SF短編原画展第2期とまんが道展

 2月18日から19日にかけて、関東方面に遠征してきた。

 いろいろなところを訪れたが、最初に行ったのは藤子・F・不二雄ミュージアムだ。「藤子・F・不二雄のSF短編原画展」の第2期展示が始まったので、さっそく鑑賞してきた。
 今回、展示されていた原画は、

 「ミノタウロスの皿」
 「箱船はいっぱい」
 「ヒョンヒョロ」
 「旅人還る」
 「定年退食」
 「鉄人をひろったよ」
 「街がいた!!」
 「宇宙からのオトシダマ」
 「絶滅の島」(単行本版)
 「征地球論」

で、他に最終ページの描き直しの例として、「定年退食」「ノスタル爺」、さらに『ドラえもん』から「のろいのカメラ」「あべこべ惑星」も展示されていた。
 「ミノタウロスの皿」は第1期でも展示されていたが、藤子SF短編の第1作として重要作品という位置づけなのだろうか。
 今回、個人的に注目したのは「旅人還る」で、あのインパクト大の見開き2ページの原画はどうなっているかだったのだが…これに関しては、あえてここでは言うまい。本当に2ページ真っ黒なのか、それとも色指定だけで原稿は存在しないのか。長年の謎だったが、はたして。ご自分の目で確かめて下さい。
 「ヒョンヒョロ」の原画は、掲載誌『SFマガジン』のサイズに合わせたそうで、他の原画より少し小さい。漫画の原稿は雑誌のサイズにかかわらず同じなのかと思っていたので、ちょっと意外だ。
 なお、SF短編原画展については、2月22日より期間限定で原画の撮影がOKになった。ちょっとだけ訪れるのが早かったので、当たり前だが今回写真は撮影できていない。これについては、残念だ。関東に住んでいれば、気軽に行けるのだが。

 そして、Fシアターでは新作短編アニメ「ドラえもん&SF短編 宇宙からのオトシダマ」を鑑賞。
 Fシアターの短編映画は、どの作品を原作にしていてもドラえもんとのび太を登場させるようになっており、これに関しては賛否両論あると思うが、個人的には原作への忠実度は気にしないで、いったいどのようにして別作品に無理なくドラとのび太を出すのか、そのアレンジの妙を楽しむことにしている。
 今作に関して言えば、ドラえもんの道具を使えばタマゴンは簡単に宇宙に戻れるわけで、そこをどうするかが注目点だったが、ちょっと無理しているかなという感じだった。結局、ドラえもんの道具は使う形になっているわけだし。
 しかし、ラストの展開が妙にスケールがでかくて、納得せざるを得なかった感はある。なにはともあれ、SF短編がアニメ化されたのだから、画期的でめでたいことだ。登場人物は原作と全然違うが。

 翌日は、トキワ荘マンガミュージアムにて開催中の「藤子不二雄Aのまんが道展」に行ってきた。
 『まんが道』は藤子A先生の代表作のひとつであり、自伝的作品として「トキワ荘」も登場するのだから、トキワ荘マンガミュージアムでの開催はまさにベストマッチングと言えよう。
 その中身は、『まんが道』の原画展示や、二人の出会いからトキワ荘への入居までを描いた「まんが道」すごろく、A先生が撮影された貴重な写真の展示など。











 また、「鉄拳の怒り」などの初期作品の原稿が展示されていて、おおっと思ったものの、よくよく説明書きを読むと「『まんが道』の原稿から複製」したものだった。やはり、初期作品の原稿は、ろくに残っていないのだろう。ちょっと残念だった。
 売店では、『まんが道』グッズも売られており、どれを買うか悩んだが、今回はマグカップとポストカード、それにフラットポーチを購入した。
 藤子・F・不二雄ミュージアムで売られているSF短編グッズにも言えることだが、こうした作品のグッズが手に入る現状は非常に恵まれているので、買えるときに買っておくべきだろう。あとから、「やっぱり、ほしかった」と思っても遅いとなりそうなので。

