くの人に手にとってもらえればと期待している。
 時事ネタなどは残念ながら古びてしまっているが、『オバQ』の面白さの多くは言葉のやりとりの妙にあり、それは今読んでも十分に笑えると思うからだ。
 そして、てんコミで『オバQ』の面白さに目覚めて、もっとたくさん『オバQ』が読みたいと思った時は、藤子・F・不二雄大全集に手を出すのもいいだろう。少々値は張るが、何しろ確認されているすべての『オバQ』が収録されているのだから、読み応えは抜群だ。





 最後に、新旧てんコミ『オバQ』で記念撮影。ここは、本来なら虫コミ版と並べるべきなのだろうけど、私は持っていないので仕方がない。
 それにしても、今後はてんコミの新旧『オバQ』をどう呼ぶかで迷うな。今までは全6巻の旧装丁新装丁で区別できたけど、今回新たに三つ目のバージョンが生まれてしまったので、どう略したらいいのだろう。
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CD-BOX『藤子・F・不二雄大全集』感想

 ついに、買ってしまった。







 そう、CD-BOX『藤子・F・不二雄大全集』だ。
 このCD、色々と不満点はあるものの、今まで主題歌以外はCD化されていなかった『オバケのQ太郎』(シンエイ動画版)の曲が一挙収録されているのと、CDは出ていたものの入手がきわめて困難だった『SFアドベンチャー T・Pぼん』の主題歌が入っているとなれば、買わないわけにはいかない。それでも、発売になってから十日間ほど悩んだのだが、結局買ったという次第。

 と、言うわけで、買ったので堂々と文句が言える。以下、不満点を書いていきます。
 まず、このCDで一番納得がいかないのは、日本テレビ版『ドラえもん』の曲が一曲も入っておらず、作品自体がなかった事にされている点だ。藤子・Fアニメの曲を網羅するとの触れ込みだったので、ようやく「あいしゅうのドラえもん」「どらえもん いん できしいらんど」の二曲がCD化されるのかと期待してしまったのだが、考えが甘かったようだ。特に「あいしゅうのドラえもん」は、「ウハハハ、やったやったー」と、裏番組のDr.ヘルにしか聞こえないドラえもんのセリフが最高なのに、実に残念だ。

 日本テレビ版『ドラえもん』以外の作品は、一通り入ってはいるが、全曲網羅ではなく中途半端に未収録曲が存在するタイトルが見受けられて、これも残念だ。具体的にどの作品のどの曲が抜けているのか、リストアップして、以下に載せておく。



<CD『藤子・F・不二雄大全集』未収録曲リスト>

『オバケのQ太郎』(東京ムービー版)
・オバQかぞえ歌
・オバQ万博へ行く
・ぼくは正太だい


『ドラえもん』(日本テレビ動画版)
・ドラえもん
・ドラえもんルンバ
・あいしゅうのドラえもん
・ドラえもん いん できしいらんど


『ドラえもん』(シンエイ動画版)※劇場版および同時上映作品含む
(多数につき割愛)


『パーマン』(シンエイ動画版)
・雨のSweet Magic
・御機嫌伺いLOVE


『藤子不二雄ワイド』
・ゆかいな大脱走
・Dream of you


『キテレツ大百科』
・うわさのキッス


『21エモン』
・おーい!車屋さん


『モジャ公』
・Shine
・アイ・ラヴ・イモ~ゴンスケ・ラップ~
・俺たちゃエスパーズ
・元気で平気でノーテンキ
・STARSHIP 1996
・セントエルモの火~モナシスの歌~
・宇宙に抱かれて眠りましょう
・ドンモの宇宙船乗りの歌
・ネバー・エンディング・スカイ~空夫のテーマ~


 以上、あらためてリストアップすると、結構な数になるものだ。
 『モジャ公』の曲が特に多いが、3代目OPの「Shine」以外は、キャラクターソング・アルバムに収録されたものだ。このアルバムも、今では微妙にプレミアが付いているので、今回のBOXに収録されなかったのはもったいない。特に、「STARSHIP 1996」は番組初期の名挿入歌なので、これが外されたのは解せない。

