funeral log 2

DAY 2(b)

眠ったような眠らないような夜が明ける。
ウチはイナカなので,「イナカの作法」というものがある。葬儀は自治会(ウチの方では「組内」という)にお手伝いをお願いするのが慣例となっている。そのため,葬儀屋さんとの打ち合わせには,自治会長さんに同席してもらう。

午前9時,葬儀屋さんとの打ち合わせ開始。まず決めるのは葬儀の日だが,会場,火葬場,そしてお坊さんの日程が全て合わないと葬儀が出来ない。
昔は組内で「寺使い」役がいて,お坊さんの日程を抑え,それから火葬場,最後に会場を決める流れだった。
現在は全て葬儀屋さんが段取ってくれる。葬儀は4日後に決まる。

前述のとおり,慣例では組内の皆さんに,帳場,通夜,告別式でのお客さんのお茶出しなどをお願いするのだが,新型コロナウイルス感染が拡大傾向であり,葬儀屋さんからも「来場者は最低限にするように言われております」とあり,お手伝いはお願いしないこととする。

1か月前に近所でお葬式があったのだが,そのお宅は完全家族葬でやったとのこと。
母親と生前の父親の意向もあり,ウチは家族葬とはしないことにしたが,通夜はなし,組内の方には告別式のみでてもらうことで,自治会長さんにも了解してもらう。

その後,式の内容,香典返しの内容や数などを決める。
葬儀屋さんは一度帰り,日程表を作成して持ってくるとのこと。

父親の逝去の報は,自治会内は会長さんに回してもらうことにして,親戚関係に電話連絡する。

午後になり,組内の方々がお見舞いに訪れる。これもウチの方の慣例なのだが,亡くなった日から出棺するまでの間に,「お見舞い」を届けるのだ。
香典とは別に現金を包む。昔は組内の方が長期入院した場合は,本来の意味でのお見舞いを出していたが,現在はそれは行わない。その名残だが,「親がお見舞いをもらっているので返さないと失礼」が脈々と続いている。

お客さんは夜まで続いた(続きます)

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