 この二日間、藤子両先生に関する展覧会を鑑賞することができて、非常に充実していた。
 なお、18日夜には「デリシャスパーティプリキュア 感謝祭」に参加して、19日の午後には「ヤマノススメ Next Summit展 in AKIHABARA」にも行ってきた。
 これらも見どころ満載だったが、今回の記事では詳細は割愛させていただく。また、その気になったら別記事を立ち上げるかもしれない。
 ともかく、非常に楽しい二日間だった。
コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
« タイムボカン... 「映画ドラえ... »
 
コメント
 
 
 
おひさしぶりです (おひさしぶりです)
2023-08-08 21:13:30
おひさしぶりです。
前に、『ドラちゃんのお部屋』掲載の、てんとう虫版『ドラえもん』のデータの、いくつかの誤りを指摘した者です。

今日、自分のパソコンから、前に作成した、『ドラえもん』第1巻の全セリフデータ(『ドラえもん』第1巻のすべてのセリフをtxt形式で書き写したもの)を発見しました。
何らかの形で有効活用したいのですが、何かいい案はないでしょうか。
いろいろ迷ったのですが、とりあえず、こちらのブログにこのようなコメントをしようと決心しました。

何らかの返信をまっています。
 
 
 
セリフのデータ (おおはた)
2023-09-11 22:21:38
 お久しぶりです。以前の件は、ありがとうございました。
 さて、『ドラえもん』第1巻の全セリフデータを有効活用したい、とのことですが、考えてみるとなかなか難しいですね。
 これがもし全45巻の全セリフデータでしたら、かなり有用なデータベースとして運用できそうな気もするのですが、第1巻だけとなると、どうしたものか、ちょっと思いつきません。
 まあ、もし全45巻のセリフをテキストデータにしようと思ったら、かなり大変なことになるとは思いますが。
 そんなわけで、この一ヵ月ほど考えたのですが、いいアイディアが出ませんでした。どうも、すみません。
 
 
 
おひさしぶりです (おひさしぶりです)
2024-02-04 07:30:34
おひさしぶりです。
前に、『ドラちゃんのお部屋』掲載の、てんとう虫版『ドラえもん』のデータの、いくつかの誤りを指摘した者です。
おいそがしいところ、1つ質問させていただきます。

「てんとう虫コミックス」(1974年~)創刊までのくわしい動向が書いてある参考資料を知っておられますでしょうか? 来年、50周年になるので、しっかりしらべようと考えています。

以下の参考資料を読みましたが、「編集部が採点して収録作品を選んだ」というような、断片的な情報しか書かれていませんでした。インターネットで検索して調べても、よくわかりませんでした。というより、てんとう虫コミックス創刊時について調べている人がいないということがわかっただけでした。
もし、くわしく書かれた参考資料を知っておられたら、教えてください。
よい返事を待っています。



『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1巻~20巻』
『藤子・F・不二雄大全集 別巻 Fの森の歩き方』
『てんとう虫コミックス ドラえもん 0巻』(「てんとう虫コミックス ドラえもん」創刊の時の広告1枚が収録されていることを確認)
『藤子スタジオ アシスタント日記 全3巻』(えびはら武司)(元の原稿が保存されておらず、雑誌掲載分をトレースしたと書かれていることを確認)
『藤子・F・不二雄の発想術』
『ド・ラ・カルト ドラえもん通の本』
『封印作品の謎 少年・少女マンガ編』(安藤健二)(「ブラック・ジャック」文庫本版創刊について書かれている部分が気になった)
『封印作品の謎 テレビアニメ・特撮編』(安藤健二)(わたしが調べた限りでは、この本の「日本テレビ版ドラえもん」の章が相対的に一番まとまって書かれている)
『コロコロ創刊伝説 第1巻~第5巻』(のむらしんぼ)(念のために調べたが「てんとう虫コミックス」創刊時の記述はなかった)


(『藤子・F・不二雄大全集 別巻 Fの森の大冒険』はまだ機会がなく未読)
(雑誌『Neo Utopia』は目次のみしらべて、関連項目がないようだ、ということのみ確認)
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。