ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

SSにおけるキャッシュフロー会計の必要性

2008年02月04日 09時35分15秒 | Weblog
SSリテール部門を中心とする販売業者。
販売店を抱える特約店。中間流通を中心としてSS業界を顧客とする流通業者など立場によって石油ビジネスに対する見解はだいぶ異なります。

我々のように、流通管理システムを開発販売している企業もあれば、SS店頭での油外販売の拡販促進システムを企画販売している企業もあります。

どんな立場でもそれぞれが真剣に取り組んでいる訳ですが、現状の石油流通ビジネスを取り巻く経営環境の変化と経営課題に真正面から取り組むと「資金繰り」計画は絶対に外せない課題になりつつあります。

現状で利益が出ていればよいのですが非採算ともなれば、抜本的な経営改革が必要となります。SSを運営しているほとんどの経営者の方が「儲からない」と嘆いていらっしゃいます。

それほどSS運営ビジネスは疲弊してきたともいえる訳です。

一方では、外販でパトロール給油や灯油ビジネスなどの「得意技」や潤滑油などの特殊直売部門を持つ企業は比較的安定しています。

数年前にSS経営から全面撤退して灯油配送販売、潤滑油と外販直売部門だけに徹している企業が私の知る限りで数社ありますが、帝国データバンクの直近情報でかなりの所得を計上しています。

非採算部門を一気に切り捨ててビジネスフォームを変えるだけで随分と経営内容が変わるものです。
名門老舗企業では不動産の有効活用などにも熱心です。
立地条件の良い土地であれば、何も利益の出ないSSでなく安定した不動産所得の方が絶対に有利です。しかし、そんな事が出来るのも経営的な「余裕」のなせる業であり企業としての疲弊が進行していたら単なる夢でしかありません。

シーズン的に冬場の灯油ビジネスが終了する2月末から3、4月頃になると来季に向けて「灯油システム」構築の御要望が殺到します。灯油のキャッシュフローのありがたさを感ずる時期です。経営者がキャッシュフローの有難さを感ずる季節なのだと思います。

全国的には灯油は減販だといわれますが、それでも収益的には今年も安定しており周辺店舗の閉鎖や広域展開などで拡販に成功している企業も多い訳です。
小口現金比率が高いので資金効率も良くて結構な「孝行息子」が灯油という事になります。

財務会計上の収益とキャッシュフローが異なるのは何の商売でも同じです。
軽油など運転資金が増えてくる商品では同時に債権管理リスクの課題が発生してきますがボリュームで稼ぐといった優位性もありますからどちらが良いかはわかりません。それぞれの企業特性といったところでしょうか。

一概にSSビジネスとは言っても、そのすそ野はかなり広い訳でそれぞれの企業が業態の特性を強化しながら体系化が進行しているともいえるようです。

資金管理も当然業態毎に変わりますから、我々の仕事も大変です。

石油流通ビジネスにおける売る側のリスクと買う側の論理

2008年02月04日 04時59分20秒 | Weblog
これだけ石油製品価格が高騰してきますと当然のことながら、流通業者にとっては「販売リスク管理」が大きな課題となってきます。

商売ですから販売数量を伸ばすことは大前提なのですが、リテールの現金売りはともかくとして直売や卸売部門における債権リスク管理の課題も多々発生しており大きな経営課題となっています。

売れない時代なのですが拡販計画は前向きに、しかし同時に発生する債権のリスク管理や油種別の数量枠管理などを同時にリアルタイムにしかもシビアに管理する必要があるわけですから以前よりも大変な流通管理が求められています。

極端にいえば、売りたいけれども付帯条件がついて「売ることができない」制約が付くケースも多発しています。しかし、往々にして売りたくない業者からの注文などが増えているケースが発生してくるのが現在の状況のようです。
一方では、与信限度額に余裕があり決済力もある企業では収益を見込む販売単価設定が不可能といったジレンマも増えています。

