マチンガのノート

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低空タックル 「永遠の仔」 テレビ版

2014-02-06 00:47:34 | 日記
「永遠の仔」は、小説の原作を読んでから、テレビ版を見ていた。
入院施設の医師は、主人公の優希の症状のみを見て、治療にあたっていた。
家庭で主人公がどのような虐待に遭っているかを、想像も出来ないし、
そのような事の知識すらないようだった。
施設からの石鎚山登山が終わったら、自宅に戻すということで、
周りの子供の患者達も、それはやばい、ということで、
虐待している父親を、山道から突き落として亡き者にすることを
計画する。
父親役が何故、古尾谷雅人なのだろうかと思っていたのだが、
長身の古尾谷雅人なら、誰が突き落としたか、最後まで解らない
という演出だった。そして最後には、優希の母親が、娘を守るために、
自分で夫を低空タックルで突き落すシーンが描かれる。
家で娘が虐待されていても、守ることができず、
自分の娘が、登山の際に父親を突き落して殺害しようとしているのに
気づいて、自ら突き落として殺害して、娘を守る。
この主人公の場合、少なくとも母親には守ってもらえたので、
その点では恵まれているのだろう。
米国ドラマの「ツインピークス」では、父親が娘に何をしているのかを、
母親はある程度気づいていながら、経済的に恵まれた生活を
手放したくないのか、何もしなかった。
医師や福祉関係者の、知識のなさというのは、それだけで罪なのだと
思った。
トリイ・ヘイデンの著作が出てきたときには、あくまで病んだアメリカの
話という感じだったが、最近出版された、「誕生日を知らない女の子」
(黒川祥子著)などを読むと、日本もアメリカのようになってきていて
さらに、被虐待児童への対応が、まったく足りていないことがよく解る。