"FIND MOMO! ”という本を図書館で偶然見つけて読んでみた。
「ウォーリーを探せ」という本の発想と一緒で、こちらはいろいろな風景の中に愛犬が隠れているのを探す趣向の写真本だ。
違いは、生きている犬を探すところ。なんということもない。でも、発想は独創的ではないが、クイズでも何でも、独創的でなくてもそれで楽しい時間を過ごせることが大事。きっと、愛犬家が見たら、(よくワンちゃんがこんな風にジッと一人でしていたなぁ~)とか、著者と愛犬の関係を自分に引きつけて感じられたり、撮影の時間も共有して楽しむこともできると思った。
私は、子どもの時にスピッツを飼っていただけで、その後は、金魚くらいしか飼った覚えがないから、特に思い入れはなかった。でも、ついつい、先へ先へとMOMOを探しながらページをめくってしまった。
そして、(設定を決めた「その瞬間」から、物事が面白いように始まることってある!)と自分のことを振り返って、改めて思った。
そう、私の場合は、飛行機の機内誌でちぎり絵を作って、なかなか忙しくて会いにいけない母に絵手紙を出すことだった。だんだん、作品を作るのが面白くなり、ただ母に送るだけでなく、その前にスキャンしてブログにアップするようになって・・・
いつの間にか、それがかなりの数になり、行きつけのレストランのご意見箱に「ちぎり絵を作っていますが、店に飾ってみませんか?」とブログのアドレスを書いて入れておいたら、店長から翌日に電話が入って、「是非、作品を持って来て下さい」と言われ、飾ってもらうようになった。さらには、そのちぎり絵から絵はがきを作ってもらい、店の入り口の販売コーナーに置いてもらたりもした。
そして、ある日「そのちぎり絵を気に入ってくれた人がいて、会いたいと言っているけれど」と店長に言われ、会った人が「月の美術館」で会いましょうと言うので、初めて「月の美術館」に行き、彼女だけでなく、画家のヤマサキさんと知り合うことになった。
月ばかり描く画家・ヤマサキユズルさん。長崎に行くと、そのちぎり絵を置いてくれたレストランと「月の美術館」に行くのが楽しみのひとつになった。長崎では、クラシックバレエの教室にも通ったり、眼鏡屋のギャラリーでチェルノブイリの写真展をやっていた写真家の中筋純さんにも出会った。テレビでその無料の写真展を紹介していたので出かけてみたら、他にだれもお客さんがいなくて、中筋さんがポツンといて、思わず話し込んで、東京の人だったのでそれ以来ずっと応援しながら続いている。
さらに、ヤマサキさんの月の絵からインスピレーションを受けて曲を作り、”Crescent Moon"というCDを、ヤマサキさんの月の絵をカバーにして作ったジャズピアニストで作曲家の渡辺かづきさんの原宿でのライブに誘われ、今に至る渡辺かづき先生との縁も頂いた。
機内誌で作ったちぎり絵が、私の人生をここまで連れてきてくれた。いま、当時ちぎり絵のために使っていた無料ブログは終了してしまいない。でも、後になってココに "felizmundoのちぎり絵”として、復活させている。懐かしい作品ばかりだが、長崎に行くことがなくなってからは飛行機にも乗ることもなくなり、ちぎり絵を喜んでくれた母も亡くなり、作っていない。
でも、私にとっては、FIND MOMOの著者が、ふと愛犬の隠れんぼのような写真をネットにアップしたのがきっかけになってファンが生まれ本になったように、「ちぎり絵」から多くのかけがえのない人との縁が生まれ、今の日々に繋がっている。月が、私を繋げてくれてきたように思える。
(設定を決めた「その瞬間」から、物事が面白いように始まることってある!)
私にとっては、機内誌を使ってちぎり絵を作ってみた「あの瞬間」が、私の未来への道を開いていったような気がする。
いま、ヤマサキ先生のfacebookを見たら、去年の秋に「月の美術館閉館SALE」とあった。先生が病気だという話は聞いていたけれど・・・閉館とは。また、お菓子でも持って遊びに行って、ヤマサキ先生の絵に囲まれながら お茶を飲みながらお話がしたかったのに。
私は、ちぎり絵を出版もしなければ、収入にも繋げなかったが、人との縁を広げられ、ひとに喜ばれる喜び、人生の楽しみ方という大きな報酬をえられました。そして、月は当時も好きだったけれど、「月の美術館」で「月って案外 天気が悪くてもよく見られるんですよ~」とヤマサキ先生から教えられ、渡辺先生の月や天体の音楽に癒され、私と同じように月や天体の写真を撮っている「銀河鉄道の月Ⅱ」のブドリさんや「熱狂的阪神ファン」のいっこうさん、「煙草と珈琲とお月様」のlayout3さん、「悠々遊きまぐれ写真館」の悠々遊にもつながったのでした。
さあ、あなたは、どんなことから、あなたの人生の糸口をひきだしましたか?
もしあなたが、まだ糸口をひきだせていないと感じたとしても、それはもう始っているかもしれないし、あなたのすぐそばに、もう糸口が見つけてもらうのを待っているかもしれません。
見つからないと思ったら、まず、見つかるように「月」を眺めて「ツキ」をもらいましょう。そして、是非 あなたの大切な糸口をつかんでみてください!