 ちょっと思ったのだが、今回のCDは思い切ってシンエイ動画版『ドラえもん』の曲は外した方がよかったのではないか。『サンライズ ロボットアニメ大鑑』でガンダムシリーズの曲が外されたように。
 言うまでもなく、『ドラえもん』の曲はいくらでもCDが出ており、わざわざこのような企画盤に入れる必要性が感じられない。それよりは、『ドラえもん』以外の作品の収録曲を充実させた方がよかったと思う。
 おそらく、「うわさのキッス」や「おーい!車屋さん」は、ジャニーズがらみの事情でもあるのだろうが、それ以外で外された曲の多くはコロムビア音源であり、権利上の問題もないはずだ。


 このように、色々と不満のある出来のCD-BOXではあるが、貴重な曲が含まれているのは確かだ。少なくとも私は、買って後悔はない。小林亜星作曲&筒井広志編曲の『SFアドベンチャー T・Pぼん』主題歌は、このCD以外で聞くことはきわめて難しいのだ。このコンビのファンとしては、買わざるをえない。
 定価も税込み6,480円と、CD5枚組にしてはまあまあ安い方だと思う。万人にお勧めは出来ないが、手軽に藤子・Fアニメの曲が揃えられるので、今までに出たCDを一枚も持っていない人にはお勧めだ。
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藤子ファンを作ろう

 今回のエントリ、タイトルを見て「なんのこっちゃ」と思われた方もいるかもしれない。

 事の起こりは、母からの電話だった。あれは、2年くらい前だったろうか。いきなり「要らない『ドラえもん』はないか」と尋ねてきたのだ。
 何のことかわからないので、よく聞いてみると、親戚の子(私の従兄弟の子)のK君が、家にあるてんとう虫コミックスの『ドラえもん』全巻を読み尽くしてしまい、新たな未読の『ドラえもん』を欲しがっているというのだ。さらに詳しく確かめてみたところ、K君の持っているてんコミドラは、元々従兄弟が読んでいたもので、藤本先生の生前に出た全45巻(若干の欠けはあるらしい)のみとの事だった。

 そこで、私が思い出したのが『ドラえもん プラス』だ。てんコミ全45巻に未収録のエピソードを集めた「ドラえもんの新刊」として出たこのシリーズ、発売時には小学館も盛り上げたかったのか、通常版に加えてキーホルダーの付いた特装版も出た。そして、私は通常版と特装版の両方を買っていたのだった。
 特装版は封も切っておらず、本棚の肥やしとなっていたのでちょうどよいと考えて、この際K君にあげてしまうことにした。色々考えた末、まずは1・2巻をあげた。これは、K君に妹がいるので形式的には一人一冊ずつとした方がいいだろうと考えたからだ。妹はまだ小さいので、実質的にはK君に2冊あげる事になるのだが。
 そして、K君に『ドラえもん プラス』をあげた結果は、非常に喜ばれて反応は上々だった。それでは次は残りの3~5巻もあげるかと思って、ちょっと考えた。このまま『ドラえもん プラス』をあげるのは簡単な事だが、それで終わっては『ドラえもん』以外の作品に触れる機会がなくなってしまうのではないか。ここは一つ、『ドラえもん』以外の作品をあげて、藤子作品の面白さを教えてあげた方がいいのではないか、と。
 それでは、どの作品をあげるかと考えて、すぐ決まった。『ポコニャン』だ。私自身が小学校低学年の頃、『ドラえもん』と並んで愛読してあこがれた作品で、『ドラえもん』が好きなら間違いなく気に入るだろうと思った。と、言うわけで古書店でぴっかぴかコミックス版『ポコニャン』全3巻を購入して、K君にあげたのだった。
 首尾は上々で、K君は『ドラえもん』以外の藤子作品の面白さにも目覚めてくれたようだった。その後、今年夏には『ドラえもん プラス』3~5巻を、そして秋には何か毛色の変わった作品をと考えて『ウメ星デンカ』(てんコミ)全3巻をあげた。まったく、こんなに気前のいい親戚のおじさんはそうそういないぞと、自分でも思う。これもひとえに、K君に藤子作品の面白さを可能な限り味わって欲しいからだ。
 こうして「藤子ファン教育」(と言うほどの物ではないが)を続けてきた甲斐があって、K君は誕生日(9月)のプレゼントとして「藤子・F・不二雄ミュージアムに行きたい」と言いだし、この年末に家族でFミュージアムに行く事になったそうだ。このまま、K君が熱心な藤子ファンとなるかどうかはまだわからない。いまはただ、思いっきりミュージアムを楽しんできて欲しいと、願うばかりだ。