特約店や中間流通段階では今までよりも綿密で詳細な流通管理をスピーディーに実行しない限り収益が出せないわけですし、そのことが販売業者としての命運を分けるといっても過言ではない状況なのですが一般的な特約店レベルではなかなか一気にそのレベルまでの流通経営管理に到達することは不可能な状態です。

現在ではどんなビジネスでも企業の「内部統制」が叫ばれていますが、課題は共通なのです。

当社の灯油配送システム「雪ん子」についてはほとんど一般的なリテール部門で運用されているシステムなのですが、「ペトロマスター」や「D-TAX」については基本的に特約店以上で稼働中なので企業としての売上高も一千億以上といった商社など大企業も多数あります。

大手特約店などでは通常の自社SS用POSシステムと販売店卸売り、直需部門専用の「直売システム」を使い分けているところが増えており最終的に全社「債権管理」データを統合管理しているケースが多いわけですが、これらの直売業務は当然ながら営業部門と経営管理部門が同時にリンクしながら業務を遂行して行く必要があるわけです。

一方でリテール中心の販売店などでは「現金売り」中心のお店、地域掛け売り中心の店舗、大口の軽油ユーザーなども抱えているケースもあるわけです。それらの業者でも当然それなりに販売管理リスクも抱えているわけなのですがリスクテイクの規模や地元情報取得の速度などによるリスク回避の手法も異なるわけで認識のレベルがだいぶ違うようです。

商売の姿勢として、供給側としては「売ってやる」。仕入側としては「買ってやる」といった商売の姿勢ではなかなか感情的にかみ合わないケースも多発してきます。永年継続してきた販売店取引でも特約店の資金繰りが苦しくなれば販売店の面倒を見る「余裕」も少なくなります。販売店としては他の「蛇口」を模索しなくてはならないケースもあるようです。

「石油商売も人情の薄い世知辛い商売になってきた」と嘆くベテランの方が増えてきました。時代が変化してきたようです。

情報化の時代です。買う側もテレビのニュースや同業者同士の掲示板などで情報を仕入れて原油価格や精製コストから流通コストまで勝手に計算して「指値」をしてきます。
日本中のSS経営者がまるで、元売りの地域担当か商社マンのような知識と理屈で単価折衝をしてきますから販売店担当者なども大変です。
売りたくない業者には高圧的に出てみたり、資金力のある販売店には必要以上に頭を下げたり気を使ったりしなくてはならなくなります。

強力な流通管理ツールを駆使して、確かな情報に基づくリアルタイムな情報処理を行うことで流通段階での円滑なビジネスが可能となります。

店頭における「油外収益」などと叫んでいるのはリテール部門だけの話です。
売れない時代に物を売る努力は非常に大変なのですが、ある程度の経営規模では既存業務を徹底的に見直して確実に経営コストを落としたり、リスク回避を行う必要があると考える経営者が増えています。セルフというビジネス形態が石油業界にこれだけ浸透してくれば余計な販売努力や小手先の店頭拡販システムなどは不要だと考えるのも当然の成り行きなのでしょう。

他社が経営的に生きられるのなら、自社はもっと余裕で生き残ろうという経営思考が原点となっているようです。
マラソンで言えば、トップ集団にいて力を温存し勝負のポイントを逃さないという考え方です。すでに心臓破りの坂に近づいた石油業界ですからこれからが勝負ということになりそうです。

石油ビジネスに明確な未来が見えてこない現状では、経営内容の充実と内部統制によるコストダウン効果が一番確実に収益効果を発揮します。

当社では、そんな時代を見越して「ペトロマスターEX」をリリースいたします。
揮発油税暫定税率撤廃は未だ微妙で先行き不透明ですが「D-TAX」で対応できます。

常に、石油ビジネスの「次の時代」を見据えて「プロ仕様」のソリューション開発を行っているのが、我々コンフィデンスソリューションシステムズです。

ぜひ、時代を先取りしたプロ仕様のシステムをご覧ください。