ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

港町の灯油配送

2006年01月31日 15時17分22秒 | Weblog
全国的に港町は坂が多いので、灯油配達が大変です。
価格も配送料が掛かりますから少し高めの設定になっています。

九州の港町長崎でもすでに「雪ん子」が二社で稼動中。
一般的に北国で多いと思われる灯油システムですが実は今では
沖縄から石垣島まで使用ーザーが存在しています。

昨シーズンの話題ですが「長崎新聞」に以下のような記事が掲載されていました。

灯油の宅配年々減少 頭抱える斜面地の高齢者

 冬の生活に欠かせない灯油を配達する業者がここ数年、不況による人員削減や小規模店主の高齢化で減少傾向にある。長崎市の斜面地区に暮らすお年寄りが、重い灯油缶を抱え、狭い階段や急な坂道を上ることもできず、途方に暮れるケースが増えている。

 灯油販売は千リットルを超える場合、消防法に基づき、消防局に対し許可申請が必要。ガソリンスタンドだけでなく、小規模の燃料店や米穀店などでも扱っているため、詳しい統計はない。

 県石油協同組合によると、三年前から年に数件、配達を断られたとの声が寄せられ、配達可能な業者を紹介した。同組合は「不況で配達まで手が回らない業者が多いようだ。その上、斜面地は道が狭く、駐車できないこともある」という。一缶(十八リットル)当たり千円前後と利益率が高くないのも、配達から手を引く要因の一つのようだ。

 同市の七割を占める斜面地の高齢化は、年々進行。市平均の高齢化率20%(二〇〇二年末)に対し、斜面地区になると25―30%と高め。同市中心部の高台に暮らす夫妻は昨年十二月、長年利用していた米穀店に配達を断られた。「一人で店を切り盛りしていた店主が腰を悪くし、配達できない」との理由だった。

 別の業者が引き受けてくれたが、夫(78)は「平地に住み替えたり、高額なガスヒーターに切り替えるほど経済的な余裕もなく、本当に困った」とため息をつく。

 一方、市内のある業者は、斜面地を含む地区ごとに曜日を決めて配達したり、偶数缶での注文に限ったりと、業務の効率化を図る。責任者は「昨年まではなかったが、この冬は特に灯油配達を依頼するお客さんが増えた」と話していた。

マーケットリサーチ

2006年01月31日 14時43分28秒 | Weblog
ある北陸の大手石油業者の社長の奥様が自分の夫の会社へ電話で「灯油を注文」したら、アルバイトの女性が出て、住所や電話番号まで聞かれてビックリしたそうです。それを聞いた社長はさっそく、受注体制の見直しをはかりました。
CTIによる「灯油受注センター」を開設して本格的な灯油ビジネスを展開しています。すでに5年を経過していますが非常に順調な推移です。あの企業にして、収益の核となる灯油の商品力に改めて驚いています。

経営者は自宅でも灯油を使用しているはずです。どんなところでマーケティングリサーチができるのか、ビジネスチャンスは閃いたり、思いついた時が勝負のようです。現状の灯油ビジネスについての改善点があれば忘れずにチェックする必要があります。
 
私と親しいあるSS(あえてガソリンスタンド)経営者は自社SSで自分の車に給油をする事が少ないという。こんな立派な自社SS給油所をたくさん所有しているのに何でだろう? その理由を聞いて納得した。彼いわく「競合他社のSSで給油してフィールドサービスや洗車などの質を確認するマーケティングの一環」なのだそうだ。地域マーケットを常にリードする彼らしい実に合理的な考え方なのである。さすがに同一市内の他社へ行くと顔があるので行きにくいが近隣の街なら判らないという。数千円の給油である。しかも自社で給油しても原価があるので「収益格差」分のたった数百円でマーケットリサーチが可能なのだそうだ。おもしろい発想であるがこれはどんな業界でも行われているマーケットリサーチの基本だろう。ファミリーレストランやコンビニエンスストア、スーパーマーケットなどでも「スーパーバイザー」と呼ばれるスタッフが常に競業他社のサービスや価格設定の動向を調査している。これは、「試し買い」による販売価格調査などでSS業界でも実際に行われている初歩的なリサーチ手法なのである。