 ところで、私がK君に本をあげるとき、気をつけている事が一つある。それは、「完全な単行本=F全集はあげない」と言う事だ。はじめから完全な物を手に入れてしまうと、後から未収録などを読む楽しみがなくなってしまう。それはそれで寂しい事だ。だから、あえて抜けのある単行本を渡すようにしている。
 今、私の手元にはいずれK君にあげる予定の『モジャ公』があるが、これも当然(?)小学館コロコロ文庫版だ。未収録の「不死身のダンボコ」や連載第2話を読みたくなったら、ぜひ自分の力で全集版を手に入れて欲しいと思っている。それはそれとして、『モジャ公』を読ませるのは何歳くらいがいいかなあ。元が「週刊ぼくらマガジン」連載だから、対象年齢は低いはずなんだが、実際に読むとそうは思えないしな。あと一年くらいは寝かせておくか。
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第11回NU藤子アニメ上映会に参加

 先週の土曜日、11月8日に東京都西東京市にて藤子不二雄ファンサークル「ネオ・ユートピア」による第11回NU藤子アニメ上映会が開かれた。
 第11回と言うからにはこれまですでに10回開催されてきたわけだが、私は残念ながら前回にあたる第10回はスケジュールの都合が付かなくて参加できなかった。だから、私にとっては今回の第11回はずいぶん久しぶりに感じた。

 今回も、上映作品は期待に違わず興味深いものが多かったが、中でも『オバケのQ太郎』を、白黒・新・シンエイ版と3作続けて上映するという趣向は面白かった。いっその事3作全て同じ原作を使った作品を上映したらもっと面白いんじゃないかと思ってしまったが、はたして3作のアニメ全てでアニメ化された原作があるのかどうかは確認していません。どのシリーズも話数は多いから、あっても不思議ではないが。
 そのオバQ3作のうち、最も興味深く観たのは、白黒版の「コレクションの巻」だった。この話、『月刊アニメージュ』1980年9月号の藤子アニメ特集で、藤子先生ご自身が「私の好きな作品」として挙げていたので、以前から気になっていたのだ。実際に観てみると、時代を考えるとテンポもよくて、面白い一編だった。あと、野沢雅子さんの声の変わらなさは異常。

 そして、今回の「目玉」と言うべき作品だったのが『シスコン王子』の第1話。これまでは、「『オバQ』よりも早く放映された人形アニメーションで、どうやらカラー作品らしい」と言うことしかわかっておらず、まさに「幻の作品」だった。
 これまで、わずかに見ることが出来た画面写真などで判断する限り、人形のキャラクターの顔は藤子キャラとはかけ離れていたので、「どうせアニメ本編も原作とはかけ離れていて、せいぜいキャラの名前が一緒になっている程度だろう」と思っていたが、実際には原作で描かれたエース王国の設定をアニメでもちゃんと使っており、全体として原作の設定にかなり忠実な作品で、驚いてしまった。
 こうなると、第2話以降がどのような作品になっているのかも、非常に興味がわいてきた。はたして、原作のようにイーグル族と闇の三戦士が登場するのだろうか。実に気になる。

 『オバQ』3作品と『シスコン王子』以外にも面白い作品が目白押しだったが、ここではどこまで書いていいか判断が付かないので、上映作品についての感想はここまでとしておく。


 上映会の後は、17時より同じ建物内で懇親会が行われた。
 こちらも盛況で、昔から知っている人から初めて会う人まで、多数の人と藤子作品について語ることが出来て、非常に貴重な時間だった。

 と、言っても、そもそも私は人見知りで、なかなか知らない人には話しかけられない性格(その相手が、藤子不二雄という共通の趣味を持っているとわかっていても)なのだ。そんな私が比較的多くの人と話が出来たのは、某さんが「あの人にも声をかけてみませんか」と、私を誘って知らない人に話しかけてくれたおかげだ。私一人だったら、なかなか他の人に声をかけられなかっただろう。
 さらに、某さんには、漫画家のMoo.念平先生とのツーショット写真も撮っていただいた。ツーショットといっても、普通に並んで写っているのではなく、なぜか私がMoo先生に技をかけられているという状況で、普通の写真よりさらに貴重なものになっている。とにかく、某さんには色々とお世話になって、感謝してもしきれないくらいだ。




Moo.念平先生に技をかけられる私の図



 と、言うわけで非常に楽しい一日だった。この日お世話になったNUスタッフの皆様および、上映会に参加された皆様、本当にありがとうございました。
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