倫理観に欠けた行為が、近年特に目立って日本中で暴かれはじめた。
嘆かわしいとも言えるが、誤った行為が、隠されずに白日の下にでるようになった社会は、逆に評価できるのかもしれない。
勇気をもって内部告発した人たちの姿を追ってみる。
2002年雪印食品牛肉偽装発覚。この大食品会社への信頼を根底からひっくり返す事件の切っ掛けを作ったのは西村冷蔵の水谷社長だった。
正しいことをしたのに、顧客はどんどん去り廃業に追い込まれた。
北海道のミートホープも、元幹部の内部告発によったらしい。
「勤めていた会社の実情を告発するのは勇気がいった。自分たちの生活も、ほかの人たちの生活もかかっているのだから・・・」「でも、腹をくくった。田中社長らは、食中毒菌が検出された肉を平然と学校給食に納入していた。子供たちまで不正な金もうけの道具にするのは、がまんできなかった」
ミートホープは、6億円以上の負債を抱えて自己破産手続きをし、社員たちは生活のすべを失った。
自分たちの生活を堵しても正しいことのために立ち上がった日本人がいることを誇りに思い、彼らの勇気と行動力に敬意を表したい。
自分の生活を豊かにしたいとは、誰しもが思う。しかし、誇りのもてない仕事をして生活しても、それは砂上の楼閣。そんな生活は、いつか崩れてしまうもの。
「ボロは着てても心は錦」
バブル時代に、金が幸せの鍵と思い違いした日本人が、やっと本来の良心と常識を取り戻しつつあるのだ、と私は思う。
* 西宮冷蔵は、会社を建て直し、現在7割まで業績を戻すところまで来たという。ドキュメント映画が、中野で10/27(土)~11/9(金)モーニングショー公開されるらしい。興味のある方は、http://diary.jp.aol.com/nkhuhjyme7sn/