マチンガのノート

読書、映画の感想など  

トラウマの影響に関する興味深い考察 5

2021-10-31 23:11:07 | 日記

シャーンドル・フェレンツィも、「攻撃者との同一化」と言うことを取り上げていますが、

そちらの場合は鏡像段階などをそれなりに経て、ある程度自律性のある人格の基礎の上に、

攻撃者の振る舞いを取り入れているのでしょう。

渡邉琢氏の取り上げた「まっちゃん」やうちの父親などの場合は、そこまで自他が分化しておらず、

自他共に未成立な所に、攻撃的な態度を取られたので、自分の人格とつながらない形で

その攻撃的な態度がずっとあるのでしょう。

臨床日記 シャーンドル・フェレンツィ みすず書房

リンク 心理オフィスK にも解説が載っています。

障害者の傷、介助者の痛み 渡邉琢 青土社

攻撃的、暴力的な言動や態度をとるクライアントに接する際には、その相手が鏡像段階などを経ているか

どうかなどを見極めないと、単なる暴力的な人格なのか、表面的に暴力的な

言動や行動があっても、その基礎に自律的な主体のない発達障害を抱えた

重ね着症候群なのかを、見逃すことがありそうです。