打越通信

日記ふういろいろ

名曲の夕べ

2016-12-08 21:01:45 | 日記ふう
真夏のセブから真冬の福岡に帰ってきた。
ふたたび味気ない日々の始まりかと思っていたら
「今日は何の日でしょ」
と妻が言う。
そういえばセブに行く前に、セブンのチケット販売機の前で
「もうすでに完売だよ。」
と言う。
「B席ならまだ空とるかもよ」
と返した次の日
「取れたよ」
やっぱりクラシックのコンサートというのは(クラシックに限らないか)S席やA席という一番良い席から売れていくのだろう。
そういうわけで、仕事が終わり博多駅のひかり広場で妻と待ち合わせた。
地下鉄に乗り天神に向かった。
アクロス福岡など初めて行くところで駅の案内板にしたがって地下道を進む。



建物に入ると巨大な吹き抜けに田舎者はびっくりする。
福岡シンフォニーホールを探すがすぐにわかった。
開演前なのにすでに多くの人でいっぱいだった。
少し時間があったのでファストフード店で軽い食事をとった。
私たちの席は3階席でそれも舞台に向かって右側の席だった。



初めて来る福岡シンフォニーホールだ。
熊本の県立劇場とはこれまた違ったつくりでシンフォニー専用のつくりになっている。
舞台までは県劇と違いかなり近い気がする。
一部と二部の構成で一部は「ベートーベンのピアノ協奏曲5番<皇帝>」二部は「チャイコフスキーの交響曲4番」だった。
会場はほぼ満席で私たちの3階席まで埋まっていた。
一部の演奏が始まる。
<皇帝>は聞きなれた曲だが生演奏で聞くのは初めてだった。
やはり女性ピアニストだからなのかオーケストラはかなり抑えた演奏だった。
それでもコンサートマスターは一所懸命に演奏していた。
優しさなのだろう。
そして2部のチャイコフスキーの交響曲4番は始まった。
CDでも聞いたことのない曲だったがチャイコフスキーらしくゆっくりとした感じで曲が始まった。
2楽章、3楽章に進むにつれ曲が激しくなっていく。
しばし目を閉じて「こういう音が聞けるオーディオがあれば良いのだが」と思ったりもした。
会場の上の段の端っこだったけど音の響きは素晴らしく、反響音も無く、舞台からの距離感もあまり感じられない。
魂のこもった読売日本交響楽団(読響)と小林研一郎(コバケン)の演奏会だった。
クライマックスを迎え音は最大限まで響き、演奏は終わった。



会場からは割れんばかりの拍手の渦、これが生演奏の素晴らしい所なのだろう。
アンコールは<ダニーボーイ>だった。
興奮した気持ちを優しく落ち着けてくれる曲でコンサートは終了した。



会場を出て、興奮した気持ちを落ち着かせるため、中洲を歩いて帰ることにした。
屋台は相変わらず賑わっており、キャナルはすっかりクリスマス・イルミネーションで着飾っていた。
コンサートを聴き、歩いて帰れるのだからこんな幸せな夜は無い。
すっかりクラシックにはまってしまい、近頃はコレルリや トレルリのクリスマス協奏曲などを聞いている。
でもやはり生演奏にはどうしても勝てないのだ。