前々から気になっている野菜があります。
スーパーの野菜売場やAGDAO市場でも良く目にする野菜です。
それは長さ40cm~50cmの細長い濃い緑色をしていて、豆の「さや」のような感じで、10本~15本程が束ねて売られています。
ネットで調べてやっとその正体が判明しました。
この野菜は「じゅうろくささげ」(十六大角豆)と呼ばれている野菜でした。
「ささげ」はマメ科ササゲ属の一年草で、アフリカ北部のエチオピアが原産だと考えられています。
日本へも平安時代にはすでに渡来していて、栽培されてきました。
名前の由来は、莢の先が上に反り返り、捧げもつ手の形に似ていることから「ささげ」と呼ばれるそうです。
莢が長く伸びる「じゅうろくささげ(十六大角豆)」と呼ばれる品種群があって、ダバオのスーパーなどで売られているのが、紛れもなくこの「じゅうろくささげ」なのです。
さやの中に豆が16個あることから「十六ささげ」と名づけられたそうで、豆は熟すと赤褐色で、完熟した豆は煮豆や赤飯に利用されます。
さやの長さは30~50cmで、形はインゲンマメに似ていますが、柔らかいのが特徴です。
食べ方としては、さやがまだ柔らかい状態で、さやごと食べるのが一般的で、茹でたり、油炒め、煮物が多く、茹でた場合、しょうが醤油との相性が良いと言われています。
以前私が暮らしていたチェンマイで時々食べていた「ソムタム」に生のまま入っていた野菜もこの十六ささげだと分かりました。
当時は「いんげんまめ」が生で入っているのだとばかり思っていました。
この「じゅうろくささげ」、現在では愛知県と岐阜県を中心とした地域で生産されていて、食されるのもこの地方が中心で、愛知の伝統野菜、飛騨・美濃伝統野菜になっているそうです。
「じゅうろくささげ」はカルシウムとビタミンAが豊富で、血中コレステロールを下げる効果があると言われる健康野菜です。
この「じゅうろくささげ」はフィリピン語でSitao(シタオ)と呼ばれていて、フィリピンを代表する料理のひとつの「シニガンスープ」に入れたり、炒め料理として広く利用されています。
写真下はじゅうろくささげの「胡麻和え」と「シニガンスープ。
大角豆(ささげ)は、男性を竹にたとえるのに対し、女性をたとえていう語と言われます。
確かに、「竹」は、頑固なまでに真直を潔いとしますが、「ささげ」には、厳しい環境にも耐え、柔軟性を失わない強靭さを感じます。
16歳の「ささげ」は、世界一の長寿に向かい何歳まで生きるのでしょうか?
この「じゅうろくささげ」は最近は我が家の冷蔵庫の常備野菜になっています。
「いんげん」のような「スジ」が無いので調理が楽なところがいいですね・・・。