朝から伊方原発再稼働のニュースが入り、悲しさがこみ上げた。日本はどこまでも愚かな国なのだ。
伊方3号機を巡っては、定期検査に入った直後の2020年1月、制御棒を誤って引き抜くなどわずか1カ月間にトラブルが4件相次ぎ、定期検査は約半年中断。同月には広島高裁が運転差し止めを命じる仮処分決定を出した(後に異議審で取り消し)。21年3月以降はテロ対策施設の完成遅れにより、再稼働ができない状態になった。7月には、17~19年に社員(当時)が宿直勤務中に無断外出していたことが発覚。10月12日に再稼働させる計画だったが、再延期を余儀なくされていた(ココより)。
そんな日本の相も変わらず不完全でお粗末な体制の原発の再稼働を、なぜ日本国民は許してしまうのか。私は断固反対する! 先日ちょうど、「原発に挑んだ裁判官」という本を読んでこのブログのココに書いたが、最高裁が<担当省庁が審判して「合格」としたのなら、規制基準が不合理なときや、見逃すことのできない欠陥・見落としがない限り、裁判所は行政庁の裁量の範囲内であり、「よし」として、行政に判断をゆだねる。つまり、独自の判断に踏み込まず、原発が規制基準に合っているかで判決を下す>という「伊方方式」の判決を出したことで、日本の原発政策が後押しされてきたこと。それによって、住民側の、原発建設・稼働を阻止する力が押しつぶし続けてきたのだ。
そんな中でも、福島原発事故前に、原発の危険性に気づいて、志賀原発訴訟で、「ちょうど偶然にも原発近くを通る断層帯についての新しい知見が出て、5つの断層が別々にしか動かないから地震の規模はM6.6と電力会社が主張したが、1度に動けば、M7.6の地震が想定される解析結果が政府の組織・地震調査委員会から3月に出された。さらに、もうひとつ、8月に宮城県沖地震が起きた。女川原発で、想定基準地震動を200ガル上まわる地震が起きた!」として、2006年3月、住民勝訴の運転差し止めの判決を下した裁判長がいたのだ。井戸耕一さんだ。
だが、この訴訟は高裁で逆転敗訴、2010年秋に、最高裁で住民側の敗訴が確定した。東日本大震災が発生したのは、4ヶ月余りあとだったという。もし、国民の安全を重視する井戸耕一裁判長の判決にならって、高裁や最高裁が、「炉心溶融事故の可能性も・・・ある」「多重防護が有効に機能するとはかんがえられない」という福島事故で本当に起きてしまったことを予見し、しっかり「危険」とみなして判決を出していれば・・・。
。とはいえd、「・・・たら」「・・・れば」の話はしても仕方がない。その井戸裁判長が、「裁判官の判断自体も、国民の意識を反映する部分がある。裁判官も世論からまったく自由な存在ではなく、国民的な世論に影響される面は否めません」と言っているように、国民の自身がこの結果を招いたことは確かなのだから。 私自身も含めて、福島原発事故のような過酷事故が起きることを予想もせずに、「原発神話」に踊って信じてしまった日本国民の愚かさ。その愚かさが、高裁や最高裁の判決に反映してしまったということだろう。
しかも、日本の国民は、全原発を停止させ、再生可能エネルギーへの転換に動いた民主党政権を、福島原発事故の翌年には引きずり降ろし、「原発神話」で福島事故を招いた責任を負うべき自民党政権を帰り咲かせてしまった!!!
さらには、その後も、説明責任も果たさずに平和憲法を揺るがす集団的自衛権に踏み込み、兵器の大人買いを続け、欠陥のあるイージスアショアに予算をつぎ込んだあげくに頓挫させ・・・人事権を使い官僚を支配し、改ざん、嘘、ごまかしのやりたい放題のトンデモナイ長期政権を支持し続けてきたのだ。さらに、2021年の今回の衆議院においてさえも、過半数を与えてしまった私たち日本国民・・・。
なんということだ。安全な「核利用」なんてあり得ないのに。世界の多くの国が福島原発事故に驚愕して、ドイツの脱原発を始めとして、再生可能エネルギーに転換をしっかり進めているのに。日本では「原子力の安全神話」が復活され、なんと再稼働を始めるなんて!!!! さらに、石炭発電も止めずに増やそうとしている日本。不名誉な「化石賞」を何回ももらってしまう日本。まったく、恥ずかしい。
世界の地震の10分の1が起きる日本で!!!地震にさえ脆弱な原発を、ミサイルを変幻自在な場所から複数同時に発射できる技術を着々と磨く他国の脅威の下で。「核弾頭」を、日本が用意して待っているような「原発の再稼働」をするなんて!!!
しかも、(そんな脅威の下で、危険な原発を廃炉を急ぐどころか、反対に相手国を刺激して喧嘩を売るような「敵基地攻撃能力」を検討する!?)そんな政権を支持するなんて!!!! 日本人の「国の安全」についての根本的な視点の欠如に、私は心から驚愕している。
原発の再稼働なんて、あり得ない。すべての原発は廃炉にすべし!!!廃炉技術と、再生可能エネルギーの技術こそ、世界に役立つ。世界に役立つ技術をもつ日本になってこそ、他国との平和な関係を持てる。
今、こんな中で、平和憲法を捨て去り、軍備を拡大し、他国を刺激しようとするような政権には、「日本の安全」を語る資格はない!!!!
軍拡に注ぐ予算を廃炉に注ぐべし。再稼働のためにいくら安全対策へ高額投資をしても、完全な「安全」など実現できない。なぜなら、日本は地震国で、大きな地震が過去に何回も起きて国なのだから。しかも、伊方の恥ずかしいトラブルの数々と同じように、スリーマイルも、チェルノブイリも人間が引き起こした人災なのだ。
原発の「脆弱さ」への理解が世界で最も欠けている日本に、「原発の再稼働」はまさに自殺行為だ!!!