イチゴジャム(その1)
仕事の都合で、土、日曜日と祭日に出勤しなければならない時期が有り、
代わりに平日が休みになることが有った。
平日休みもたまには良いもので、役所関係の用事が足せる事も有難いことだった。
妻が出勤、子供達も登校した6月のある日、広神の叔母さんから電話が入った。
イチゴが盛りになって採り切れないから、採りに来ないかと言う嬉しい話だった。
イチゴと聞いて頭にひらめいたことが有った。
妻と子供達が帰宅するまでに、美味しいイチゴジャムを作って驚かそう。
そんな考えが頭の中を駆け巡ったのだ。
その頃の叔母さんは市場にも出荷していたが、どうしても商品としては出せない、
等外品、ハネだしも少なからず出るのだ。
叔母さんが選り分けておいた分に加え、自分でも山ほど採らせてもらった。
そのイチゴを持って帰宅する途中にスーパーに立ち寄って砂糖を買う。
その砂糖も栄養分を考えて、精製白砂糖よりも三盆糖と考えて買った。
帰宅し、鼻歌交じりでイチゴのヘタを切り落とし、着いた土を落とすために何回か洗って水を切り鍋に入れる。
(続く)
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