兵庫県の中央部、加東市の山間にひっそりとたたずむ国宝の鹿野山朝光寺。
創建は飛鳥時代、インド紫雲に乗って飛来した法道が開いたという。
訪ねたのは17日、小雨の降るあいにくの天候だったせいか、
拝観に訪れた人の姿はなく、境内はひっそりと静まり返っていた。
苔むした石段を登り、仁王門から国宝の本堂に向かった。
構造は、「人と仏の間を厳密に区分した」中世密教仏堂の典型だという。
本尊は2体の十一面千手千眼観音だが、いずれも秘仏である。
本堂右奥には重文に指定された鎌倉時代の鐘楼がある。
それにしても人里離れたこんな山間に貴重な名刹、
傷つけたりされないのだろうか、管理面でいささか心配だ。