ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
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消費者に支持される石油ビジネス

2011年04月18日 09時16分47秒 | Weblog
立った一か月前に各地のSSに並んでいたあの車の行列は一体何だったのか・・・・
平静に戻った石油業界では、改めて減販が顕著となりそうで、元売在庫も増加しつつあるようです。
一部では、すでに価格競争が始まっているようにも見えます。

業界に関係している私の眼から見ると「懲りないリテール業界だな・」とも思えるわけですが、
需給と市況は相場ですから、元のもく網にならないよう祈っています。

今後の石油業界のビジネススタンスとしては、
「電力エネルギー」に対する懸念が高まりつつある現在の状況下で
せっかく消費者に再認知されつつある「石油エネルギー」なのですから、
もう少しビジネスのモードを変えながら踏ん張りたいところだと思います。

先週末から、大手の家電量販店、ホームセンターの経営幹部の方と話したのですが、
石油製品は、技術開発などのコストダウンで急速に価格を下げる事が可能な「液晶テレビ」などをはじめとする工業製品とは商品性が全く異なります。
液晶テレビなどは最近では10万円を切って結構なものが買えるという事ですが、
これは、技術開発や製造コストダウンなどメーカーの努力により実現しているわけです。
国内で製造される工業製品はその普及度と生産技術などにより価格も下がります。

ですから、需要を見込んでさらなるコストダウンをはかり、商品格差やコストを下げる事が可能となるわけです。
そして、販売業界ではその事を前提にした流通在庫などを視野に入れての先行値付けも可能となり、
「安売り」の価格設定が可能となるので、確実な収益が見込めるというわけで、
石油業界における「安売り」とは全く内容が異なるわけです。

ところで、石油は全て輸入製品です
しかも製造コストダウンも限界があり、
流通も業界専用ですから本来は「価格差」を付ける事が非常に難しい商品アイテムだと言えるわけです。

それでも、販売価格差をつけるとしたら、「粗利益を削減」するしかありません。
ですから、安値量販型の拡販ビジネスには向かない分野だといえるわけです。
そのへんが大手量販店企業が「ガソリンスタンド」に本格参入しない理由なのだと思います。

私も、意見を求められた時には石油ビジネスの特殊性を説明しています。

しかし、ガソリンスタンド業界には
拡販戦略により、大手家電業者やホームセンターなどのような拡大的な企業展開を見込んでいる業者が、
一部存在しているわけです。

石油のリテール業界において、単なる「安売り」販売戦略により
もし、あの「ヤマダ電機」や「ビックカメラ」、「カインズグループ」のような大企業に成長できるという妄想を抱いている経営者がいるとしたら、大きな間違いです。

すでに、PB系も認知されているとしても、
主流である系列の存在があるからこそ価格の比較対象にもなると云う事を認識し、
あまり、バカげた安値拡販の動きはせず「程よい協調」が必要だと思います。

もし、PB系業者の方がSSビジネスフィールドで大手量販店のような拡大戦略を夢見ている方がいらっしゃるとしたら、
その辺のことをよく考え、視点をかえてみたらどうでしょう。

安売り拡販で儲かるビジネスは石油以外にいくらでもあるはずです。
石油ビジネスにこだわり、安い業転玉を漁って、安く売る繰り返しでは、
いつまでたっても企業としての成長は望めません。

石油ビジネスは、消費者にとって安定したビジネスであるべきだと感じているのは、
販売業者よりも、つい先日までSSに並んでいた消費者のほうが強いと思うわけです。

それが、理解できない、SS業者は商売をする資格はないと思うのですが、いかがでしょう。

と云うわけで、数社から求められていたご質問に対する、私の見解です。

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