1984年のアニメ『ドラえもん』

 先日、Kさんという方から、1984年放映のアニメ『ドラえもん』本放送の録画を見せていただいた。

 アニメ『ドラえもん』は、基本的に本放送と同じ状態で再放送されることがない。CSのテレ朝チャンネルでは話の組み合わせのみ本放送と同様にして放送しているが、オープニングは汎用版に差し替えとなり、エンディング・予告は付いていないという状況だ。
 そんな状態であるから、『ドラえもん』の本放送はすべて貴重な映像といえるのだが、そんな中でも1984年と古い時期であれば、さらに貴重だ。非常に興奮して観させていただいた。

 1984年と言えば、エンディングが「ぼくたち地球人」に変わった頃。
 「ぼくたち地球人」の映像はDVDの傑作選にも収録されて、今でも観ることができるのだが、これは最初から使われていたバージョンではない。今回見せていただいた映像の限りでは、少なくとも最初の1クールは映像は完成しておらず、完成版のラスト部分にあたる絵を延々と1分間繰り返す未完成のバージョンが使われていたことがわかった。
 具体的には、こんな感じだ。







 ここでは2枚のみ紹介したが、この映像がずっと続いていた。これが、完成版でどう変わったかは、今更説明の要もないだろう。
 ご存じないという方は、手軽なところではレンタルDVDをご覧いただきたい。

 この「未完成版」について、ツイッターで触れたところ、それは「未完成」ではなく、最初はあれで完成のつもりだったのだというご指摘があった。このご指摘のツイートが今は消されているので引用はできないが、もし本当だとしたら、当時のスタッフはいい度胸だったんだなと思わざるを得ない。
 さすがに、1分間延々とこの映像では、「なんだこりゃ」と言われても仕方がないだろう。まだ、止め絵ではあるが「青い空はポケットさ」の頃の映像の方が、変化がある分ましなくらいだ。

 さらに、本放送ならではの興味深い点として、「超リアル・ジオラマ作戦」の回がある。この話は原作でも同じタイトルなのだが、なんと次回予告では「超リアル・ディオラマ作戦」となっていたのだ。ドラえもんの読み方も明らかに「ディオラマ」であり、なぜわざわざ変えようとしたのかは謎だが、結局本編では「ジオラマ」に戻っているのだ。





 今となっては理由は不明だが、もしかしたら予告と本編でタイトルが違うというのは、他にもあるのかもしれない。

 また、当時のエンドカードをご紹介しておこう。1984年時点でも、明らかに放映開始当時の作画というのが興味深いところだ。






 このように、非常に興味深い点が多々ある、1984年放映分の『ドラえもん』だった。

 今回、見せていただいた分の放映データなどは、「ドラちゃんのおへや」の次回更新で掲載する予定だが、映像をご提供してくださったKさんには、感謝しかない。
 本当に、ありがとうございました。
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