迎賓館のある場所は、かつて紀州徳川家の江戸中屋敷があったところです。明治維新以降、我が
国は近代国家として成長しましたが、明治30年頃から洋風の東宮御所を新たに建築しようとする気
運が起り、明治32年(1899)に着工して10年の歳月をかけて、明治42年(1909)に赤坂離宮が
完成したものです。建物は幅125m、奥行き89m、高さ23.2mの広大なものです。
建物の構造は鉄骨補強煉瓦造りで、地上2階地下1階の耐震、耐火構造で、日本における唯一の
ネオバロック様式の西洋風宮殿建築です。第2次大戦後、外国の賓客を迎える施設として、迎賓館を
作る方針が立てられ、赤坂離宮を改修して迎賓館に充てることとなって、和風別館の建築をするなど
して昭和49年現在の迎賓館を完成したものです。赤坂離宮の本館、正門、主庭噴水池等が明治維
新以降の建物としては初めて国宝に指定されました。(写真Mr麹町)