歌川広重の名所江戸百景の一枚ですが、あまりにも有名、先日東京メトロ半蔵門線錦糸町駅
で発見。大川(隅田川)に架かる「大はし」で、降りだした夕立に慌てた人々が走る姿が描か
れていますね。雨の線が素晴らしいとか、上空を覆う黒い雲がいいとか、いろいろな論評があ
ります。(現新大橋)
数えて見ると7人が橋の上、筏を操る船頭と8人がいますが、手前の2人のご婦人がいいで
すね。雨に濡れないように、着物の裾をまくりあげ、傘を斜めに家路を急ぐ。その赤い蹴出し
がアクセントになっていますよ。一緒に見ていたおじさんは「白い脛がいいよ 後ろの男の褌
とは天地の差だよ」と言いたそうな顔でした。
大はしの河岸に安宅船を係留していたのでこの辺りを「あたけ」と言ったそうです。