佃島の石川島灯台から南へ、佃煮の老舗「丸久」の暖簾の間から甘いかおりがします。その
丸久さんの前に、劇作家・北條秀司の「雪降れば 佃は古き 江戸の島」という句碑が建って
います。碑文を呼んでみました。
劇作家北條秀司は佃島が好きであった。新派俳優花柳章太郎も佃島が好きであった。二人は
たえず連れ立って佃島をあるき、大川の渡船をたのしんだ。その結晶として「佃の渡し」芝居
づくりを企画した。それが昭和32年12月の新橋演舞場に脚光を浴び、劇団新派の財産を
一つ増やし、北條の代表作をまた一つ世に残すことになった・・と記してあります。